牧を筆頭に実力者は揃っている。DeNAがどういった形でデータを利用するのか見ものだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 10月23日DeNAは2024年のコーチングスタッフを発表。作戦面を担う一軍の「オフェンスコーチ」には今季は一軍ゲームアナリストを務めた靍岡賢二郎氏、チーフ投手コーチにはブルペン担当だった大原慎司氏、一軍投手コーチには二軍投手コーチだった小杉陽太氏が就任した。一軍の首脳陣にデータ分析に関する経験が豊富な3コーチが名を連ねた。

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 メジャーリーグでは各球団や最新の機器による選手の動作解析やデータの活用による戦略の立案が当たり前になっている。近年ではNPBでも投球の球速、回転数、回転軸、変化量などを計測する「ラプソード」や動作解析システム「ホークアイ」が普及している状況で、データ活用の重要性が増している。

 そんな中、DeNAはデータ分析に長けた人材を一軍コーチに起用してチーム強化を図ろうとしているが、球界OBはこの動きをどう見ているのか。現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍している高木豊氏が自身のユーチューブチャンネルを更新し、DeNAの来季組閣について語った。

 高木氏はアナリスト経験豊富な靍岡氏が「オフェンスコーチ」に就任したことについて「どういう球が確率的にどこに来るのかを読んでいくというのをするだろうね」と役割を解説。

 データ分析を生かした戦略立案を推し進めたい意向が見られる来季のコーチ陣だが、同氏は「数字は嘘をつかないから1つの正しい答えが出ているんだろうけど、それだけではないからね。数字だけで戦えたらパソコン上のゲームでいい」としたものの、「ゲームが始まったときにどこにポジションを取っておくか、打席に入って確率的に100%外の真っ直ぐから入ってくるっていったらそこを狙っていくというのは数字でわかること」とデータの重要性を話した。

 さらに、高木氏は来季のDeNAに「データを活用できる頭を作ってほしい」と提言。「盗塁でも癖が分かったからといって絶対に走ることができるかといったらそうではない。どのタイミングでスタートを切れるかというのは機械や数字が教えてくれない。そこらへんは勘違いしないように。数字が出たから勝てるんじゃなくて、数字を本当に活用できたら勝てるということを学んで欲しい」と指摘し、自身の見解を語った。

 DeNAはデータを活用した独自のチーム戦略で来季は悲願の優勝を目指す。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「数字は嘘をつかないけど」オフェンスコーチにアナリストを起用したDeNAの来季組閣に球界OBが提言「活用できる頭を作ってほしい」