株式会社PLAN-B(本社:東京都港区、代表取締役:鳥居本 真徳)が運営をするINUNAVI(いぬなび)(https://inunavi.plan-b.co.jp/)は全国の犬好き・猫好きさん427人を対象に「ペットショップの在り方について」の意識調査を実施しました。

▼本記事
ペットショップの生体販売について考える!大切なのは1人1人が意識を変えること【犬好き・猫好き427人アンケート】
https://inunavi.plan-b.co.jp/column/petshop_problem/

  • 調査結果まとめ

・生体販売するペットショップを「必要だと思う」人は27.4%いたが、「お迎え方法がわからないから」のコメントもちらほら見られた

ペットショップの「生体販売は禁止すべき」という人は60.7%おり、理由は「安易に購入する人が後を絶たない」「悪質な業者が多い」ことがあげられた

・繁殖の規制がほとんどないことを問題だと思う人は84.5%と多く、「生き物の命に対する意識が低い」「法整備は必要」などのコメントが多く見られた

ペットショップの里親募集を「良いと思う」人は72.4%と多いが、「里親募集自体は良いと思うが、そもそもそのような境遇の犬猫を出してほしくない」との声もあった

ペットショップから生体販売がなくならない理由は「儲かるから」「需要があるから」といったコメントが見られた

ペットショップやブリーダーに求めることは「敬意を持ってほしい」「愛情を持って接して欲しい」「命を大切にしてほしい」 といったコメントが寄せられた

▶本記事では、不明点がないように各質問に対して詳しく解説しています。

生体販売するペットショップ「必要だと思う」と回答した人は27.4%でした。

逆に「必要だと思わない」と回答した人は48.9%おり、ショーケースに入れられて展示される子犬・子猫に疑問を持つ人もいるようです。

これは、コロナ禍にペットブームが起こり、それによって飼育放棄が相次いだことで、安易に購入できてしまうペットショップの生体販売を問題視する声が多数あがったことも背景にあると考えられます。

また、近年は保護犬が注目されているように動物愛護の意識の高まりから、狭いショーケースに入れられ、常に人目にさらされている子犬・子猫を「かわいそう」と思う人が増えたということもあるでしょう。

なぜ、そう思うのでしょうか。実際のコメントをご紹介します。

  • 実際のコメント

【必要だと思わない】

■コメントの傾向まとめ

・保護動物の優先

・衝動買いと無責任な飼育

・生命の価値観と道徳的問題

・殺処分や過剰繁殖の問題

いきものを飼う覚悟もなく簡単に購入して簡単に捨てる人がいるから」(女性 / 30代)

「飼われない限りは、基本的にずっと決して快適とはいえない狭い部屋の中ですごさないといけない動物たちが不自由で可哀想だからです。犬や猫であるなら本来広くのひのびした場所にいるべきなのに、長期間狭い部屋で管理され自由もほぼなく見世物の如く展示販売されている姿を見るのが大嫌いで苦手です」(女性 / 30代)

「全てではありませんが一部の店員による扱いが雑でペットの命や健康が粗末に扱われていると思うからです」 (男性 / 40代)

「必要だと思わない」と回答した人では、「保護犬猫がたくさんいるのに」「殺処分される犬猫がいるのに」といったコメントが多く見られたほか、安易に購入できてしまうことを危惧しているようでした。

また、「命を買う」という行為や、犬猫が「物」として扱われていることに違和感を覚えているようです。

【必要だと思う】

■コメントの傾向まとめ

・実際の接触の重要性

・教育・情報提供の場

・信頼性と安心感

・多様な選択肢・出会いの場

・代替手段の問題点

「きちんと管理されたペットを購入できる場所だと思うからです」 (女性 / 30代)

「血統書付きの犬を必要とする人もいるから」(男性 / 30代)

「実際の姿を見てみないと、思っていたのと違うという理由で、捨てられる可能性も高くなると思いました。また、高額な買い物かつ長年一緒に暮らすので、真剣に選択したいです」(男性 / 30代)

「必要だと思う」と回答した人では、「血統書付きの犬猫がほしい人がいる」「直接見て購入したい」といったコメントが多く、日本人の異常なまでのブランド志向は犬猫を迎えるときにも及んでいるのかもしれません。

残念ながら日本では、「血統書がある犬猫」「生後間もない子犬・子猫」「値段の高い犬猫」を求める人が多く、「保護犬猫」「雑種」に対してネガティブなイメージを持つ人も多いと言えます。

