生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は2023年7月20日(木)~7月21日(金)の2日間、全国の20歳以上の男女を対象に「2023年コロナウイルス第5類移行後の購買行動調査」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。

<調査背景>

新型コロナウイルスが流行し外出が制限されるようになり、生活者の購買は実店舗からオンラインショップへと大きく変化しました。しかし2023年5月、コロナが第5類へ移行し、購買行動にも変化が現れつつあります。例えば、内閣府5月1日に発表した4月の消費動向調査 ※(調査期間:4月7日~20日)によると、消費者態度指数(2人以上の世帯、季節調整値)が前月比で2カ月連続上昇したといった結果が報告されています。

そこで今回、“2023年5月のコロナウイルス第5類への移行後”で消費行動の実態がどのように変化しているかを調査しました。是非今後のマーケティング活動の一資料としてご活用ください。

※参照:内閣府 経済社会総合研究所 消費動向調査 令和5年4月実施調査

【調査概要】

調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施

調査の対象:全国の20歳以上69歳以下の男女

有効回答数:1,000名 

調査実施日:2023年7月20日(木)~7月21日(金)

◆「2023年コロナウイルス第5類移行後の購買行動調査」主な質問と回答

  • 2023年5月のコロナウイルス第5類への移行後の消費実態は:日用雑貨・食品系は60%前後が実店舗でのみ購入、PC・スマホやホビー系はオンラインショップが優勢。

直近3カ月においては、「日用雑貨」や「食品・飲料・酒類」は、実店舗とオンラインショップを使い分ける層が30%以上いるものの、60%前後は実店舗でしか購入していないことがわかった。

一方「本・CD・DVD」「ゲーム・ホビー」「パソコン・スマホ・周辺機器」はオンラインショップが優勢に。比較的商品ごとのバラツキが少なく、かつ身につけるものでは無い商品はオンラインショップでの購入を選ぶ割合が多いのかもしれない。

  • 2023年5月のコロナウイルス第5類への移行後における実店舗の持つ価値は:商品が“生で見られる・即座に手に入る”が圧倒的。店舗でのコミュニケーションや世界観はインパクトせず。

実店舗で購入する理由や実店舗での購買の魅力を聞くと、「その商品を生で見て決めたいから」「商品を直接見る・触れることができる」といった“商品を生で見られる”点や、「すぐに手に入れたいから」「即座に購入・利用できる」といった“手に入るスピード”の点を挙げる割合が圧倒的に高かった。

一方、販売員とのコミュニケーションや店舗の世界観が実店舗選択の理由になるカテゴリーは非常に限られていた。

まずは、直近3カ月以内(調査期間:2023年7月20日7月21日)での買い物における購入場所についてお聞きしました。

 

◆直近3カ月以内での買い物における購入場所(n=1,000)

比較的安価かつ消耗の激しい「日用雑貨」や、スーパーの主力商品でもある「食品・飲料・酒類」は、実店舗とオンラインショップを使い分ける層が30%以上いるものの、60%前後は実店舗でしか購入していないことがわかりました。

また、「衣服・ファッション小物」「アクセサリー」「美容・化粧品」「医薬品・健康食品」は実店舗が優勢、「本・CD・DVD」「ゲーム・ホビー」「パソコン・スマホ・周辺機器」はオンラインショップが優勢となっています。

本やCD、ゲーム、スマホなどは、比較的商品ごとのバラツキが少なく、かつ身につけるものでは無い(自分に“合うかどうか”の判断が不要)ためオンラインショップでの購入を選ぶ割合が多いのかもしれません。

前掲した設問【直近3カ月以内での買い物における購入場所】で、いずれかのカテゴリーについて「実店舗」(「実店舗のみ」「実店舗とオンラインショップどちらも」)で購入したと回答した人に対し、1回あたりの購入金額をそれぞれお聞きしました。

