自身の内向的でHSPな実体験を元にした漫画を発信しているここみさん(@cocomi_3)。2022年8月には初の著書となる「私は私を幸せにする方法を知ってるんだ」を刊行し、多くの共感を呼んでいる。

【漫画】本編を読む

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【書籍より引用】

幼少期から集団の中にいると、いつもどこか緊張していてぎこちない。なんとなくまわりから浮いていて、でも1人の時間と家族といる時間だけは、自分らしくいられた。そんな自分を変えたくて無理をする日々。人生が合っていないような、ぬぐえない違和感…。頭と心と体がちぐはぐなまま生きていた。

ある日、自分が「内向的」で「HSP」だということを知ると、今までズレていた人生のピントが初めて自分に合った気がした。これは「私が私を取り戻す」までのキロクである。

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人によっては「あるある」と共感したり、「へ~」という新発見があったり、はたまたクスリと笑えたり、ほっこりしたりもしてしまう…。そんなエピソードをお届けしていきます。今回は、落ち込んだ時の対処法について。

■落ち込んだ時こそ1人で

人が健やかに生きるためには体力と気力の両方が必要です。そしてその力は普通に生きているだけで消費されていきます。

体力については身体を使えば使うほど消耗されていくし、休めば回復するのでわかりやすいかと思います。

ですが、気力については、なにによって消耗され、回復してていくかが人それぞれ違います。総合かぜ薬のように万人に効く回復法は、ないか、あっても効き目が少ないのでしょう。一人一人にあったものを見つけていくことが大切です。

あなたの回復法はどんなものでしょうか。私は「1人静かに過ごす、自分の中でたくさん考える、寝る」という感じです。人と話すことが嫌いなのではありません。むしろ好きです。

ただ、落ち込んでいるときは人との会話よりも1人で過ごしたいのです。このことに、最近やっと気づきました。

だからこそなのか、友達や家族が落ち込んでいても「誰にも干渉されたくないだろうな」と思い込むクセがあることにも気づきました。自分がそうしてほしいから相手もこうだろうと、目の前の1人のことを知ろうとしていなかったかもな、と少し反省しました。

そこで少し気になって、落ち込んだ時どうしたいか、というのを友人達に聞いてみました。「寝る、猫に癒される、ヒトカラ(1人カラオケ)」「1人ぐっとこらえて、落ち着いてから人と会って話したい」「人に話して共感してもらいたい」など、様々でした。

やっぱり、最適な距離感、空気感は人それぞれのようです。でも、楽観的であれ悲観的であれ、元気そうにみえるあの子も、きっと誰しも1人眠れない夜があるのでしょう。当たり前かもしれませんが、皆表向きには、悲しさや不安や焦りや恐怖などを隠しているのだと思います。そのことを忘れたくないなと思いました。

私にとって家とは、回復するため、自分と向き合うために必要不可欠な場所です。お気に入りのものだけに囲まれた素敵空間…というわけでは全然ないのですが、どんな魅力的なお店より、観光地より家が好きです。

自分が内向的やHSPだと気づいてからというもの、家という存在の重要さを改めて感じました。考えてみれば、家こそ究極のパーソナルスペースであり、唯一気が抜ける場所です。昔から休日はお出かけするより家にいる方が好きでした。私は言ってみれば「外に出る」という行為だけで気力と体力が消耗されていくタイプなので、平日の昼間学校で消耗したエネルギーを家で回復させていたのでしょう。

学生のころ、私は家族の中で一番家に帰るのが早かったので、シーンとした薄暗い午後の部屋で1人過ごす時間がありました。その時間には、なんともいえない心地よさがありました。実感するほどではないような小さな緊張の連続で凝り固まった心が、家の中でほどけていき、静けさと安らぎが染み渡っていくような。

友達と笑い合ったり真面目な顔をして話したりして過ごす時間も大切。そのあとの静かな時間も大切。どちらかが欠けても私は成り立たないのです。

ただし、仕事でも人間関係でも、なんらかの理由によって気力か体力が消耗されたときは、まずは自分の回復を優先すること。それを心に留めて置こうと思います。

「落ち込んだ時こそ1人で」より