果物はビタミンや食物繊維など、体に必要な栄養素が多く含まれているといわれています。甘くておいしいため、好んで食べる人は多いと思います。

 ところで、おいしいからといって果物を過剰に摂取した場合、体にどのような影響を与える可能性があるのでしょうか。果物の適正な摂取量などについて、管理栄養士の桜井このさんに聞きました。

血管の炎症や動脈硬化などの原因に

Q.果物を過剰に摂取すると、体にどのような影響を与える可能性があるのでしょうか。

桜井さん「果物で一番気になるのは、糖質が多いという点ですね。糖質を取り過ぎると血糖値が上昇しやすくなり、血管の炎症や動脈硬化などが起きやすくなってしまいます。体内に糖質が送られると、肝臓がそれを処理する役目を果たすのですが、果物の場合はより肝臓に負担をかけやすいといわれています。

また、果物とパンという組み合わせのように、炭水化物と同時に摂取した場合、血糖値を急激に上昇させてしまう要因にもなります。

ただ、果物の中には糖質だけではなくビタミンやミネラルなどの栄養素が含まれているものも多いため、適量であればむしろ積極的に摂取したい食べ物でもあります」

Q.果物の適正な摂取量について、教えてください。

桜井さん「例えば、リンゴの場合は半分程度、バナナは1本分、イチゴは15粒、ミカンは1個が目安です。血糖値が上がりやすい食事をしている場合に気を付けたい病気の一つが糖尿病ですが、血糖値の上昇を抑えたい場合は、80キロカロリー程度に抑えるのを目標にすると良いと思います。

ただし、缶詰などの加工された果物は添加物や糖分が多く含まれているものが多いため、ダイエットなどの際に甘いものを食べたいと思った場合は生の果物の方がお勧めですね」

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 実は日本人は、果物の摂取量が少ないというデータもあるそうです。食べ過ぎると糖質量が気になりますが、ビタミンやミネラルなどの栄養素も一緒に摂取できるため、ダイエットのときに甘いものがどうしても食べたいと思ったら、果物を選んでみるのが良さそうです。

オトナンサー編集部

果物を過剰に摂取すると、どうなる?