しかし、血統書がある犬猫や生後間もない子犬・子猫は、ブリーダーから購入することもできますが、ペットショップが必要な理由がその点に集まるということは、ペットショップ以外のお迎え方法を知らない人も少なくないと推測できます。

【わからない】

■コメントの傾向まとめ

・二面性(メリット・デメリット)の認識

・動物の取得方法と場所の不安

・保護動物の問題

「譲渡会でもらえない人の駆け込み寺として、必要。ただ金儲けで増やすのは反対だから、不要になる。うまく間を取って欲しい」(男性 / 40代)

「犬猫が可哀想だなって思うこともありますが、購入する側も実際に見て選びたいこともあるだろうから」(女性 / 30代)

「欲しい時に買える手段としては必要で、倫理的問題、人間の欲望のために作られる命への軽視など根深い問題もあるから」(女性 / 40代)

「わからない」と回答した人では、「保護犬猫を引き取ることができない人の手段」「可哀そうとは思うが実際に見て選べる」といったコメントがあり、メリットとデメリットをあげている人が多く見られました。

確かに、保護犬を迎え入れる文化が浅い日本で、さらに愛護団体(保護団体)の時代にそぐわない条件で間口が狭まっている(※1)ことを考えると、犬猫のお迎えに個人のブリーダーよりも企業としてのペットショップを選択するということはあり得ることでしょう。

また、

ペットショップがなかったらどこから買うのだろうという疑問があるので良く分からない」(男性 / 30代)

といったコメントもあり、ペットショップ以外のお迎え方法を広く周知することも課題なのではないでしょうか。

実際、ペットフード協会が毎年発表している「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」では、ペットショップで購入した人が51.9%という結果になっており、業者のブリーダーから直接購入した人は16.3%にとどまっています。(※2)

日本ではペットショップの生体販売が当たり前の光景となっていることから、お迎え方法に選択肢があることを意識しにくいということが推測できます。

※1:「信用できる動物愛護団体を調査!現状や愛護センターとの違いも解説」https://inunavi.plan-b.co.jp/animal_welfare/

※2:一般社団法人ペットフード協会「令和4年 全国犬猫飼育実態調査~ペットの入手先~」https://petfood.or.jp/data/chart2022/9.pdf

  • 「生体販売は禁止すべき」と考える人は6割止まり、しなくてもいい理由は「購入しやすい」が多い結果に

日本も海外のように「生体販売を禁止すべき」と回答した人は60.7%でした。

ペット先進国と言われるイギリスフランス、アメリカでは、捨てられるペットが後を絶たないことや、動物福祉の観点からパピーミル(営利目的で劣悪な環境で大量繁殖している悪質なブリーダー)からの供給を断つこと、1日中人目にさらすのは虐待にあたるなどの理由でペットショップでの生体販売を法律で禁止する動きになっています。

日本でもペットショップの生体販売は法律で禁止する必要があると多くの人が声をあげていますが、今回のアンケートでは6割にとどまり、「禁止しなくてもいい」と回答した人のコメントを見ると、「日本はちゃんとしている」と思っている人も少なくないようです。

まずは、実際のコメントをご覧ください。

  • 実際のコメント

【生体販売は禁止すべき】

■コメントの傾向まとめ

・動物の福祉と保護

・現行のペット販売制度の課題

・ペットが捨てられる問題

「現状のような生体販売を続けていると動物を安易に購入する人が後を絶たないと感じるからです。実際に『飽きたら人に譲ればいい』と口にしてる人も見たことがあるので、最後まで責任をもって飼育できない人の元に動物が渡らないようにする仕組みを作るのが大切だと感じます」(女性 / 40代)

「動物をお金儲けの道具としか考えない人たちがいる限り、強制的になくすしかないのではないかと思う」(女性 / 40代)

「今の日本のペット事情(悪質な業者が多い、飼育放棄、多頭飼い崩壊など)を見ると、販売を禁止にした方が良いと思います」(女性 / 30代)

「生体販売は禁止すべき」と回答した人は、安易な気持ちで簡単に購入できてしまうことを問題視していたり、悪質な業者を廃絶するためには禁止するしかないと思っているようです。

【生体販売は禁止しなくてもいい】

■コメントの傾向まとめ

・生体販売の需要や利便性

ペットショップの役割や効果

・ペットの購入経験や現状の理解

「実物を見て購入するほうが命の重みを感じられると思うから」(女性 / 30代)

「なぜならば、捨てたり、放置したりする人たちばかりではないからです。そういう人達は大半ではなく、一部のような気がします。日本は、まだ他国よりも丁寧に世話をする習慣がある気がします。飼育方法、お世話については、丁寧に説明、管理を徹底すれば、途中で投げ出してしまうような事例も少なくなるように思います。保健手帳のように管理、検査を義務づける法律を作るといいのではないでしょうか」(女性 / 40代)

