フランスサッカー専門誌『フランスフットボール』は30日、2023年のソクラテス賞の受賞者を発表。レアル・マドリードに所属するブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールが選出された。

 2022年に創設されたソクラテス賞とは、最も社会的な取り組みを行なった選手に贈られる賞。その名称は、医師免許を持っていたことでも知られ、1980年代には社会変革のための政治活動にも身を投じた元ブラジル代表MFソクラテス氏の名にちなんでいる。昨年は、自身の生まれ故郷の村での学校や病院の建設に携わったセネガル代表FWサディオ・マネ(アル・ナスル)が受賞した。

 記念すべき2人目の受賞者となったのはヴィニシウス。母国の恵まれない子供の発達および教育の支援を目的とし設立した慈善財団「Instituto Vini Jr.」での活動が高く評価されての受賞となった。また、23歳のブラジル代表FWはブラジルの教育制度におけるデジタル格差の是正に向けた取り組みも行なっているという。ヴィニシウスは受賞の喜びを語ったうえで、現在直面している人種差別問題についても次のように言及した。

「このような賞を受賞し、ブラジルの多くのファベーラ(貧困地域などを指す言葉)を助けることができて非常に嬉しい。これほど多くの素晴らしい選手に囲まれていることは夢みたいだ。人種差別についても声を上げなければならないし、僕はどこにいてもそうするつもりだ。同じような経験をしてきたすべてのプレーヤーのために、僕はそうしたいと思う。これからも戦い続け、このようなことが少なくなるようにしていきたいと思っている」

ソクラテス賞を受賞したヴィニシウス [写真]=Getty Images