8000系唯一の原形前面形状の残す動態保存車「8111編成」が野田線に転属し、一般列車の運用に入りました。どのような背景があるのか東武鉄道に聞きました。

東武博物館保有の「8111編成」が野田線に

大宮駅船橋駅を結ぶ東武野田線東武アーバンパークライン)に、東武博物館が保有する動態保存車の8000型(8111編成)がやってきました。同線には、白い車体に青い帯の8000型が残っていますが、ツートンカラーで前面形状も異なる8111編成は一際異彩を放っています。

8111編成は6両編成で、そのうち4両(8111・8211・83118411)が1963年、2両(8711・8811)は1972年に製造。現在残っている8000型唯一、原型の前面形状を残していることが特徴です。2012年8月から東武博物館の動態保存車となっています。

8111編成は南栗橋車両管区で保管されていましたが、2023年10月28日(土)に野田線の車両基地である南栗橋車両管区七光台支所に転属。これにあわせて「8111F 転属記念回送列車ツアー」も開催されています。2023年11月1日(水)からは、何と一般列車として走行しているようです。

東武鉄道は8111編成の転属に関して、「8000系唯一の原形前面形状車両である8111編成を多くのお客様に触れていただくため、6両編成での営業運転が可能な野田線に転属し、通常の営業運転に供する判断をしました」(広報部)と話します。「東武博物館が所有する動態保存車両であることは転属後も変更ありません」(同)とのこと。

東武野田線をめぐっては、来年度から5両編成の新型車両の投入が予定されています。なお、8111編成の野田線への転属が一時的なものかどうかについては、現時点では回答できないとしています。

しばらくは野田線で活躍してくれそうな8111編成。今後、5両編成の新型車両と顔を合わせることもあるかもしれません。

8111編成(画像:写真AC)。