インテル・マイアミに所属するアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが、史上最多8度目となる『バロンドール賞』を受賞した喜びを明かした。30日、スペイン紙『アス』が伝えている。

 フランスサッカー専門誌『フランスフットボール』が主催する2023年のバロンドール受賞者が発表され、FWリオネル・メッシが史上最多8度目となる栄誉に与った。“世界一の選手”を称える賞として1956年に創設された権威ある賞を、過去7度受賞してきた同選手にとっても、今回の受賞は大きな意味を持つものに。これまでは、バルセロナパリ・サンジェルマンと所属クラブでの功績が主に評価されていたのに対して、今回は昨年末に行われたFIFAワールドカップカタール2022でアルゼンチン代表を優勝に導いたことが評価されたからだ。自身のプロキャリアにおいて唯一欠けていたワールドカップを手中に収めたメッシは、前人未到の領域を進み続けている。

 ワールドカップ決勝戦で対戦したFWキリアン・エンバペパリ・サンジェルマン)と、“怪物”の異名を取るFWアーリング・ハーランドマンチェスター・シティ)を退けたメッシ。まずは、史上最多8度目の受賞について「この賞は、僕たちがワールドカップで成し遂げたことに対して、アルゼンチン代表チームと、そしてすべての国民に贈られたもの」と告白。続けて「僕はいつも、所属クラブ…特にバルセロナとこの賞を分かち合ってきた。それを今度はアルゼンチンの人々とも味わえるのは嬉しいね」と喜びを噛み締めた。

 また、メッシは「もちろん、これまでの賞もすべて特別な意味を持っている。バルセロナに在籍している間に多くの勝利を収め、クラブレベルではすべてを勝ち獲ることができたのは幸運だった」と口にしつつ、「ワールドカップに伴うものは異なるよ。特に選手にとって、そして僕たちアルゼンチン人にとってもね。久しぶりに世界チャンピオンになったら…それは違うんだ」と思いを巡らせた。

 一方で、史上最多受賞回数を誇るメッシだが、「(自分が)史上最高の選手かどうかは分からないし、そんなことには興味がない。僕にとっては、世界一の選手に選ばれたことがすでに贈り物なんだ。とても特別なことなんだ」と強調。さらに「誰もがフットボールを楽しみ、誰もが幼い頃から選手になりたいと夢見る。だからこそ、“世界一の選手”という称号を与えられたことは、すでに大きな名誉であり誇り。そして、それ以外の何もでもない」と見解を示している。

 今年6月に36歳の誕生日を迎えた今もなお、“世界一の選手”で在り続けているメッシ。この“神の子”の物語は、いつまで続くのだろうか。

史上最多8度目の受賞となったFWリオネル・メッシ [写真]=Getty Images