マイクロチップ・ペット・飼い犬

行方不明のペットを捜すSNS投稿に付け込んで、現金を騙し取る詐欺が横行している。動物保護団体などが飼い主に警戒を呼び掛けているというニュースを、『Khon.com』が伝えた。

 

■SNSで行方不明のペット探し

ペットが行方不明になり、捜索の協力を依頼するSNS投稿が一般的になるつつある。詐欺グループはそうした投稿をしている飼い主の弱みに付け込み、投稿や記載の電話番号を介してコンタクトを取ってくる。

一般的な手口は、動物保護団体を名乗り「行方不明のペットを施設で保護した」という内容で連絡を取ってくるもの。飼い主は1日でも早くペットを取り戻したい一心から、詐欺グループの言いなりになり被害に遭う。

 

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■マイクロチップ代金を請求

動物保護団体によると、詐欺グループは「ペットにマイクロチップを埋め込むための250ドル(約3万7,000円)」を、すぐに請求してくるのだという。迷った動物を保護すると、今後捜索しやすくするために首や耳の裏にマイクロチップを埋め込むというのが、主流になっているためだ。

その際、マイクロチップの登録番号と飼い主の連絡先の登録が必要になる。動物保護団体と偽る詐欺グループはたいていこの時点で金銭の要求、銀行口座の開示などの個人情報を求め、飼い主は誘導されやすくなるのだという。

 

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■詐欺の予防策

動物保護団体は、さらに「我々は電話で支払いを請求することはない」と話す。迷子の動物を飼い主が引き取る場合は、保護施設でペットを実際に確認したうえで、施設に手数料を払うというのが一般的だという。

SNSに行方不明のペットの捜索について投稿する場合は、まずペットの身体などの特徴に関する情報を記載しすぎないよう呼び掛けている。

また「保護している」という電話を受けたら、いったんは切って折り返し電話をかけ、連絡してきた団体が真に存在するかを確認することが望ましいとしている。

さらに、保護されているペットの様子を動画や写真で送るよう頼み、本当に保護されたかを確認すべきだと助言している。

 

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■マイクロチップの是非を問う

アメリカでは全世帯の65%以上がペットを保有しており、ペットにかける支出は約600億ドル(約8兆9,000億円)にも上る。AVMA(米国獣医師会)が発表した調査によると、施設で保護されていたペットのうち家族の元に戻されたのは22%だったのに対し、マイクロチップが埋め込まれたケースでは52%以上に上昇したのだという。

マイクロチップはペットの保護率を高める一方で、一括した情報管理機関がないため誰でも利用できてしまう。このような規制の抜け穴が、ペットの飼い主を狙う詐欺の温床になっていると、動物保護団体は指摘している。

行方不明ペットを案じる飼い主への詐欺が多発 マイクロチップ料金と称し金銭要求