JYPエンターテインメントと日本のソニーミュージックの日韓合同オーディション・プロジェクト「Nizi Project」。国民的ガールズグループとなったNiziUを生んだSeason 1に続き、ボーイズグループの創出を目指すSeason 2。Huluにて独占配信中の「Part 1」のラストとなる第10話では、日本合宿の最終審査・チームミッションの後半2組のパフォーマンスと、韓国合宿進出者をついに発表。J.Y. Parkが「Niziの奇跡」と呼んだ、驚くべき成長を見せて大逆転を遂げた参加者も現れ、20人中何人がデビューへと大きく近づく韓国合宿行きの切符を手にするのか…。「Nizi Project Season 2」の大きな節目を迎えた第10話を考察と共に振り返る。

【写真】「素晴らしいパフォーマンス」とJ.Y. Parkに大絶賛された「モチトッキ」チームの「Switch to Me」の一場面

■未獲得のNiziキューブをもらえるラストチャンス

韓国合宿に進むためには、ダンス、ボーカル、スター性、姿勢…4つすべてのNiziキューブが必要。ここまでの個人テストでもらえなかったキューブを、このチームミッションでJ.Y. Parkに認められて追加獲得できるラストチャンスでもあるので、足りないキューブがある参加者は正念場だ。

だが、今回のチームミッションでは、自分だけがうまくやれれば良いわけではない。個性も出しつつ、グループとしての魅力をどれだけ見せられるかがポイント。グループの編成と課題曲はJ.Y. Parkが決め、参加者は4人ずつ5チームに分かれ、限られた練習期間で本番を迎えた。

高難易度課題曲に苦戦するソウダイ率いる「オルンイ」チーム

4組目として登場したのは、ソウダイ、ユウヒ、ユイト、コウヘイの「オルンイ」チーム。「大人」という意味の韓国語「オルン」と、「子供」の意味の「アイ」を併せたチーム名で、「幼いけど幼くない」という思いが込められているようだ。

ボーカル・レベルテスト1位のソウダイがリーダーのこのチームの課題曲は、GOT7「I WON’T LET YOU GO」。「この曲はサビに切なくも強いメッセージが込められている。激しいパフォーマンスをしながらも、訴えかけるように歌ってほしい」と、J.Y. Parkは期待を寄せるが、4人はダンスの難しさと高い音程に不安を募らせる。

その不安は的中し、練習では高音で声が裏返り音程も不安定、ダンスも激しさから疲れが隠せない…。ダンストレーナーからは「やる気がないように見えてしまう」と指摘されるが、彼らは全力でやっているのだ。

「疲れているのは分かるけど、見てる人はそのことを知らないのだから、今のが本番だったら全員脱落」と厳しい指摘を受け、リーダー初体験のソウダイは、みんなをどうリードしたらいいのか分からず、深く悩んでしまった。

そんな彼のプレッシャーを軽くしようと、積極的にメンバーにアドバイスをする、ソウダイと同じくJYP練習生のユウヒ。彼らは互いを尊重しながら、パフォーマンスの精度を上げていった。

■「ステージでは、感情を思いっきり爆発させるべき」

パフォーマンスを見終えたJ.Y. Parkは、感想の前に「歌やダンスを正確にすることは練習時の目標であって、ステージではただただ感情を思いっきり爆発させるべき」と語り始めた。「歌とダンスが体から自動的に出てきてこそ、感情だけに集中することができる。そんな“自由さ”を感じさせないといけない」と。

ソウダイは、高音パートの前に身構えてしまうことを以前から指摘されていたが、今回もまだそれが残っていて、「見ている人も一緒に心配な気持ちになる」と言われてしまった。

そして、ダンス・レベルテスト2位のコウヘイも「自分の声が不安定なのを心配して、歌だけでなくダンスまで実力を出せていなかった」と厳しい指摘を受けた。

高評価が得られず空気が重くなる中、「自由さがあった」と褒められたのはユウヒ。自分のパート以外でも歌っている人より表情が豊かだったと絶賛され、「今日は完全にスターのように輝いていた」と、スター性キューブを獲得。そして、同じく自由さを褒められたユイトもダンスキューブを追加で獲得した。

■リーダーシップを発揮したトモヤ

そして、最後はトモヤをリーダーにした、ケン、セイタ、リオの「モチトッキ」チーム。餅が好きでゴリラに似ていることから「餅ゴリ」とファンから呼ばれているJ.Y. Parkに対し、自分たちは餅好きなかわいいウサギ(韓国語で「トッキ」)なのだという意味のようだ。紹介を聞いたJ.Y. Parkは、「格好良い見た目とのギャップがすごいね」と笑った。

彼らの課題曲は、RAINとJ.Y. Parkのコラボソング「Switch to me(duet with JYP)」。5曲中唯一、歌詞が韓国語で、韓国語が全く分からないリオは大苦戦。そんな彼に、トモヤは歌詞に印を付けてアクセントの場所を教えたり、ホテルに戻っても彼を心配して電話をかけたり…と気遣い、リオは心から感謝した。

トモヤは、ボーカルのリズムがうまく取れないケンに対しても、自ら歌ってみせたり、褒め上手を発揮して根気良く練習に付き合ったりと、リーダーの素質を開花させていった。

■J.Y. Park大絶賛の「モチトッキ」チーム

パフォーマンスの前に円陣を組んで、「I can We can ソケン!」と、ケンのキャッチフレーズを皆で叫び、気合いを入れる4人。パフォーマンスが始まると、歌い出しのトモヤの歌声にすでに心を鷲掴みされた様子のJ.Y. Park。そして、バウンスとジャンプが多くて練習ではなかなかそろわなかったダンスもバッチリ合って、J.Y. Parkの口が「おぉー」と動き、「やるなぁ」というような表情に。

