『週刊プレイボーイ』に登場するタレント、女優、アイドルなど、各分野で活躍する女性たち。彼女たちの記念すべき「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ、『初グラビア物語~My First Gravure Story~』。今回は「国民の愛人」と呼ばれ、センセーショナルな話題を度々巻き起こした、橋本マナミさんの後編。

橋本さんは1997年、中学校1年生の時、橋本愛実名義でデビュー。CMなどへの出演を経て、ムック『ASAHI PRESS volume2』(朝日出版社)で初グラビアを披露し、以降グラビアアイドルとして活躍。

2012年、27歳で事務所を移籍し、橋本マナミ名義で活動を開始。大胆すぎるグラビアは「若き熟女」「昼下がりの団地妻」「国民の愛人」などと呼ばれ大きな話題となり、タレント、女優として幅広く活動をするようになりました。

また『週刊プレイボーイ』では現在までに登場回数は20回を重ね、特に2013年以降は表紙を4回飾るなど熱烈な支持を獲得しています。

前編に続き、後編では『週刊プレイボーイ』のグラビア撮影の思い出から、グラビアへの想いまでを広く聞きました。

【画像】橋本マナミの週プレグラビア


橋本マナミ『週刊プレイボーイ』2015年18号(撮影/細野晋司)より
橋本マナミ『週刊プレイボーイ』2015年18号(撮影/細野晋司)より

──橋本さんがグラビアを再開された2012年当時は、AKB48ほかアイドルが雑誌の表紙や誌面を賑わせていました。

しかしそんな中でも壇蜜さんは大活躍。橋本さんは壇さんとイメージが近く、また「サンデージャポン」など同一のテレビ番組に登場したこともあって、一部で「橋本マナミ=第二の壇蜜」と呼ばれることも。当時、壇さんのことは意識されていました?

橋本 もちろんです。そもそも自分が登場できたのは、壇さんがグラビア界で大人セクシー路線を敷いてくれたおかげ。またテレビに出られるようになったのも、壇さんが忙しすぎたおかげです(笑)。

先人である壇さんの影響はすごく受けています。グラビアや映像をたくさん見て見せ方も研究しました。とはいえ、壇さんは知的なお姉さんキャラだったのに対し、私は天然というか、陽気なお姉さんキャラと違いはあったと思います。

──なるほど。それでも当時の橋本さんのキャラの変わりようは大きかったですよね。数年前までは正統派だったグラビアアイドルが、手拭い一枚だけを身につける妖艶なお姉さんになるなんて! 自分の中でそんなに簡単に切り替えられたんですか?

橋本 ずっと奥深くに眠っていたものが、大爆発したんだと思います(笑)。あと当時、自分が20代後半だったのも大きいです。大人キャラを打ち出して、周りが受け入れてくれたおかげで出せるようになった。10代では「変わった子」くらいにしか受けとめてもらえず、表には出せなかったですからね。

橋本マナミ

──週プレにはその後も継続的に登場し、2017年末までで合計20回。恍惚とした表情を浮かべながら、衣装をはだけさせたり、手ブラを度々披露したり......。毎号、強烈な大人のフェロモンで男性ファンを悩殺しました(笑)。

橋本 思い切り肌を露出しているか、あとは和装が多かったですよね。ロケーションも日本家屋とか温泉とか多くて(笑)。毎回、楽しく撮影させていただきましたよ。

──特に印象に残っているグラビア、あるいは気に入っているグラビアはありますか?

橋本 全部印象に残っているし、全部気に入っていますけど、強いて言えば2回目の週プレさんの表紙にさせていただいた時のですね。

──2015年18号4月20日発売)の「イメチェン」というタイトルのグラビア。

橋本マナミ『週刊プレイボーイ』2015年18号(撮影/細野晋司)より
橋本マナミ『週刊プレイボーイ』2015年18号(撮影/細野晋司)より

橋本 そうです。いつも妖艶なイメージばかりなので、違ったグラビアを撮ろうと沖縄ロケに行ったんです。真っ青な空の下、ビーチの上で珍しく水着もちゃんと着て、笑顔を浮かべてみたいな(笑)。

でもそういう撮影に全然慣れていないから、海のシーンで、そーっと足を入れるみたいに温泉みたいなノリで入っちゃって。カメラマンさんに「もっと爽やかにできない?」と言われちゃいました(笑)。

あとはなんだろう(バックナンバーを見ながら)。「本能のままに......」というグラビア(2016年41号/9月28日発売)も印象に残っていますね。

──秋の海へ恋人と二人きりで出かけ、砂にまみれて愛し合い、その後ホテルで......というグラビア。曇天での海での撮影で、全編に漂うほのかな背徳的雰囲気がたまらないです。この時は人気カメラマンアンディチャオさんをご自身でリクエストしたとか。


橋本マナミ『週刊プレイボーイ』2016年41号(撮影/アンディ・チャオ)より
橋本マナミ『週刊プレイボーイ』2016年41号(撮影/アンディ・チャオ)より

橋本 はい。彼の生っぽい作風がすごく好きで、他にないくらい濃密なグラビアになりました。この中では官能小説を読んでいるシーンがあるんです。エッチなことを考えて内面的なエロスを出そうって。

セクシーな姿を見られるのはいいんですけど、その時は心を見られている感じがして、さすがに恥ずかしかった記憶がありますね(笑)。

橋本マナミ『週刊プレイボーイ』2016年41号(撮影/アンディ・チャオ)より
橋本マナミ『週刊プレイボーイ』2016年41号(撮影/アンディ・チャオ)より

──数々のグラビアを見ていて面白いのが、リード文などにあるキャッチ。「お色気お姉さん」「愛人にしたい女No.1」「国民の愛人」と変わっていきました。当時いろいろ呼ばれていた中で橋本さんのキャラを決定づけたのは「愛人にしたい女No.1」だと思うんですが、それはどんな経緯でついたんですか?

