10月30日放送の「けむたい姉とずるい妹」(毎週月曜夜11:06-11:55、テレビ東京系)の第4話で、らん(馬場ふみか)が、夫の律(柳俊太郎)と姉のじゅん(栗山千明)の愛の再燃に気付いてしまい、律を姉に取られたくない気持ちが更に燃え上がった。また、らんの過去のうそを知ったじゅんも、律はずっと自分のものだったと確信し、彼への愛を止められなくなった。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】横顔も彫刻のように美しい栗山千明

じゅんと律、一夜を過ごす

同ドラマは、ばったんによる同名のマンガが原作。妹の略奪愛が原因で音信不通の不仲となった姉妹が母の死をきっかけに同居することになり、姉の元カレで、現在は妹の夫である男性を巡って壮絶なバトルを繰り広げるストーリーだ。

帰り道で偶然会った律とじゅんは、家には帰らずホテルへ…。愛し合いながら、じゅんは「やっぱり律は私の物だ」と、改めて実感した。

一方、家で1人、律を待つらんは、朝になっても既読がつかないLINEの画面と、帰ってきた形跡の無い姉の部屋を見て、不安を覚える。

夜、帰宅した律は、いつもと変わりのない妻の様子に内心ほっとする。2人で食事をしているところにじゅんが帰宅。すると、らんが唐突に、昨晩じゅんと律が帰ってこなかった理由を尋ねた。「お姉ちゃんとりっくん」ではなく、「2人とも」と言ったのは、らんが疑念を抱いていることの表れだ。らんは、じゅんと律、それぞれのうその言い訳を、「ふーん」と表情も変えずに聞いていた。そんならんを見ながら、じゅんもらんが昨晩のことに気付いていない、と安心した。

じゅんと律が関係したことに気付いてしまったらん

夜中になり、眠れないじゅんが居間に居ると、同じく眠れない律がやって来た。2人でタバコを吸いながら、昨晩のことは後悔していない、と律に告げるじゅん。それに対して、「オレは怖い」と言う律。今まで欲しい物は全て手に入らなかった彼は、またじゅんを失うのではないか、と不安なのだ。

新しいタバコを咥え、自分で火を点けずに律の吸っているタバコから火をもらうじゅん。その様子を、らんは見ていた…。それが、単に火をもらっているのではなく、「キス」なのだ、とらんは悟った。じゅんと律の関係への疑念が確信に変わった瞬間。そして、「私の“宝物”は、絶対に渡さない」との思いを強くするのだった。

翌日、じゅんが帰宅すると、台所ではらんと律が仲むつまじく夕食の準備をしていた。それを避けるように部屋に戻ったじゅんを、らんが珍しく夕食に誘い、3人で食事をすることに。らんは、「仲良くしてた方が、この先いいかな、と思って」と、誘った理由を告げ、その意味をじゅんが尋ねると、「この先、子供ができたら、面倒を看てもらいたいから」と、彼女は言った。自分と律は夫婦なのだ、と姉に思い知らせたいのだ。

■「相談者:三島らん」

じゅんは心療内科でカウンセラーをしているが、隣の席の同僚が電話で「三島さんのことで」と呼び出されたのを耳にして、思わず彼女のカウンセリングシートを盗み見た。すると、そこには「三島らん」と相談者の名前が。先日、同僚から、じゅんと全く同じパターンの相談者がやって来たことを聞いていたが、まさかそれが、らんだったとは。シートを読みながら、妹がとっくに自分と律の関係に気付いていたことを知り、じゅんは愕然となった。

全ては、らんの計画だった。じゅんに内緒で彼女の職場を訪れ、「妹の夫と関係を持ってしまった」と、じゅんの立場を自分に置き換えてカウンセリングを受けていたのだ。偽名を使わず本名だったのも、じゅんに気付かせるためだ。

じゅんは、同僚が相談者(らん)に「夫婦の関係は、簡単には壊れない」とアドバイスしたと言っていたのを思い出し、失ったものを取り戻せるのでは…と考えていた自分の浅はかさをかえりみて、やはり律を諦めなければ、と考え始める。そして、気持ちにけじめをつけるために、ずっと気になっていたこと、どうしてらんと浮気をしたのかを、思い切って律に尋ねた。

■「してないよ、浮気」

律から帰ってきた答えは「してないよ、浮気」。らんのうそだったことを、じゅんはやっと知った。じゅんは、らんに「律とホテルに行った」と聞かされ、律に怒りをぶつけた“あの日”が無かったら、今でも彼との関係が続いていたのでは…とずっと悔やみ続けていた。

あの日、律は家を出てじゅんと住もうと計画していることを知った母親と大げんかして、母親が自殺未遂を図ったために、じゅんを諦めるしかないのだと思い、彼女の誤解を解かずに別れを選んだのだ。それをじゅんは知らない。だから、らんのうそがなかったとしても、結局別れることになったかもしれないが、今のような気持ちを抱えることはなかったはずだ。そして、律がらんと結婚した経緯はまだ不明だが、“元カノの妹”と結婚した事実は、じゅんを大きく傷つけることは分かっていたはずだ。

じゅんは、らんが自分の大切な物を次々に奪っていったように律も奪ったことを知り、律はずっと自分のものだった、と確信した。さっきまでの「もう諦めよう」という気持ちはなくなり、「もう奪わせない」と決心し、律に激しいキスをした。その時、帰宅したらんの声が玄関から聞こえたが、じゅんは、やめるどころかさらに激しく律にキスをするのだった。

次回、じゅんとらんが遂に直接対決。泥沼化するのは避けられない。2人の間で律はどう振舞うのか。気持ちのベクトルはすでにじゅんに振り切れているが、時に極端な選択をしてまで自分を縛り付けてきた母親とらんが重なるのか、らんから逃れられない律。争いの元凶の彼が、これ以上どっちつかずの態度を取り続けるのは、更なる不幸を呼ぶだけだ。

※柳俊太郎の柳は正しくは「木へんに夘」

◆文=鳥居美保

一夜を共にし、お互いの愛を再確認した律(柳俊太郎)とじゅん(栗山千明)/(C)「けむたい姉とずるい妹」製作委員会