「禁止は厳しすぎる気がするので、飼ってもいい人に条件を付けるとか免許制にするとかしたらいいと思います」(男性 / 50代)

「生体販売は禁止しなくてもいい」と回答した人では、実際に見て検討できることや購入しやすいといった点をあげるコメントが多く見られました。

また、「日本は他国よりも丁寧に世話をする習慣がある気がする」といった内容のコメントもちょこちょこ見られましたが、捨てられてしまう犬猫が多いことがあまり知られていないのかもしれません。

実際、2022年度(令和3年度)の殺処分数は14,457頭(犬:2,739頭 / 猫:11,718頭)と減ってはいますが、引き取り数は58,907頭(犬:24,102頭 / 猫:34,805頭)(※3)と多く、動物愛護団体に直接引き取りを依頼したり、里親探しサイトなので個人で譲渡する数は含まれていないということを考えると、この数以上の犬猫が捨てられていることは明らかでしょう。

※3:環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html

  • 繁殖の規制がほとんどないことを問題だと思う人は84.5%と多い結果に

繁殖の規制がほとんどない日本の法律について最も多い回答は「問題だと思う・規制すべきである・法整備が必要」84.5%でした。

2021年6月に動物愛護法が改正され、生涯出産回数や年齢、獣医師による帝王切開と出生証明書母体の状態及び今後の繁殖の適否に関する診断書の交付などの規定が追加されましたが、ほとんど性善説で成り立っているような内容です。

これでは、無理な繁殖によって生まれつき病気や奇形、家庭犬猫に適さない性格など、さまざまな問題を持って生まれてくる犬猫は減らないと容易に考えられます。また、小型犬や超小型犬は特に難産傾向で出産による母体の負担が大きく、出産時に母犬・子犬ともに亡くなってしまうこともあります。

「規制がなくても良い」と回答した人では、自然な繁殖だと思っている人が多く、交配の方法や繁殖のリスクなどが知られていないことが背景にあるようです。

すべてのブリーダーが何も考えずに繁殖しているわけではありませんが、悪質なブリーダーや繁殖業者がいるのも事実であり、ペットショップの生体販売だけでなく、繁殖についても法整備が望まれるところでしょう。

▶本記事では実際のコメントや頭数制限についても解説しています。

ペットショップが保護犬として繁殖引退犬や販売できなかった子犬などの里親募集をしていることを「良いと思う」と回答した人は72.4%でした。

犬にとって新しい家族が見つかるチャンスですが、「良くないと思う」と回答した人も27.6%おり、素直に喜べない理由があるようです。

  • 実際のコメント

【良いと思う】

「殺処分されるより全然いいです」(女性 / 50代)

「そういう事情を理解した上で里親になるのならいいと思う」(女性 / 20代)

「大切に育ててくれる里親に出会うきっかけになるから」(女性 / 20代)

「良いと思う」と回答した人では、「殺処分されるよりいい」というコメントが圧倒的に多く見られました。

目の前の命を救いたいという気持ちが第一にあるのかもしれません。

しかし、ごく一部のペットショップでは譲渡というのは名目で利益目的という疑惑もあります。善意を利用するような行為はますますペットショップの立場を悪くしていると言えるでしょう。

【良くないと思う】

「厳密に言えば全く保護犬ではないため、語弊がある。取り組みはある程度評価できるが、ネガティブな着眼点ではなく、公共の興味や関心に寄り添うものであって欲しい」(女性 / 40代)

「ブリーダーを助けているのはおかしいと思います」(男性 / 30代)

「結局は命を大事にしてないし、パフォーマンスにすぎない」(女性 / 30代)

「良くないと思う」と回答した人では厳しい意見もありますが、みなさんには

「里親募集自体は良いと思うが、そもそもそのような境遇の犬猫を出してほしくない」(男性 / 20代)

ということが根底にあるようです。

確かに、繁殖引退犬や販売できなかった子犬をペットショップに引き取ってもらって、ブリーダーはまた新たに繁殖犬を迎え入れ繁殖させるということ考えると複雑ですが、改めて繁殖の規制の必要性を強く感じるのではないでしょうか。

  • 一部のペットショップの繁殖方法や飼育環境が問題になっていることを「知っている」人は56.9%

とあるペットショップの繁殖方法や飼育環境などが問題になっていることを「知っている」と回答した人は56.9%でした。

半数以上の人が知っているということはそれだけ関心度も高いと言えますが、連日インターネットニュースやSNS、雑誌などで報道されていても「知らなかった」人も43.1%いるというのは、情報がうまく伝わらない問題点があるのかもしれません。

