日本弁護士連合会(日弁連、小林元治会長)は11月2日、旧統一教会に対する解散命令の請求に関する実効的な被害の救済を求める会長声明を出した。

統一教会世界平和統一家庭連合)を巡っては、文科省10月13日、解散命令請求を東京地裁に提出。献金被害などの回復に向けた財産保全が課題となっており、野党から今国会に法案が提出されている。

現在、全国350人超の弁護士が参加する「全国統一教会被害対策弁護団」が総額約39億5000万円を求めて統一教会と集団交渉中で、声明では「これほどの被害の訴えが現に存在することは、解散命令請求が行われたことと合わせて重く受け止めなければならない」とし、政治の動きにも迅速な対応を期待するとした。

日弁連が行った無料相談でも、旧統一教会による財産的被害のうち1000万円以上が約4割だった。被害総額は甚大だと予測されるため、現行法での対応に限界があると指摘。財産保全の仕組みが必要で、被害者の救済を確実かつ実効的なものにするための法整備を迅速に検討するよう求めた。

一方で、宗教団体の財産保全については、財産権や宗教活動を行う権利との関係が問題となるため「管理や監督の方法については、特別の規定を設けることで、制限的でない手段を講ずるなどの方策も考えられる」とした。

日弁連「旧統一教会の財産保全急げ」「被害救済、現行法では限界」 会長声明を発表