街でお店で電車の中で、通りすぎる際に視界に入るだけで私たちにさまざまな情報を伝えてくれる、そんな広告以上の存在、それがポスターです。ですがその中で、思わず足を止めてじっと魅入ってしまうような、自分の心にヒットするものはとても限られているでしょう。そんなポスターに出会ってみたいと思いませんか?

※2023年10月16日掲載、ダ・ヴィンチWebの転載記事です

世界中のディズニーテーマパークの敷地内には「アトラクションポスター」と言われるポスターが掲示されています。その名の通り、アトラクションの紹介をしたポスターです。その歴史は古く、1955年に初めての東京ディズニーランドカリフォルニアにオープンした時から変わらず存在しています。日本でもアトラクションポスターを撮影してコレクションするディズニーマニアがいるかもしれません。

「続ディズニーテーマパーク ポスターコレクション」(講談社)は、美しく魅力的なデザインで彩られたアトラクションポスターを集めた画集でもあり、ディズニーテーマパークにとってのアトラクションポスターの重要性を解説してくれるファン必読の一冊となっています。

例えばお馴染みのアトラクション名と特徴的なロゴ、そして登場するキャラクターたち。そのポスターを見るだけで、これから自分が体験する最上級の娯楽への期待と想像に胸が躍るのは間違いありません。つまり本書を読めば、そこはもうディズニーリゾートなんです。

まずは、アトラクションポスターの一例を見てみましょう。

見たことがあるような気もするが、一体どこで見たのだろうかと思った方も多いのではないでしょうか。もしアナタが電車で東京ディズニーランドへ行ったことがあるならば、必ずと言っていいほど目にしているはずなんです!

それは、舞浜駅から東京ディズニーランドへ向かう途中にあります。

計4枚のポスター台があり、両面合わせて8つのアトラクションポスターが掲示してあるんです。

筆者が撮影した2023年8月は、「イッツ・ア・スモールワールド」「ビッグサンダー・マウンテン」「モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク”」「ベイマックスハッピーライド」「美女と野獣“魔法のものがたり”」「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」「プーさんのハニーハント」「スプラッシュ・マウンテン」の8つのアトラクションポスターを見ることができました。

筆者が撮影している間、誰もアトラクションポスターの前に立ち止まることはありませんでしたが、通りすぎる人からさまざまな会話が聞こえてきました。

さな子供が母親に「このプーさんのアトラクション乗るやつ!」と興奮気味に指を差していたり、女子高生同士のグループが「美女と野獣のエリアに行くの楽しみだよね!」と会話に花を咲かせていたり…。

これからパークでどんな冒険が楽しめるのか、わくわくと胸を膨らませている様子こそ、まさにこのアトラクションポスターの仕掛けが生み出すものであると本書では語られています。

この仕掛けを1955年当初から考え抜いて制作してきたということに驚きです。もちろんデザインとしても非常に優れていて、これまでも数々の賞を受賞しているそうです。

また今ではデジタルが当たり前ですが、当初のアトラクションポスターはスクリーン印刷で制作していました。スクリーン印刷の手順も解説されていますので、デザイナーやクリエイターを志望する方々にとっても興味深い内容となっていると思います。

なお本書は、2013年に発売された「ディズニーテーマパーク ポスターコレクション」の第2弾となります。ここ10年で登場した東京ディズニーリゾートの新エリアのアトラクションポスターが新たに収録されていますので、ファンの方にとって見逃せない一冊のはず。

「アトラクションポスターは園内のほかの多くのものと同じで、何も言わないけど、たくさんのことを伝えてくれる」

ー「続ディズニーテーマパーク ポスターコレクション」p.10より引用

次回ディズニーテーマパークに行く際はぜひアトラクションポスターを見つけて、そのデザインに思いを巡らせてみてください。舞浜だけでなく、世界のディズニーテーマパークすべてにアトラクションポスターはありますよ!本書が、世界へ飛び立つきっかけになりますように!

文・撮影=ネゴト / Micha

「続ディズニーテーマパーク ポスターコレクション」(講談社)/(C) Disney