株式会社リクルートホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:出木場 久征)が運営するアートセンター、BUGでは、2024年1月24日(水)~ 2月18日(日)の期間、第1回BUG Art Award ファイナリスト展を開催します。本展は、第1回BUG Art Awardの一次審査と二次審査を通過した6名のファイナリストによるグループ展です。2月6日(火)にはグランプリを選出するための公開最終審査を行い、グランプリ1名を決定します。グランプリ受賞者には、約1年後のBUGでの個展開催の権利と、個展開催費上限300万円、アーティストフィーが支給されます。

第1回BUG Art Awardのファイナリストは、以下の6名。大阪府和泉市に伝わる「葛の葉伝説」を基にした作者自身のパフォーマンス映像と、ノンバイナリーのアイデンティティを持つ友人のインタビューを織り混ぜた映像作品を制作する乾真裕子。幼少期から使ってきたお絵描きソフトで描いた絵を現在のテクノロジーで表現した映像作品の他、日用品、布類、梱包材などを使ったインスタレーション作品を展示する彌永ゆり子植物園や公園へのリサーチから着想を得たイメージのドローイングから3DCGで仮想空間を作り、それを基に絵画作品を展開する近藤拓丸。ガーゼ布で覆われた空間とロボットアームを中心に構成した作品から、機械の身体を通して、人間の皮膚感覚がどのように伝わるかという問いを発信する宮内由梨。日常の中での発見をきっかけに、砂、ストロー、麻布、ブロンズなどを使い、立体作品やドローイング、映像作品など展示する向井ひかり。山や海などの風景を題材にする中で、それらを自然物と認識することに違和感を感じ、「光と影」「色」「形」「線」「人と自然」について思考しながら油彩画を描く山田康平。

BUG Art Awardは、制作活動年数10年以下のアーティストを対象に株式会社リクルートホールディングスが運営するアワードです。審査員からのフィードバックの提供や、展示・設営に関する相談会の開催などのサポートを行い、審査にまつわる過程でアーティストの成長を支援します。新しい表現に挑戦したい、アーティストとしてキャリアを築きたいという想いを応援したいと考えています。なお、第2回BUG Art Awardの応募受付期間は2024年1月24日(水)10時から2月21日(水)17時を予定しています。詳細はBUGのウェブサイトでご案内している応募要項をご確認ください。

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公開最終審査

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2024年2月6日(火)17:00-20:40(予定)

ライブ配信・要予約(下記リンクよりご予約いただけます。)

*終了時刻は審査の進行状況により前後します。

*当日は休館日のため、展示及び審査を会場でご覧いただくことはできません。

https://bug-art-award-1.peatix.com

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展覧会概要

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タイトル:第1回BUG Art Award ファイナリスト展

会期:2024年1月24日(水)~2月18日(日) 11:00~19:00 火曜休館 入場無料

ファイナリスト:乾真裕子、彌永ゆり子、近藤拓丸、宮内由梨、向井ひかり、山田康平(敬称略・五十音順)

主催:BUG

最新情報はウェブサイトやSNSでご確認ください。

https://bug.art/

[X(Twitter)/Instagram]@bugart_tokyo [facebook]bugart.tokyo

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ファイナリスト紹介

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五十音順・敬称略

乾 真裕子 Mayuko INUI 

1997年大阪府生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。フェミニズムやクィア理論を手がかりに、自身の身体を用いたパフォーマンスや映像作品を制作している。近年は、民話や昔話におけるジェンダー表象と、語り継がれながら変化していく歌や語りに関心を持っている。

主な活動歴・受賞歴:

2023年 個展「玉繭」(EUKAEYOTE、東京)

2021年「CAF賞」 金澤韻審査員賞 受賞

2020年「平成藝術賞」受賞

展覧会にかける想い:

この『葛の葉の歌』という作品が、様々な社会的・文化的背景を持つ人々が訪れる東京駅に隣接したこのスペースで、どのように鑑賞されるのか。とても興味深く楽しみに思っています。

タイトル:「葛の葉の歌」

彌永 ゆり子 Yuriko IYANAGA

1991年京都府生まれ。2018年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了。

パソコンで描いた絵を作品で扱うにあたって、デジタルにしかない質感、たとえばピクセルという単位で描くことや物理的凹凸がないことに着目した。その絵画的な視点を出発点に、普段見ることのない絵画の制作工程も作品の一部とし、完成という概念を曖昧にしている。

現在はモニターや基盤の物質性にも目を向け、全体の構成も絵画的でありながら立体物でもあり、インスタレーション的でもあるというジャンルに囚われない表現を試みている。

主な活動歴・受賞歴:

