加藤は制球力抜群の左腕としてFA宣言すれば争奪戦になるともいわれている(C)CoCoKARAnext

 まもなくFA戦線が本格化する。今オフは投打ともに「豊作」といわれており、各選手の去就に注目が高まっている。

 FA戦線の主役の一人になるといわれているのは日本ハム左腕の加藤貴之だ。今季は初の開幕投手を務め、24試合に登板し、7勝9敗、防御率2・87。打線との兼ね合いもあり、貯金を作ることはできなかったが、3年連続で規定投球回をクリアと安定して試合を作ることには定評がある。何といっても加藤の持ち味といえば制球力の良さ。2022シーズンで与四球はわずか「11」だったことも話題を呼んだ。昨年4月19日の楽天戦(楽天生命パーク)では9回を投げわずか90球、3安打1四球5奪三振の好投で「マダックス」(100球未満の完封勝利を指す)を成し遂げたことも大きく注目を集めた。

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 そんな加藤貴をめぐっては左腕ということもあり、仮に宣言すれば、複数球団が名乗りをあげると見られている。すでに球団からも複数回残留交渉を受けているが、意思表明はまだ行っていない。

 注目左腕の去就については球界内からも様々な考察の声が出ている。

 ロッテOBで現在は野球解説者として活躍する里崎智也氏が10月30日に自身のYouTubeチャンネルを更新。その中でFA選手の動向について意見を述べている。

 注目の加藤貴に関しては宣言する可能性を「70%」としながら、移籍先に関しては自身の古巣、「千葉ロッテ」を有力とした。具体的な理由としては加藤貴自身が千葉出身であること、吉井理人監督、金子誠コーチ黒木知宏コーチなど日本ハムルーキー時代に薫陶を受けてきた様々なコーチが現在の首脳陣を占めていることなどを理由に挙げた。

 実際にロッテの先発陣の中で左腕は今季10勝をマーク、ポストシーズンも活躍と大きく飛躍を果たした小島和哉がいるが、巨人から加入し、活躍が期待されたC・C・メルセデスは22試合に登板し4勝8敗と結果を残すことはできなかった。仮に加藤貴が獲得できれば、今季2位と躍進、V奪回を本格的に目指す来季に向けて、大幅な戦力上積みとなることは間違いない。

 また里崎氏がロッテの次に獲得に名乗りをあげるとしたのは、巨人だ。今季も投手陣再建には苦しんでいたことで、「ジャイアンツはありうる」と見解を示した。

 加藤貴に関しては入団時から育ててくれた球団への感謝の気持ち、本拠地・北海道に対しての愛着もこれまで発信しており、残留の可能性もありそうだ。11月1日から本拠地エスコンフィールドで行われる秋季キャンプメンバーにも名を連ねており、今後の自身の発言含め、引き続き、注目選手となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

今オフ主役の一人 日ハム・加藤貴之に球界OBから指摘される「有力な移籍先」「獲得に名乗りをあげる球団名」