ほぼ1車線「運転注意」な峠道に変化です。

2020年に事業化

京都府兵庫県にまたがる「国道429号」で、府県境を越える狭隘な峠道に、トンネル主体の「榎峠バイパス」が整備中です。

国道429号倉敷市から津山を経由し、福知山へ抜ける全体ルートです。将来的に「中国地方の東西軸」を担うためにひとまず路線認定されたもので、バイパス・改良事業がまだ進展していない現在、ほぼ全線にわたって狭隘・クネクネの山岳区間が断続し、いわゆる「酷道」に類したままの路線です。

その中で、この「榎峠バイパス」は、実際に着工に至っている区間です。2020年に事業化し、測量設計が本格化。兵庫県側からも1月に着工し、今月16日にはトンネル本掘削の施工業者が決定。準備が進められています。

現道の榎峠周辺は、外側線も引かれていない区間があり、道幅は車がギリギリ通れるくらい。ヘアピンカーブが連続し、杉林が両側に天までそびえ立つ、野性味あふれる山道です。当然ながら大型車両は通れず、普通車も通行困難。丹波市青垣地区や北近畿豊岡道からの最短ルートですが、実質的に春日JCT方面へ迂回して、国道175号か舞鶴若狭道を利用するしかありません。

ここを、長さ1092mの榎峠トンネルで一気に抜け、周辺の集落内隘路も2車線の新ルートでバイパスします。福知山市中心部から旧青垣町までは、15分の短縮となる見込み。完成目標は2026年度です。

榎峠バイパスのイメージ図(画像:兵庫県)。