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今年(2023年)は、10月までの台風の発生数が16個(10月29日まで)と、平年より6個ほど少なくなっています。台風発生数が少ない年の意外な共通点とは?

今年の台風 発生数が少ない 9月は最少記録タイ

今年(2023年)は、台風の発生数が少なくなっています。平年ですと、台風は一年間に25個くらい発生。1月~10月までの発生数は22.0個ですが、今年は16個(10月29日)と平年より6個くらい少なくなっています。

特に、台風シーズンの9月に発生数が2個(平年5.0個)と、1951年の統計開始以来、1951年1973年1983年に並び最も少なくなりました。

また、上陸数も1個(10月29日まで)と、平年(3.0個)より少なくなっています。

9月 台風発生数が少なかった原因

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今年(2023年)、9月に台風の発生数が少なかった理由のひとつが、フィリピン沖に「モンスーントラフ」がほとんど現れなかったことです。

「モンスーントラフ」は、夏に南アジアから東南アジアにかけて現れ、フィリピン沖を流れる東寄りの貿易風の南側でインド洋からの季節風「モンスーン」が吹くことで生まれる、反時計回りの大きな風の循環です。

「モンスーントラフ」では雨雲がまとまり台風が発生しやすくなりますが、ことしの9月中旬から下旬にかけてはフィリピン沖で高気圧が発達して「モンスーン」が弱まったために台風が発生しにくくなったとみられます。

台風発生数が少ない年 意外な共通点

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1951年の統計開始以来、1月~10月までの台風発生数が少ない年は以下のようになっています。

①1998年:11個
②2010年:14個
③1969年と今年2023年:16個

台風発生数が少ない年は、今年(2023年)も含めて共通点があります。それは、台風の数は少なくても、900hPa以下の猛烈な台風が発生しているため油断できない事です。

1998年の台風10号(中心気圧900hPa)と、2010年の台風13号(中心気圧885hPa)は、10月中旬とほぼ同じ時期にフィリピン東方で猛烈に発達しました。

今年2023年も、台風2号(5月)と台風15号(10月)は、強さのランクで一番上の猛烈な台風となり、中心気圧900hPaまで下がりました。10月に中心気圧が900hPaまで下がったのは、2018年台風26号以来、5年ぶりのことです。

この類似性は偶然かもしれませんが、全般的に台風が発達しにくい環境において、たまたま発達の機会を得た台風は、海洋に蓄積した熱エネルギーを得て、猛烈に発達するということなのかもしれません。

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