週明け30日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前営業日比3.77ポイント(0.12%)高の3021.55ポイントと5日続伸した。約2週ぶりの高値水準を回復している。
 米中関係の改善期待が相場を支える流れ。中国の王毅・外交部長は10月26~28日の日程で訪米し、バイデン米大盗聴やブリンケン国務長官などと相次いで会談した。11月に米国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に合わせ、習近平・国家主席とバイデン大統領の会談が実現するとの見方も広がっている。ただ、全体としては上値が重い。中東地域の地政学リスクが高まっているほか、中国指標の発表も気がかり材料として意識された。中国であす31日、10月の製造業購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が公表される。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、ハイテク関連の上げが目立つ。薄膜コンデンサー中国最大手の廈門法拉電子(600563/SH)がストップ(10.0%)高、IC設計の上海韋爾半導体(603501/SH)が8.4%高、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が7.4%高、LED部材トップメーカーの三安光電(600703/SH)が4.4%高、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が3.8%高で引けた。
 医薬株もしっかり。人福医薬集団(600079/SH)が3.2%、上海復星医薬集団(600196/SH)が3.0%、江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が2.6%、薬明康徳(603259/SH)が2.0%ずつ上昇した。素材株、公益株、インフラ関連株、空運株、酒造・食品株なども買われている。
 半面、銀行株は安い。招商銀行(600036/SH)が2.0%、中国農業銀行(601288/SH)が1.9%、中国工商銀行(601398/SH)が1.7%ずつ下落した。招商銀行など本土行が報告した1~9月決算では、経常収益(=売上高)が減少し、純金利マージンも低下。業績不安が重しとなった。不動産株、エネルギー株、自動車株、保険・証券株も売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.15ポイント(0.94%)高の230.36ポイント、深センB株指数が3.49ポイント(0.33%)高の1062.66ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)