Google LLCが10月23日公正取引委員会(公取委)から「独占禁止法」違反の疑いで審査を開始するという報道がありました。

 公取委によると、以下2点について、「自己と競争関係にある事業者の事業活動を排除し、又は取引先事業者の事業活動を制限している疑いがあります」と説明しています。

(1)同社がAndroid端末メーカーとの間で、当該端末メーカーが製造する端末への「Google Play」と称するアプリケーションストア等の搭載を許諾するに当たり、「Google Search」と称する検索アプリケーション、「Google Chrome」と称するブラウザアプリケーション等自己のアプリケーションを併せて搭載させ、搭載する際の当該アプリケーションアイコン等の端末画面上の配置場所を指定する内容の許諾契約を締結すること

(2)Android端末メーカーらとの間で、自己と競争関係にある事業者の検索アプリケーションを搭載しないこと等を条件に、自己が検索連動型広告サービスから得た収益を分配する内容の契約を締結すること

 そこで、独占禁止法違反や今回のGoogleのケースについて、芝綜合法律事務所の弁護士・牧野和夫さんに聞きました。

公正かつ自由な競争を妨げる行為を規制 Google LLCの改善方法とは?

Q.まず、独占禁止法について詳しく教えてください。

牧野さん「独占禁止法の正式名称は、『私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律』と言います。企業が市場において、公正かつ自由な競争を妨げる行為を規制しています」

Q.独占禁止法を踏まえ、今回のGoogleの一件は、どのような点に違法性があるのでしょうか。また、どのような改善方法が考えられますか?

牧野さん「スマホメーカーに対してスマホ端末の初期設定で、自社の検索サービスを不当に優遇させた疑いがあったとされています。改善方法として、競争サービスに初期設定をする必要があり、あるいはその他の消費者に選択の機会を与える必要性が考えられます」

Q.AppleがiPhoneやMacシリーズ、タブレットに「Safari」を搭載させているのは、問題ないのでしょうか?

牧野さん「Googleと同様に、スマホメーカーに対してスマホ端末の初期設定で、自社の検索サービスを不当に優遇させている場合には、同様の問題が指摘されることになります」

Q.過去に独占禁止法が問題となった例はありますか?
牧野さん「公正取引委員会は2023年2月9日、米アップルと米グーグルが提供するスマートフォンの基本ソフト(OS)に関する報告書をまとめ、アプリ提供事業者(ゲームアプリなど)への高額な手数料や自社アプリの優遇は独占禁止法上、問題になる恐れがあると指摘して、アプリ決済の開放も求めていました」

オトナンサー編集部

「独占禁止法」とは?