MOMOエマ・コリンウォニョンエヴァー・アンダーソンユナ 01 | 05

パリ、イエナ宮で開催された本コレクションは、カタール系アメリカ人アーティストのソフィア・アル・マリアとコラボレーション。建築家のレム・コールハース率いる「OMA」とともに、テクノロジカルな廃墟の風景をつくりあげた。

会場には、いくつもの柱とスクリーン、鏡が設置され、アル・マリアの映像作品『Gravity & Grace』が映し出される。風のような、雷鳴のような音が響き、オーストラリアメルボルンを拠点とするデュオ Divide and Dissolve(ディヴァイド・アンド・ディゾルヴ)によるサウンドトラックが流れ、ショーが始まった。

ファーストルックは、男性用のスイムウェアにブレザー、チェックシャツとポロシャツの組み合わせ。ラフなヘアスタイルに大きなメガネ

続けてカラフルなスイムウエアやマイクロミニのフレアスカート、刺繍が施されたドレスが登場。そして、スイムウェアとカクテルドレス、アンティークのようなペチコートブレザー、シンプルなシャツにブロケードのゴールドのドレスと、予想外の組み合わせで再構築されていく。

スエードやレザーにはダメージ加工が施されており、それは生活の痕跡、時間の経過を示すものであり「長く使われていたもの、愛されてきたもの、という概念」を表しているという。

そしてスクリーンでは、イギリススタントウーマンのアイーシャ・フセインが、膝丈のブーツを身につけ、剣とクロスボウで何かと戦っている。繰り広げられる架空の歴史と共に、超現実的なことと日常的なことが混じり合う。リアルとファンタジーの境目を問いかけるアル・マリアの世界が広がる。

シューズではNew Balance 530、チャーチの「Shanghai」とのコラボレーションモデルも登場。ミュウミュウらしい再解釈が注目を集めた。

脇に抱える口の開いた大きなバッグからは、スポーツウェアやヒールなどが顔をのぞかせている。それはまるで多忙な日々を生きる人々の、人生の豊かな断片のよう。

またランウェイにはキャラクターキャストとして、写真家でアーティストのペトラコリンズ90年代ミュウミュウのショーで活躍したローズマリー・ファーガソン、そしてジジ・ハディッドらも登場。

「そこにあるのは一つの美しさではなく、いくつもの美しさ。一つひとつ異なる個性を受け入れること、人生の喜びです」

ショーノートで語られていた言葉からは、凝り固まった窮屈なパラダイムから、豊かな多元性に向けて拡大していくこと、複雑な時代に呼応する「美」を求めるミュウミュウの姿が見えてくる。

そしてラストには、ソフィア・コッポラの最新作で注目を集める俳優カイリー・スペイニーが登場し、ショーを締め括った。

Miu Miu
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