試合後に審判に詰め寄り、ボディーを食らわせる暴挙に出たアデレエ。(C)Getty Images

 世界を熱狂させた大興行の最中に行われたタイトルマッチでの“蛮行”が波紋を広げている。

 現地10月28日サウジアラビアの首都リヤドで、WBC世界同級王者のタイソンフューリー(英国)と元UFC世界同級王者のフランシス・ガヌー(カメルーン)による「ボクシングマッチ」をメインとした一大イベントが行われた。

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 各界の著名人が招かれ、全世界200以上の国と地域に向けたPPV配信も実施された同イベント。盛大なメインマッチの前にはアンダーカードとして、英国ヘビー級タイトルマッチ12回戦が行われ、デイビット・アデレエがファビオ・ウォードリー(ともに英国)に7回TKO負けを喫した。

 波紋を呼んだのは、敗者となったアデレエの振る舞いだった。

 7回にウォードリーの猛ラッシュを受けたアデレエはグロッキー状態に。何とか自力で立ってはいたものの、危険と判断したレフェリーが両雄の間に割って入り、試合をストップした。しかし、判定を不服とした26歳はレフェリーを軽く突き飛ばすと、さらに詰め寄って何やら言葉を発しながら、脇腹へ右の拳を当て込んだ。

 敗れた悔しさもあったのだろう。しばらくして冷静さを取り戻したアデレエは試合直後のフラッシュインタビューでは「俺は男だ。勝っても、負けても謙虚になる。この負けを受け止めたいと思う」と猛省のコメントを口にした。しかし、レフェリーに手を出してしまった行為には批判が殺到している。

 オーストラリアの日刊紙『The Weekly Times』は「レフェリーの介入に納得できなかった挑戦者はKO負けを告げられた直後に下腹部を殴る醜い行為に出た」とアデレエの愚行を糾弾。さらに英スポーツ専門ラジオ局『talk SPORT』は「アデレエは自分の負けを認めようとはしなかった」と指摘。そして、問題の場面を次のように描写している。

「アデレエはキャリアで喫した初めての敗北に納得ができなかったのだろう。ジャッジに怒り、そして険しい表情でレフェリーへと迫り、試合続行を求め、軽いパンチを見舞う暴挙に出た。彼はこの時にファイティングポーズを取っていたが、すでに足はふらついており、試合続行できる状態ではなかった」

 後味の悪い結末となったタイトルマッチ。この敗北から「学ぶ」というアデレエは、ふたたびチャンピオンロードに舞い戻れるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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