2024年2月・3月東京・大阪にて上演される舞台『テラヤマキャバレー』の新ビジュアルと「STORY」が解禁となった。

寺山修司が亡くなる前夜から始まる本作。主演は、寺山修司役初挑戦となる香取慎吾。ほか、共演者には、成河、伊礼彼方、村川絵梨、平間壮一、凪七瑠海(宝塚歌劇団)など、さまざまな舞台で活躍する役者がそろった。脚本は、寺山修司をリスペクトし、寺山修司に刺激を受け、斬新な切り口で物語を書き下ろした池田亮、演出には、ウエストエンド、ブロードウェイ、日本とさまざまな国で活躍してきたデヴィッド・ルヴォーを迎える。

INTRODUCTION

没後40年を迎え、その稀有な才能に再び注目が集まる寺山修司。もし寺山が今生きていたら、何を思い、何を表現したのか。虚実に満ちた寺山のパワフルな世界が、新進気鋭の作家池田亮の脚本とデヴィッド・ルヴォーの演出、香取慎吾主演で立ち上がります。舞台は生と死が交錯するキャバレー。寺山の詞による多くの昭和の名曲を織り交ぜた、これまでにない驚きの音楽劇。

STORY

舞台『テラヤマキャバレー』ビジュアル(アートディレクター 吉田ユニ)

舞台『テラヤマキャバレー』ビジュアル(アートディレクター 吉田ユニ)

1983年5月3日(火)、寺山修司はまもなくその生涯を終えようとしていた。寺山の脳内では、彼を慕う劇団員がキャバレーに集まっている。寺山が戯曲『手紙』のリハーサルを劇団員と始めたところへ、死が彼のもとにやってきた。死ぬのはまだ早いと、リハーサルを続けようとする寺山。死は彼に日が昇るまでの時間と、過去や未来へと自由に飛べるマッチ3本を与える。その代わりに感動する芝居を見せてくれ、と。

寺山は戯曲を書き続けるが、行き詰まってしまう。そこで、死はマッチを擦るようにすすめた。1本目、飛んだのは過去。近松門左衛門による人形浄瑠璃曽根崎心中」の稽古場だ。近松の創作を目の当たりにしたことで、寺山の記憶が掻き立てられる。2本目は近未来、2024年のバレンタインデーの歌舞伎町へ。ことばを失くした家出女や黒蝶服、エセ寺山らがたむろするこの界隈。乱闘が始まり、その騒ぎはキャバレーにまで伝播。よりけたたましく、激しく肉体がぶつかり合う。

寺山は知っている。今書いている戯曲が、死を感動させられそうもない、そして自身も満足できないことを。いまわの時まで残り時間。寺山は書き続けた原稿を捨て、最後のリハーサルへと向かう。

舞台『テラヤマキャバレー』ビジュアル(アートディレクター 吉田ユニ)