コミックの映像化やドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、「かけあうつきひ」などの作品で知られる漫画家・福井セイさんの「思春期に理解のある姉の話」を紹介する。作者である福井セイさんが10月17日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、3万件を超える「いいね」を寄せられ、思わぬ結末が話題を呼んだ。本記事では福井セイさんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。

【漫画】ハイスペックでポンコツな“思春期に理解ある”お姉ちゃんの暴走

■勘違いしたまま暴走していくハイスペック

主人公こと姉の名前は高嶺リア、高校1年生。この日は最近中学生になった弟のすばると近所のスーパーへ買い物にやってきていた。自分を“思春期に理解のある姉”だと自負するリアは、この状況で気を付けるべきことを完全に心得ていた。

それは「中学生男子というのは家族と買い物してるところを友達に見られたくないお年頃」であるということ。日頃の調査と研究のおかげで、リアは思春期男子のあらゆる感情を完全に把握した…つもりなのだ。商品棚の影に身を潜め、すばるを手で隠しながら周囲に学生がいないことを確認する…ただし、当のすばる何が何だかわからないようすだった。「生きて戦場(ここ)を…出ましょうねッ」と強く決意するリアは弟の周囲の人間を記憶しており、野菜コーナーなどですれ違おうとするクラスメイトたちから巧妙に姿を隠す。

しかし目的のお菓子コーナーにやってきたリアは、周囲をすばるのクラスメイトに囲まれている状況に気づく。通路の前後からやってくる学生に挟まれた状態に、リアは「逃げられない!!どうする…どうするどうするどうする。もうあの…最終兵器を使うしか…」と思考を巡らせた。絶体絶命ともいうべき窮地のなか、リアは“最終兵器”を取り出す…。

■クールな姉を暴走させる、弟への大き過ぎる愛

――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。

スーパーで家族と一緒にいるところを見られるの恥ずかしいという思春期あるあるを使った漫画がかきたいと漠然と思ってて、最初は「母と息子」だったんですけどなんやかんや考えて今の「姉と弟」になりました。

――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

7Pみたいに、たまにバトル漫画のような作画になるシーンとかですかね。描くときもがんばったので見て欲しいです。

――リアは弟のために思春期男子の行動を調査していますが、ここまで先鋭化した原因はなんなのでしょうか。

やはり弟への愛と、「嫌われたくない」という感情からだと思います。

――アクションといい頭脳といい、優れた能力を持っていることがわかるリア。弟が関わらないときはどんな子なのでしょうか。

弟関連以外では凛としててクールな女性でいると思います。

――すばるは姉のことを周りに話しているようですが、普段はどのように紹介しているのでしょうか。

綺麗でかっこよくて頼りになるお姉ちゃんだと紹介していると思います。

――すばるにリアが想像するような思春期が訪れることはありそうでしょうか。

すばるの性格的にたぶんないんじゃないでしょうか。お姉ちゃんはずっと杞憂しながら弟を守っていくと思います。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

これからも何かしら漫画を発表すると思うのでぜひ読んでください!

【漫画】思春期の弟を想う、思春期に理解がある姉の奮闘記/画像提供:福井セイさん