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 車のギネス記録のなかには、片輪で走行する車の窓からタイヤ交換などの超絶スタントがあったりするが、今月初めマンモス級のトラックを手なずけた猛者がギネス史上初のとんでもない記録を達成した。

 このたびイタリアスタントマン(43歳)が挑戦したのは、重量物運搬車(HGV)の4つのタイヤのうち、運転席側(左)2つのみで走行し、狭い隙間を通るという前例のないカテゴリー

 おそろしく巨大なトラックで片輪走行するだけでなく、障害物にふれることなく幅3.8メートルの隙間を通り抜け、前代未聞の新記録を樹立したのだ。

【画像】 巨大トラック片輪で隙間を通過!前人未到のカースタント

Side Wheel Driving Through The Tightest Gap...IN A TRUCK - Guinness World Records

 映像はイタリアスタントマンマルコ・ダヴィデ・ジョニーさん(43歳)による前人未到のトラックスタントチャレンジだ。

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 その挑戦とは、見てのとおりの巨大トラック( HGV:重量物運搬車)を片輪だけで走らせて、幅3.8メートル(12フィート5インチ)の狭い隙間を抜けるという、ギネス記録史上初の試みだ。

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 なおこの記録達成には、左右の障害物にいっさい触れずに通過、最低10メートル以上転倒せずに片輪走行、制御しながらの安全停止という条件がある。

障害物で2度失敗。最後の最後でついに成功

 普通車片輪走行でも充分神業だが、これほど大きなトラックで片輪、しかも隙間を通るなど想像を超えている。

 一歩間違えば確実に大事故。けた外れのスキルをもつジョニーさんはよほど自信があるんだろうか。

 と思いきや、見てるこっちも「うわ惜しい!」と声が出るほどもうちょいな失敗の連続が待っていた。

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 3度限りの挑戦のうち、さっそく始めた1回目。右のタイヤをランプに乗せての片輪走行までは良かったが通り始めると障害物にぶつかりアウト。続く2回目も同じように引っかかってしまう。

 しかしラストの挑戦でついに彼はやり遂げた。視聴者が固唾をのんで見守る中、巨大なHGVのバランスを驚異的なセンスでキープ。

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 片輪のままノーミスで隙間を通り抜けたのち、すべてのタイヤを安全に着地。ラストの停止も完璧にこなした。

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キャビンの動きに苦戦しアドレナリン全開のハンドル操作

 その後インタビューを受けたジョニーさんは、今回の挑戦はアドレナリン全開で肉体的に厳しいものだったと語り、「落ち着いてきた今になって猛烈な睡魔が…」と冗談交じりで応じていた。

 また2回目までの失敗については「加速が早く強かった」せいでクリアできなかったとし、こんな風に説明していた。

トラックのキャビン(運転席がある先頭部分)がやたらと大きく揺れ動いたせいで制御が難しかった。ほんのわずかでも「ここ!」って時に加速すると、キャビンが勝手に踊り出すんだよ。

 そして最後の挑戦では、ありったけの集中力で加速を一定に保つことに務めたそうだ。それは精神面だけでなく肉体的にもかなりの負荷で、腕や肩の感覚がマヒするほどだった。

記録破りのスタントを息子に継承

 ついに念願のギネスの認定証を手渡された時には「まだアドレナリンが残ってるうえに手に力が入らない」と言っていたジョニーさん。

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 運転技術はもちろん、超絶バランス感覚やいざという時の決断力、人並み外れた集中力。そのすべてがそろってやっとできるような技なのだろう。

 にしても、世界広しと言えどこれほど大きなトラックでこんなスタントができる人まずいないような。

 このぶんだと、ジョニーさんの独壇場というか自己記録更新イコール新記録になるんじゃ?と思ったら実はジョニーさんには息子がいて、彼にもちゃっかり記録破りの秘伝の技を継承中だという。

 ジョニーさんもまだまだやる気みたいだし、息子さんとの親子対決ふくめ、これからも手に汗握る迫力の記録がギネスで炸裂しそうだな。

追記:(2023/10/30)本文を一部訂正して再送します。

References:guinnessworldrecords / upiなど /written by D/ edited by parumo

 
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片輪走行で狭い隙間を通り抜けるトラックの見事なスタント技がギネス記録を樹立