◆直近3カ月以内に実店舗で購入したものの、1回あたりの購入額

「パソコン・スマホ・周辺機器」「家電・TV・カメラ」「家具・インテリア」は金額が大きいと実店舗にて購入する傾向が強まり、反対に「美容・化粧品」「衣服・ファッション小物」は金額が小さいと実店舗にて購入する傾向が強まることがわかります。

前掲した設問【直近3カ月以内での買い物における購入場所】で、いずれかのカテゴリーについて「実店舗」(「実店舗のみ」「実店舗とオンラインショップどちらも」)で購入したと回答した人に対し、実店舗で購入したその商品の、購入における情報収集経路をお聞きしました。

以下のグラフは、“実店舗で購入することのあるカテゴリー”として最も多かったTOP3と最も少なかったBottom3のみを示しています。

◆実店舗で購入した商品の、購入における情報収集経路

どのカテゴリーにおいても「当てはまるものはない」の割合の多さが目立ちました。

しかし、この「当てはまるものはない」の割合は、TOP3はいずれも半数を超えているのに対し、Bottom3は全て30%以下にとどまっていました。

実店舗で購入することが多いカテゴリーは、他のカテゴリーよりも、情報収集無しに買い物をするケースがより多いということでしょう。ある特定の商品に狙いを定めて実店舗に向かうのではなく、欲しい商品をその場で決める傾向も強いのかもしれません。

また、上記カテゴリーについて「食品・飲料・酒類」「日用雑貨」以外は全て、情報収集経路としてマスメディアよりも「SNS(LINE、Facebook、Twitter、Instagramなど)」が強くなっていることがわかります。中でも「ゲーム・ホビー」は、実店舗での購入にあたりSNSで情報を収集する割合が特に多いようです。

一方、「家具・インテリア」「家電・TV・カメラ」は「公式ウェブサイト」の割合が目立ちました。家具や家電などは一般的に、他のカテゴリーよりも性能や仕様が重要(情緒的価値よりも機能的価値が重要)かつ比較的高価な商品が多い傾向にあります。したがって、慎重に検討するため「公式サイト」から“正しい情報”を確認する人が多い、とも考えられるでしょう。

前掲した設問【直近3カ月以内での買い物における購入場所】で、いずれかのカテゴリーについて「実店舗」(「実店舗のみ」「実店舗とオンラインショップどちらも」)で購入したと回答した人に対し、実店舗で購入する理由をお聞きしました。

以下のグラフは、“実店舗で購入することのあるカテゴリー”として最も多かったTOP3と最も少なかったBottom3のみを示しています。

◆実店舗で購入する理由

カテゴリーに限らず、「その商品を生で見て決めたいから」「すぐに手に入れたいから」の項目は比較的高く出ていることがわかります。

また、TOP3は「陳列棚にある商品全体を見たいから」がいずれも30%を超えており、実店舗購入における重要なポイントであることが読み取れます。

前掲した設問【実店舗で購入した商品の、購入における情報収集経路】にて前述した通り、TOP3のカテゴリーは、ある特定の商品に狙いを定めて実店舗に向かうのではなく、情報収集無しに、その場で商品を比較検討・購入する傾向が強いのでしょう。特に「衣服・ファッション小物」の場合、その場で他の商品との組み合わせを検討したり、鏡で自分に“合うかどうか”の判断ができたりすることが、実店舗の魅力となっていそうです。

一方、実店舗の醍醐味とも言える“店舗の世界観”や“店員とのコミュニケーション”(本設問では「店舗の雰囲気が好きだから」「販売員の説明が聞きたい・相談したいから」)といった理由は、「衣服・ファッション小物」でも目立っていません。

「販売員の説明が聞きたい・相談したいから」は、唯一「家電・TV・カメラ」において20%を超え、「店舗の雰囲気が好きだから」は「家電・TV・カメラ」で14.9%、「家具・インテリア」で18.5%と、他のカテゴリーよりも比較的目立つ割合となりました。

