【元記事を音楽ナタリーで読む】

大きなものから小さなものまで、“最近のK-POP”の話題を振り返るマンスリー連載「K-POP、最近どう?」。今回は、日本で言うお盆の位置付けにある韓国の祝日「チュソク」関連コンテンツや、セーラームーンクレヨンしんちゃんとのコラボまで、9月末から10月末にかけてのK-POPトピックの中から5つをピックアップします。

文 / 岸野恵加 イラスト / hakowasa

1. チュソクで艶やかな韓服姿続々

韓国において、秋を代表する名節である秋夕(チュソク)。9月28日からの連休で、家族とゆっくりとした時間を過ごしたK-POPアイドルも多かったようです。ちょうど日本公演中だった(G)I-DLEのソヨンは、原宿や箱根など、日本で訪れたさまざまなスポットの写真をアップしていました。

毎年この季節には、伝統的な韓服をまとった姿を披露するアーティストも多数。NewJeans、ONEUS、ITZY、BOYNEXTDOOR、ENHYPENといったさまざまなグループが、艶やかな姿の写真や動画コンテンツを公開しました。Stray KidsのYouTubeチャンネルにアップされた動画「CHUSEOK SPECIAL : SKZ Family Returns」では、とある親戚一家に扮したメンバーたちのコミカルなやりとりが話題に。また10月に正式デビューしたばかりのフレッシュなボーイズグループ・POWのコンテンツでは、「まんが日本昔ばなし」を思い出すわんぱくな盛り方のご飯と山盛りのおかずを頬張るメンバーの姿に思わず目尻が下がりました。

2. IVEがカムバック、TikTokコラボも開始

IVE10月13日にミニアルバム「I’VE MINE」をリリースして6カ月ぶりにカムバック。3作連続でミリオンセラーを記録しました。リード曲は「Either Way」「Off The Record」「Baddie」の3曲が用意され、どの楽曲にもこれまでにないIVEの新鮮な魅力が詰め込まれています(特に、等身大の彼女たちの姿を描いた「Either Way」は刺さりました)。

実はこれまで他事務所のアーティストとはTikTokでほぼコラボを行ってこなかったIVEですが、今作のリリースを機に精力的にコラボが展開されるように。ファンは「IVEが“開国”した!」と表現して沸き立っていました。同時期にカムバックしたTOMORROW X TOGETHERNCT 127、Kep1erを筆頭に、豪華アーティストとのダンスチャレンジ動画を次々とアップしています。

3. NiziU韓国デビュー、(G)I-DLEは全英詞アルバム

デビューから約3年、NiziUがついに韓国デビュー。10月30日の「Press Play」リリースに向けて、メンバー1人ひとりが韓国語で自己紹介をする動画や、これまでのNiziUにはなかったダークなコンセプトのビジュアルなど、さまざまなコンテンツが公開されました。リード曲「HEARTRIS」のMVは、Stray KidsのFelixが友情出演したことでも話題を呼んでいます。

グローバル展開という軸では、(G)I-DLEが初の全英語詞のミニアルバム「HEAT」を10月6日に発表したという話題も。新しい学校のリーダーズが所属することでも知られる、アメリカを拠点としたレーベル・88risingとのコラボ作品で、これまでの(G)I-DLEの作品に比べるとポップなムードがより強く感じられます。

またLE SSERAFIMも、初の英詞シングル「Perfect Night」を10月27日にリリース。BTSの「Dynamite」(2020年)や「Butter」(2021年)、TWICEの「The Feels」(2021年)は英詞で発表され世界的ヒットを飛ばしましたが、今後も母国語以外の言葉で歌唱し、グローバル展開を精力的に行うアーティストは増えていきそうです。

4. BLACKPINKジェニーがセーラームーンに!

BLACKPINKのワールドツアー「BLACKPINK WORLD TOUR [BORN PINK]」で披露されていたジェニーのソロ曲「You & Me」。ついにリリースされるのかと楽しみに情報を追っていたところ、なんとジャケットは、あの「美少女戦士セーラームーン」で知られるマンガ家武内直子先生による描き下ろしイラスト! ジェニーは「セーラームーン」好きであることを以前から公言していましたが、スペシャルすぎるコラボに胸が高鳴りました。

また、TOMORROW X TOGETHERがアニメ「クレヨンしんちゃん」に本人役で出演するというニュースも話題に。「クレヨンしんちゃん」は韓国でも人気の高いアニメで、aespaのカリナ、LE SSERAFIMのKIM CHAEWON、NCTのヘチャンTREASUREジュンギュなど、グッズを所有しているK-POPアイドルも多いです。

映画「THE FIRST SLAM DUNK」も韓国で大ヒットしましたし、アニメ「【推しの子】」のオープニングテーマであるYOASOBI「アイドル」は、多くのK-POPアイドルがTikTokでダンスチャレンジを披露しました。今後も日本が誇るマンガやアニメとK-POPシーンのコラボは増えていきそうですね。

5. SM秋のカムバラッシュ!WayVに新しい家族

NCT 127が5thフルアルバム「Fact Check」を10月6日にリリースしたことも記憶に新しいですが、続けてSMエンタテインメント所属のアーティストがこの秋次々と作品をリリースすることが明らかになりました。

10月19日にはNCT NEW TEAM(仮)のプレデビュー曲「Hands Up」のMVが公開され、10月20日EXOのチャニョルがソロシングル「Good Enough」を発表。また10月27日にはRIIZEがシングル「Talk Saxy」、10月30日にはSHINeeのテミンがミニアルバム「Guilty」、11月1日にはWayVが2ndアルバム「On My Youth」(フィジカルリリースは11月8日)、11月10日にはaespaが4thミニアルバム「Drama」、11月13日にはRed Velvetが3rdアルバム「Chill Kill」をリリースすることが決まっています。SMエンターテインメントは事務所全体を応援しているファンも多いため、そんなファンからはうれしい悲鳴が上がっていました。

WayVといえば、10月に家族が増えたことも話題に。宿舎で犬1匹、猫3匹と暮らしていたWayVのもとに、新たに猫のココが仲間入りしました。同時期に公開された、アメリカの人気YouTubeチャンネル・BuzzFeed Celebの動画企画「Puppy Interview」ではメンバーが子犬と仲睦まじく触れ合っていますが、ワンちゃんが粗相をしても動じないどころか明るく受け止める姿に、さすがの達人の余裕を感じたものです。

2023年9月のひとりごと

ライター 岸野

YOUNG POSSEのデビューアルバム、中毒性がすごいしMVも攻めてる。ずっと聴いてます。

編集 獅々堀

NCT 127Fact Check」の「掛けとけ 俺をルーブルに」、私的パンチライン・オブ・ザ・イヤー1位候補です。

※記事初出時より本文の一部を変更いたしました。

「K-POP、最近どう?」扉イラスト