思わず「フゥー」と声が出てノリノリになるJ.Y. Park。そして、終わるや否や破願して大きな拍手を贈り、「メンバー1人1人がうまくやりながらも、チームの統一性もなくさない、素晴らしいパフォーマンス」と大絶賛した。

■ケンが起こした「奇跡」

チームとしても期待以上だったが、特に光ったのはケンの成長。「動きやメロディーの奥にあるフィーリングまで自分の物にしていた」と驚きを持って称賛した。彼は、ケンのスター性を大きく評価していたが、実力と経験が足りない点が残念でたまらなかったのだ。このパフォーマンスが始まる前も、ケンが奇跡を起こすことを願っていた。

そして、「メンバーたちのケンに対する思いやりに、ケンの実力が重なって、奇跡が起きた」と言うJ.Y. Park。「絶対何かやってくれると思った」と、笑いながらケンを呼び、ダンスとボーカル、2つのキューブを与えた。彼の韓国行き合宿進出の可能性が一気に上がった。

ボーカルキューブのみだったセイタも「今日のダンスはスターのようだった」と2つのキューブを一気に獲得した。

そして、ボーカル、ダンス、フィーリング、全てが今日の参加者の中で最高な上に、リーダーシップも評価されたトモヤ。ステージを降りた後、感謝するメンバーたちに、「頑張ってくれてありがとう」と逆に感謝をして、自分のせいでチームが低評価だったら…と、内心すごく心配だったことを打ち明け、涙を見せた。

■参加者同士の「友情レター

全ての審査が終わり、最後の条件となる「姿勢」を考慮して、最終的な韓国合宿進出者を決める段階に。実力はJ.Y. Parkが判断できるが、人柄や取り組む姿勢までは正直分からない。そこで、トレーナーやスタッフに評価をしてもらい、加えて参加者同士がどんな関係を築いたのかを知るため、合宿中毎日「友情レター」として、誰か1人に充てた手紙を書いてもらっていたのだ。

J.Y. Parkは合計80通の手紙を読み、朝が弱いショウケイが毎日起こしてくれたユウキに感謝していること、テストの時に弱気になっていたセイタやエイジをミラクが勇気づけていたことなど、テストだけでは分からなかった一面を知るのだった。

「成功したチームは実力だけが優れているのではなく、メンバー同士が仲が良い」とJ.Y. Parkは語る。互いを大切に思い励まし合うチームでなければ、実力も伸びないし、ファンも応援しない、と彼は考えている。「JYPのアーティストは、みんな性格人柄が良い」と言われる所以だ。

■韓国合宿進出者は20人中12人

こうして、日本合宿期間の最終順位の発表へ。1位になり、まず韓国合宿進出を決めたのは、姿勢評価で2位となったトモヤ。「今回の合宿を通して、最高の仲間に出会えて本当に良かった」と、日本合宿を振り返った。

2位はユウキ。3位はハル。4位はエイジ。そして5位は、姿勢評価で1位となったミラク。「韓国に行っても、いい人でいられるように頑張りたい」と思いを語った。

9位のショーンまで続々と名前が呼ばれたところで、J.Y. Parkから「韓国合宿行きは残り3人」と告げられ、一気に緊張が高まる。10位で呼ばれたのはソウダイ。そして、11位でセイタが呼ばれ、残るはあと1人…。

J.Y. Parkは「Niziの奇跡」と前置きして、「ソケンです」と告げた。心底驚いた表情のケン。驚きすぎて何と言ったらいいのか分からないと感無量になりながら「これまでの倍以上頑張って、成長した姿を見せられたら…」と決意を新たにした。

■J.Y. Parkも数多くのオーディションに落ちた過去が…

残念ながら韓国合宿行きがかなわなかった参加者たちに「僕も数多くのオーディションに落ちた」と話し出したJ.Y. Park。だから「今回名前を呼ばれなかったのは特別じゃなかったということではない。これからも自分自身を発展させてほしい」と励ました。

発表が終わった後も、なかなかその場を去れない参加者たち。「絶対、違う形で会いに行く!」と気持ちを新たにするショウケイを「ずっと応援してるから」と激励したり、「モチトッキ」チーム唯一韓国に行けないリオを「頑張ったって自分に言ってあげて」とメンバーが抱きしめたり…。出会ったばかりの日本合宿初日にはぎこちなかったが、何にも代えがたい絆が生まれ、この経験は誰にとっても大きな財産となったはずだ。

韓国でのトレーニングを経て、デビューが決まるまでの様子は「Part 2<完全版>」として、10月13日よりHuluにて独占配信スタート。10月7日からは日本テレビにて「実況!ニジプロ2」(毎週土曜昼2:30-3:00、日本テレビほか)も開始。加えて、朝のTV情報番組「DayDay.」(日本テレビ系)でも毎週水曜に引き続き特集が放送される。12人の中からデビューを掴むのは誰なのか、さらに激しくなる戦いを見守りたい。

◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョン編集部

■韓国合宿参加メンバー

1位 トモヤ(福岡/JYP練習生)

2位 ユウキ(兵庫)

3位 ハル(大阪/JYP練習生)

4位 エイジ(愛知)

5位 ミラク(東京)

6位 ユウヒ(和歌山/JYP練習生)

7位 タイガ(東京/JYP練習生)

8位 ユウ(福岡)

9位 ショーン(兵庫)

10位 ソウダイ(宮崎/JYP練習生)

11位 セイタ(埼玉/JYP練習生)

12位 ケン(東京)

韓国合宿行きメンバー発表に緊張する参加者たち/(c)Sony Music Labels Inc./JYP Entertainment