商品を触れられる・手に入るスピード以外の“実店舗ならでは”の価値は、まだ生活者に提供しきれていないと言えるでしょう。

前掲した設問【直近3カ月以内での買い物における購入場所】で、いずれかのカテゴリーについて「実店舗」(「実店舗のみ」「実店舗とオンラインショップどちらも」)で購入したと回答した人に対し、2023年5月のコロナウイルス第5類への移行後において、実店舗での購買に関して好ましい点や魅力をお聞きしました。

◆2023年5月のコロナウイルス第5類移行後における、実店舗での購買の魅力(n=942)

「商品を直接見る・触れることができる」が約半数を占めトップに。そこに、「即座に購入・利用できる」が43.1%で続きました。

「商品の品質や状態を確認できる」が29.3%と、3番手になっていることから、“その商品を購入すべきかどうかのチェックができる”という点よりかは、ただ商品を見て・触れて楽しむウィンドウショッピングができる点により魅力を感じていることがわかります。そこでたまたま良い商品が見つかったら、タイムラグ無く「即座に購入・利用できる」点も魅力なのでしょう。

前掲した設問【直近3カ月以内での買い物における購入場所】で、いずれかのカテゴリーについて「実店舗」(「実店舗のみ」「実店舗とオンラインショップどちらも」)で購入したと回答した人に対し、2023年5月のコロナウイルス第5類への移行後において、実店舗での購買に関して懸念を感じる点をお聞きしました。

◆2023年5月のコロナウイルス第5類移行後、実店舗での購買で懸念を感じる点(n=942)

「特になし」が46.1%で、最多となりました。半数近くは、実店舗だからといって不安に思ったり、特別何かを気にしたりはしていないことがわかりました。

ただ21.1%と、約5人に1人は、新型コロナウイルス第5類移行後もなお、実店舗に対して感染リスクを心配しているようです。

大多数が実店舗に不安感を抱かなくなってはいるものの、一部の実店舗、例えば食用部分がむき出しの野菜や店内で加工された惣菜などが並ぶ食品スーパーなどについては、未だ警戒する人もいるのかもしれません。

今後の購買について、現時点と比較して、どちらの購買頻度を増やしていこうと考えているかお聞きしました。

◆現時点と比較し、今後購買頻度を増やしていこうと考えている購入場所(n=1,000)

全体では「オンライン」・「オフライン」で半々に割れましたが、年代によって大きな違いが見られました。

「オンライン」での購入頻度を増やす意向の割合は男女ともに20代が最も高く、30%を超えました。そしてその意向は、年代が高くなっていくにつれ徐々に下がっていく傾向が読み取れます。

また、男性の場合は50代、女性の場合は60代が、最もオンライン購入について消極的であることがわかります。

インターネットに強い若年層が最もオンライン購入に意欲的なのは概ね想像通りですが、ここまで年代によって大きな差を生んだ背景には、コロナ禍によって大きく進化したSNSが関係しているかもしれません。

コロナ禍で外出制限がかかり実店舗での買い物ストップがかかる状況の中、初めてオンライン購入に挑戦する人や、“おうち時間”の増加によりSNSをやる時間が増えた人、新たにSNSを始める人も増加。(参考例:https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/manzoku/pdf/report06_1.pdf)そんな中、各SNSではEC機能やライブショッピング機能を新たに追加するなど、「ソーシャルコマース」が進みました。

この点、SNS利用率の高い若年層は、こうしたSNS側の充実・進化を受け、他の年代よりもいち早く“オンラインだけで自身の求める商品を手に入れること”に順応したのではないでしょうか。

■この調査のその他の質問

「現時点と比較し、今後購買頻度を増やしていこうと考えている購入場所」について、その理由(自由記述)

■この調査で使用した調査サービスはコチラ

ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/

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<例>「生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なうネオマーケティングが実施した調査結果によると……」

■「ネオマーケティング」

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