ヴィラ九条山は、昨年、フランスの職人のセバスチャン・デプラとセリーヌ・ライトを受け入れました。2人はそれぞれ、木版画と和紙という日本の伝統的な技法と素材を学ぶために日本に滞在しましたが、この秋、レジデンス・プロジェクトを継続するために再び来日することになりました。
https://www.villakujoyama.jp/ja/

セバスチャン・デプラは、ヴィラ九条山での滞在中、版画家の北村昇一氏のもとで、日本の版画ならではの微妙なグラデーションを用いた、手業による繊細なアプローチを探求しました。彼は木版画についてリサーチしていた際に、見たことや学んだことを様々なスケッチに描いていました。そんな遊び心のある絵を通して、木版画にて代々受け継がれてきた技の身振りを説明するため、デプラはチュートリアルのようにデザインした本『木版画』を出版しました。この本は、2023年11月2日のヴィラ九条山の一般公開や、11月23日~26日まで開催されるTOKYO ART BOOK FAIRにて紹介される予定です。

一方、セリーヌ・ライトは滞在期間中に得た経験やリサーチを活用しプロジェクトを継続するため、11月15日から12月15日まで再び来日する予定です。レジデンスにおいて学んだ、和紙に関する知識を用い、関西日仏学館が運営するカフェ「Les Deux Garçons」の新しい照明を制作します。

アンスティチュ・フランセのパリ本部と連携し、2014年からはベタンクール・シュエーラー財団の支援を受け、ヴィラ九条山は毎年、工芸を含むあらゆる分野のアーティスト・職人15名を受け入れています。ヴィラ九条山は、フランスや日本における、レジデントのリサーチ・プロジェクトに関する制作や発表を、滞在終了後から5年の間サポートします。セバスチャン・デプラとセリーヌ・ライトは、ヴィラ九条山によるこのサポートの一環として、この秋、再来日します。

2024年とは、ヴィラ九条山が工芸家のためのレジデンス・プログラムを開始してから10周年、そして日本の人間国宝に倣い、フランスに「Maître d’art(メートルダール)」の称号が誕生してから30周年を迎えるといった記念すべき年です。この記念により、フランスと日本の職人間の対話を紹介する様々なイベントが開催される予定です。

◆セバスチャン・デプラとセリーヌ・ライトのプロフィール

編集者、版画家にして美術印刷の専門家であるセバスチャン・デプラは、2007年にカンブレ高等美術学院(ESAC)を卒業して以降、印日本では、セバスチャン・デプラは、図書館、工房や製紙所を訪れ、現代の印刷図版についてのリサーチを行い、ほぼ科学的な方法で昔ながらの技法を細かく調査します。より具体的には、京都でのレジデンス中は、木版印刷工房「竹笹堂」の完全な手作業による木版技術が研究の対象となります。

セリーヌ・ライトは工芸家兼デザイナーで、日本で過ごした若い頃に興味を抱いた和紙から日々、インスピレーションを得ています。デュプレ応用美術学院のテキスタイル科を卒業後、ルイ・ヴィトン社やイタリアのデザイナー、パオラ・ナヴォーネのもとでデザイナーとしての経験を積んだあと、照明器具の制作に手を染めました。その後、セリーヌ・ライトの照明器具はボリューム感を増すとともに極端なまでの軽やかさが特徴的な作品となっています。京都でのレジデンス時、セリーヌ・ライトは和紙の製造技術と利用についての自分の知識を、建築の技術的特性の見地から深め、日本の伝統工芸の匠のもとで斬新でありながらも自然な技法を見出したいと考えています。

  • イベントのご案内

セバスチャン・デプラによる「木版画」の紹介やサイン会

-ZINE DAY OSAKA 10月28日(土)~29日(日)11 :30~17 :30

JAM 大阪 〒531-0072大阪府大阪市北区豊崎6-6-23

-「毎月第一木曜日はヴィラ九条山へ!」 11月2日(木)16時~18時(入場無料)

ヴィラ九条山 〒607-8492 京都市山科区日ノ岡夷谷町17-22

-Ba Hütte にてサイン会11月6日(月)18 :00~19 :00

〒606-8007京都市左京区山端壱町田町38番

-TOKYO ART BOOK FAIR 11月23日(木)~26日(日)11 :00~19 :00(入場料: 1000円)

東京都現代美術館 〒135-0022東京都江東区三好4-1-1

-TAIPEI ILLUSTRATION FAIR 12月8日(金)~10日(日)

セリーヌ・ライトによる照明

「Les Deux Garçons」営業時間 :9 :30~17 :00

〒606-8301 京都市左京区吉田泉殿町8

12月15日より、セリーヌ・ライトによる照明をご覧いただけます。

毎月一度、日曜日にマルシェが開催されます。次回のマルシェは、11月19日となります。

  • お問い合わせ

ヴィラ九条山広報担当 カミーユ・レ

contact@villakujoyama.fr
電話番号: 075-752-7173
ファックス: 075-752-7172

ヴィラ九条山について :

ヴィラ九条山は、フランスのヨーロッパ・外務省の文化機関です。アンスティチュ・フランセの支部の一つとして活動し、主要メセナのベタンクールシュエーラー財団とアンスティチュ・フランセパリ本部の支援を受けています。

1992年の設立以来、ヴィラ九条山は、造形芸術、音楽、文学、デジタル・アート、デザイン、工芸など、多岐にわたる分野の400人以上のレジデントを受け入れてきました。日本との芸術・文化交流の象徴であるヴィラ九条山は、今年3月から、毎月第一木曜日の14時~21時 まで一般公開を行いっています。

イラスト: セバスチャン・デプラ(2021年度レジデント)/ 画像: Nicolas Guilbert / Marie Hubert Psaila / Frederic Mery / Institut Français

配信元企業:ヴィラ九条山

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