これでは、ペットショップ以外のお迎え方法や「物」として扱れている犬猫がいること、捨てられてしまう犬猫が多いことを知らない人が多くても致し方ないことでしょう。

今回の騒動は、購入者たちとのトラブルや元社員による内部告発が次々と報道されたことによるものですが、みなさんどう思ったのでしょうか。

  • 実際のコメント

【知っている】

「悲しい現実。業者はもちろんですが、やはり日本の動物保護に関する法律や認識はあまりに低すぎる。これだけペットが浸透した社会にも関わらず相変わらず動物は『物』として認識されており、処罰も軽すぎる」(女性 / 40代)

「悪環境での繁殖・飼育もあり得ると知ったうえで、それでもペットをペットショップで飼いたいのかと全ての飼育したい人たちに問いたいです」(男性 / 20代)

「前々から噂は知っていたので、やはりか。。。という感じでした。先代の犬は何も知識がないのでペットショップから迎えましたが、今の子はブリーダーさんから迎えました。ペットショップのように生体販売を生業にするビジネスを禁止にしない限り、こういったことは続くと思うし、ブリーダーも良し悪しがあるので、きちんと制限を設けるべきだと思う」(女性 / 30代)

【知らなかった】

「命を軽く見ていて酷いです。ペットショップでの生体販売はあって良いと思っていましたが、記事が事実なら自分の考えも改めなければいけません」(女性 / 40代)

「この系列店のみならず把握しきれないほどの数がペット業界の闇として綴られてきている中で、なぜ悪質さに突き抜けたものばかりに多く利益が生まれていき、そしてなぜそれが野放しにされ続けてしまっているのだろうというのは疑問に思えてならない」(男性 / 20代)

「知っている」と回答した人では、「だから法規制が必要」といった声が多く見られ、「知らなかった」と回答した人ではニュース記事にショックを受けていました。

もちろん、真偽はわからず、すべてのペットショップが同じではありませんが、問題となっていたのは劣悪な飼育環境や惨い繁殖方法、死亡率、さらにはお迎えした子犬の寄生虫感染やパルボウイルス感染などの健康問題などで、ブリーダーやペットショップ全体で考えていかなければいけないことなのではないでしょうか。

▶そのほかのコメントや「ペットショップで働いていた人の裏事情」「どうしてペットショップはなくならない?」「ペットショップの生体販売をなくすためには?」は本記事で紹介しています。

  • ペットショップやブリーダーに物申す!「敬意を持って」「愛情を持って」「命を大切に」

最後に、みなさんがペットショップやブリーダーに求めることを聞いてみました。

「命を扱うことについて金儲けなどではなく、真剣に考えてほしい」(女性 / 40代)

「利益目的の運営ではなく、動物の幸せや人間との健全なつながりを最優先に思いやった真の橋渡し役を担って欲しい」(女性 / 40代)

「どんな生きものであれ、生きているんだ、幸せに生きる権利があるんだということを考えて行動してほしいです。亡くなった命は二度と戻ってこないということを肝に命じてほしいです。どうしても理解できないのなら、動物たちがさらされている生活をしてみて、実感してほしいです」(女性 / 30代)

ペットショップやブリーダーからすれば1商品でしかないことは理解できますが、その動物たちのおかげでお金を得る事ができているのだからもう少し動物に対する敬意を持ってほしいと思います」(女性 / 40代)

「とにかくみんなに優しい世界になってほしい。課題が多すぎると感じている」(女性 / 20代)

すべてを紹介できないことが残念ですが、みなさん真剣に答えてくださいました。

ペット事業者が目にするかはわかりませんが、この声が届き、考えて頂けたら幸いです。

  • この記事について

▼本記事

ペットショップの生体販売について考える!大切なのは1人1人が意識を変えること【犬好き・猫好き427人アンケート】

https://inunavi.plan-b.co.jp/column/petshop_problem/

▼調査概要
アンケート内容:ペットショップの在り方についての意識調査

調査方法:インターネット調査

対象:全国の犬好き・猫好きさん427人(女性304人 / 男性123人)

実施日:2023年10月16日10月18日

■会社概要
株式会社 PLAN-B
大阪本社:大阪市西区新町 1-28-3 四ツ橋グランスクエア 6階
東京本社:東京都品川区五反田2-5-9 島津山PREX 3階

配信元企業:株式会社PLAN-B

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