橋本 じつは私のキャッチってほかにもあったんです。「昼下がりの団地妻」とか「若き熟女」とか。メディアの方がいっぱい考えていただいたのはありがたかったんですけど、自分的にはどうにもしっくりこなくて。というのもこう見えて私、本当は「お嫁さんにしたい女No.1」と呼ばれたかったんです。

で、事務所にそれをお話ししたら、当時、業務提携をお願いしていた事務所の社長さんにも「もう脱ぎすぎてるし、"お嫁さんにしたい女No.1"よりも、"愛人にしたい女No.1"のほうがリアルじゃないの?」と言われちゃって(笑)。本来はありえないキャッチフレーズなんですけど、気づいたらテレビやグラビアでそう呼ばれていました。

──たしか2014年でした。そのキャッチは瞬く間に定着し、すぐに「国民の愛人」と呼ばれるようになりましたよね。

橋本 ちょうどその頃、上戸彩さん主演のドラマ「昼顔」がヒットして、"不倫ブーム"がおきたんです。それが私の愛人キャラとぴったりハマったのもあって、テレビのバラエティで一気にスケジュールが埋まりました。いま考えてみたら運が良かったとしか言いようがないですよね。

──ファンはそのバラエティでのセクシーなトークと橋本さんのグラビアをセットで楽しんで、妄想を膨らませていきました。週プレでも何度かインタビューをさせていただきましたけど結構、衝撃的な発言は多いですよね。例えば「普段はノーブラで過ごしています」とか(笑)。あれは本当なんですか?

橋本 本当です。よくノーブラノーパンでテレビに出ていましたよ。ボディコンみたいな衣装の時、下着の痕がつくじゃないですか。もう脱いじゃえって。生放送の時もありました(笑)。

──おーっ! あと「性の対象に見られるのは嬉しいです」とか......は?

橋本 それも本当です。やっぱりそう見られた方が努力するし、素敵になりますから。うふふふ。

──おおーっ! グラビアやテレビを見ても思いましたが、橋本さんは性に関する話をしても所作に品があるから、安心して楽しめるというか。

橋本 それは当時からたくさん言っていただきました。自分ではそこまで意識していないかったですけど、ありがたいですよね(笑)。

橋本マナミ

──橋本さんがグラビアを撮られて楽しいと思うのは?

橋本 なにより読者を想像させられるところですね。いや、妄想かな(笑)。グラビアって体も心もすべてさらしてはいけないんです。見えないからこそ、読者はいろいろなことを考えて、楽しんでくれる。読者のストーリーの中に自分がいられるのが楽しいです。読者からグラビアの感想を聞くと本当に嬉しくなりますね。

──ちなみに最近のグラビアについてはどう思います?

橋本 私的には、大人っぽいグラビアがもっと多くあっていい気がしますね。女性の官能的な魅力もっと打ち出すグラビアというか。

最近はおしゃれなグラビアが増えたし、それこそ女性向けを意識したとはっきり打ち出すグラビアも増えましたけど、もし男性誌に載るのであれば、男性向けを意識してほしいです。グラビア本来の持つ、生々しさがなくなって、それこそ想像力を刺激しない無味無乾燥なものになると思うから。

──じつに橋本さんらしいお言葉。最後に橋本さんは初グラビアを見返したりしますか?

橋本 見ますね。初グラビアに限らず、全部を切り抜いて、整理してあるので、掃除などのタイミングでよく見返します。で、その度に「こういう時期もあったな」なんて振り返ったりして。

たくさんグラビアをやっていた時期に比べ、いまのほうが体型的にも締まっているし、自分ではスタイルがよくなっていると思っています。グラビアはまだまだこの先も続けたいですし、決して色気を失わず、男性から素敵だなと思われる自分でありたいと思います。

橋本マナミHASHIMOTO MANAMI)
1984年8月8日生まれ 山形県出身身長168cm 血液型AB型
○ドラマ、バラエティ、グラビアと幅広く活躍。
公式サイト【https://irving.co.jp/talents/manami-hashimoto/】
公式Instagram【@manami84808】

橋本マナミデジタル写真集『イメチェン』撮影/細野晋司 価格/1,320円(税込)
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橋本マナミデジタル写真集『本能のままに......』撮影/ND CHOW 価格/1,320円(税込)
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取材・文/大野智己 撮影/荻原大志

橋本マナミが「愛人にしたい女No.1」と呼ばれるようになった理由とは―?