2023年 「SICF24」 EXHIBITION部門 山城大督賞受賞

2022年 「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2022」

2019年 「Kyoto Art for Tomorrow 2019 ―京都府新鋭選抜展―」 読売新聞社賞受賞

展覧会にかける想い:

自分なりに新しい試みを追求してきた結果、全国規模の公募で多くの方の中から選んでいただけたということは私にとって大きな自信になりました。

今回は空間を意識したインスタレーション的な見せ方を新しく試みながら、さらに自分の表現の幅を広げてみたいと思います。ファイナリストの皆さんと共に良い展示を作り上げられるよう頑張ります。

タイトル:「material flow / signal

近藤 拓丸 Takumaru KONDO

2018年多摩美術大学大学院美術研究科油画専攻修了。テクノロジーによって人間が実在させている世界や、人工物と自然物の間に存在するパラレルワールドについて制作している。近年では、植物園や公園などの、都市の中に作られた人工的な空間へのリサーチからドローイングを描き、3DCGの並行世界を構築し、絵画や映像を制作している。

主な活動歴・受賞歴:

2023年 「ニュー・ニューウェーブ・フクオカ」(黄金町エリアマネジメントセンター、横浜)

2023年 「長亭GALLERY賞」受賞

2022年 個展「素粒子のフィジカルー現実の描画距離」(IAF SHOP、福岡)

展覧会にかける想い:

日常のふとした瞬間に降ってくるイメージが形になり、自分の持っている感性が表現として鑑賞者に伝わってくれたら嬉しいです。

今、同じ時間を生きている人達や、遠くにいる人達、過去や未来にも響くものが提示できればと思います。

タイトル:「botanical capture」

宮内 由梨 Yuri MIAUCHI

長野県生まれ。京都造形芸術大学卒業。沖縄、ロンドンを経て、現在は横浜を拠点に活動する。身体の感覚、とりわけ皮膚感覚や内臓感覚に焦点を当てる。誰もが経験しつつも、把握/コントロールできないそれらの感覚を人間がどう意訳し、受け継いでいくのか、あるいは置き去りにしていくのかという問いへと展開している。制作過程においては、ガーゼ布・葉書・音・土・樹脂・ロボットアームなどを多層的に組み合わせている。

主な活動歴・受賞歴:

2023年 個展「Scraped Script - はがされた余韻や明ける癒紋」(gallery N 神田社宅、東京)

2023年「VOCA展 2023」(上野の森美術館、東京)

2022年 「ARTS CHALLENGE 2022」審査員賞受賞

展覧会にかける想い:

長らく他のアワードにおいては基本条件を満たすことが難しい作品でした。こうした不確かなものも、日の目を見る機会があるという前例になれたらと思います。

タイトル:「プシュケーの帰還」

向井 ひかり Hikari MUKAI

1998年千葉県生まれ東京育ち。2022年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。

砂地に通りがかったので砂山を作ってみてからその場を離れるように、制作を通して宇宙で起こりまくっている様々なことを発見してコレクションしている。様々な素材を組み合わせて彫刻を作ることが多い。

主な活動歴・受賞歴:

2023年 個展「リンクスケーター」(WALLA、東京)

2022年「令和3年武蔵野美術大学卒業・修了制作 優秀賞」受賞

2019年 CSLAB×MELLOWゼミ「ジェンダーに関する観察と実践」2019年度成果発表展

展覧会にかける想い:

BUG Art Awardは私にとって初めての公募展です。自作について、他者に時間をとって頂くことになって初めて考えるに至ることが様々あり、一つ一つに驚きながら準備を進めています。

搬入が終わる頃にはすっかり寒くなっていると思うと不思議です。頑張ります!

タイトル:「対岸は見えない」

山田 康平 Kohei YAMADA

1997年大阪府生まれ。2020年武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻卒業、2022年京都芸術大学大学院芸術専攻美術工芸領域油画専攻修了。

主な活動歴・受賞歴:

2023年 個展「Strikethrough」(Taka Ishii Gallery、東京)

2022年 「それを隠すように」(biscuit gallery、東京)

2020年 「CAF賞」 入選

展覧会にかける想い:

あまりこのようなコンペに応募することは今までなかったのですが、絵画だけではなく様々なジャンルの作品が集まるということで、その中で自分の作品がどう見えるかワクワクしており、良いファイナリスト展に出来ればと思っています。

タイトル:「Untitled

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審査員による一次審査・二次審査の総評

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敬称略・五十音

内海潤也(石橋財団アーティゾン美術館学芸員)

