海上自衛隊護衛艦では、主砲射撃で排出される薬きょうで甲板の塗装が剥がれることがあり、乗組員を悩ませているようです。対策も各艦艇によって異なります。

主砲射撃の薬きょうで甲板の塗装が剥がれることも

海上自衛隊護衛艦隊は、護衛艦「まや」の対水上射撃訓練を2023年10月17日(火)に実施したと発表。「まや」が主砲を発砲する瞬間や、主砲を発射した際に排出される薬きょう(撃ち殻)の写真を公式X(旧Twitter)で公開しています。

今回、対水上射撃訓練を実施した「まや」は、神奈川県横須賀基地を母港とする第1護衛隊に配備されています。「まや」と2番艦の「はぐろ」は、現時点では海上自衛隊で最新のイージス艦です。

「まや」の主砲は、「あたご」型から採用された「Mk.45 MOD.4」62口径127mm単装砲を搭載。完全に無人化された砲塔で、発射速度は毎分16~20発とされています。従来の主砲よりも発射速度は低くなった一方で射程が伸び、対地攻撃にも高い効果を発揮します。この主砲は「あきづき」型や「あさひ」型、「もがみ」型にも採用されるなど、海上自衛隊護衛艦のスタンダードとなっています。

ただ、発砲の様子を発信した護衛艦隊は公式Xで、「薬きょうで甲板のペンキが剥がれてしまうので、射撃の後はペンキ塗りが大変です」としています。

海上自衛隊が公開している別の護衛艦の主砲射撃の写真を見ると、主砲に薬きょう受けを設置したり、マットを敷いたりしている艦艇があります。また、遠方に薬きょうが飛ばないように、主砲の周辺をネットで囲っている艦もあります。各艦艇で対策が異なるようです。

イージス艦「まや」(画像:海上自衛隊)。