二次審査初日。20組の作家と半日かけて対面で話したあと、ひと息つくため、八重洲の地下をぷらぷらと歩いた。豊かな時間だったな、と。目の前を行き交う人たちに、刺激的な「BUG」を持っている人がこれだけいるんだよと、展示を通して伝えられる可能性に喜びを感じました。「BUG」という言葉への期待、その言葉を冠したアワードへ応募する人たちへの期待、目を通すことになるプランへの期待、二次審査で生まれる会話への期待。悠長な--頭のフル活用を終え、身体的な疲労が重くのしかかっている今、そうは言い切れないのだが--「選択する者」として、書類や対面を通じて想定よりも多くの期待に出会いました。ここで得たエネルギーや複数の視点に開かれる時間が、このBUGというスペースで展開されていくことを、さらに期待したい。

煎じて詰めて言えば、ありきたりですが、選出しないことを選ぶことが難しかった、ということです。

菊地敦己(アートディレクター/グラフィックデザイナー)

「アート」と銘打ったアワードであるから当然といえば当然ではあるが、現代美術の領域の作品が大半であった。個人的には、デザインや工芸、建築、プログラミング、あるいはもっと他の何かに出自を持ったオルタナティブの応募がもっとあっても良いのではないかと思う。作品の形式は、絵画や彫刻といったオーソドックスなものは少なく、平面イメージとオブジェ、映像などを組み合わせたインスタレーションが主流だった。行き過ぎたコンセプチュアルの揺り戻しか、工芸的マテリアルを取り込んだ作品も目についた。美術の権威性を批判的に扱った作品も複数あったが、脱ホワイトキューブのようないささか古風なスタイルに留まっていた。応募作全体に、コンセプトと造形のバランスに大きな破綻はなく、安心して選考した。デザイナーの私が言うのもなんだが、ややデザインされ過ぎているのではないかという感もある。募集形式によるところも大きいので、このあたりは改善が必要かもしれない。

たかくらかずき(アーティスト)

応募作家のみなさんと同じ作家の身分で審査員をさせていただき、誠に恐縮しております。同じ作家として、皆さんの作品や作家としてのスタンスを僕の感性で素直に判断させていただきました。一次審査を通過した20組の皆さんの作品クオリティはどれも非常に高いものばかりでした。個人的な当事者性・興味・感性と外の世界・時代・社会全体をどんなふうにつないでいるのかが僕の興味の対象でした。「作る」ことに対する意欲がとても高いものばかりで元気をもらいました。皆さん今後も変わらず、社会になんとなく漂っている「ムード」を気にしすぎず、自分の興味関心があるテーマをひたすらに追求して作り続けて欲しいと思いました。

中川千恵子(十和田市現代美術館キュレーター)

「1_WALL」から一新したBUG Art Awardが、どのような賞として歩んでいくかを定めるための大事な一歩となったと思います。一次審査では、400近くの応募から20組を選考する形式上、作品の独自性、展示プランの構成力、応募書類から窺えるコンセプトや、制作の継続力を持つ作家たちが選出されました。二次審査で、セミファイナリストの方々に直接お会いし、実作品を目にしたり、展示プランについて聞くことにより、より立体的に各作家の姿勢をイメージすることが出来ました。それぞれの作家が、どのようにテーマを扱い、実社会の問いや世界の現象へ接続するか、その際に言葉をどのように用いるかといった点を複合的に評価しようと努めました。各々の関心について、独自の視点や技法で作品を生み出そうとする作家たちがファイナリストとして取り上げられたのではないかと思います。

横山由季子(東京国立近代美術館研究員)

さまざまなジャンルの作品をひとつのアワードの俎上に載せて議論するのは、想像以上に大変なことでした。審査員5名が、それぞれにもつ多様で複雑な評価軸を保ちつつ、ときに専門や見方の異なる他の審査員の意見に耳を傾け、自身の考えを検証し、アップデートしながら、納得できるまで議論できたのは良かったです。セミファイナリストに選ばれた20組の作品が、それだけ力作揃いで、可能性の感じられる作品が多かったということですが、最終的には、作品のスタイルが確立されているかどうかを問わず、作家がその作品を作る個人的な必然性と、それを他者と共有したり、問いかける意思が強く感じられる作品がファイナリスト展に進むことになったように思います。今回選ばれなかったプランもそれぞれに良さがあり、実際の作品を見てみたいものばかりでしたので、応募者の皆さんが落胆することなく、各自のフィールドを切り開いて、活動を続けていかれることを願っています。

BUG

〒100-6601 東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー1F

交通アクセス

JR東京駅八重洲南口から徒歩3分

東京メトロ京橋駅8番出口から徒歩5分

東京メトロ銀座一丁目駅1番出口から徒歩7分

当館には専用駐車場はありません。ご来館時は公共交通機関をご利用ください。

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【本件に関するお問い合わせ先】

https://recruit-holdings.co.jp/support/form/

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