山形県小国町316年以上続く酒蔵で地元民と移住者が交流する酒蔵カフェ&飯豊山麓ワーケーション拠点「カモスク(R)」
酒造りを中心にしたエリア一体を「サクラガワカモスクエア」として革新しながら酒文化を100年後にも繋いでいく。

「ヨソモノ」の私が、桜川酒造や小国町に関わる事になったきっかけ

 一般社団法人YOKAMOS(ヨカモス)&桜川酒造株式会社の石井宏和です。
私たちは、山形県にある小国町にある酒蔵カフェ&飯豊山麓ワーケーション拠点「カモスク(R)(KAMOS"Q")」を運営しています。1Fはブックマンション&カフェ、2Fは会員制ワークスペースを設けWi-Fiや各種機材を完備しつつも木の温かさを感じられる居心地の良い空間をつくり、交流拠点として多様な人が気軽に立ち寄れるスペースを運営しています。


 ヨソモノの私が、小国町総合政策課白い森ブランド戦略室の依頼を受け、地域の新規ビジネスやプロジェクトの支援をする「白い森おぐにローカルビジネス創出塾」に5年ほど携わってきました。
 そのなかで2020年に行われたビジネスプランコンテストで、「米と汁を通し『米沢街道』の暮らしを味わいつくすプログラム」(優秀賞を受賞)をきっかけとし、この地域に古くからある地域資源を活かし、楽しむためのチームを作ることになりました。このチームをより活発に活動させるために「白い森おぐにローカルビジネス創出塾」の支援を受けながら、2021年3月にYOKAMOS(ヨカモス)を設立致しました。

 この地域は、マタギ文化の伝承館やマタギが営む飲食店・民宿、町内外から参加者が訪れる熊祭りなど、自然と山を守るマタギの文化があり体感できるスポットやイベントも多数あります。狩猟班も活躍し、例年熊狩りも行われている面白い地域です。
 現在は磐梯朝日国立公園と飯豊山麓にある小国町から、ワーケーションプログラムとして山・森体験ができる公式ガイドの更なる育成やエコツーリズムの実施、アドベンチャーツーリズムも進めています。また、酒蔵見学・体験を事業とし立ち上げ古くからの酒造りに触れる酒蔵ツーリズムを行っています。さまざまな体験を通し実際に肌で感じる飯豊山麗と小国町の魅力とおもしろさを、ヨソモノの私達だからこそ楽しんで創り上げています。




私達が交わり、人生を醸す場~
酒蔵を活用した酒蔵カフェ「カモスク(R)」開設とワーケーションプログラム「ヨカ(余暇)モス」

 小国町と関わりを深める中で、歴史ある桜川酒造のあるエリアに注目しYOKAMOSを立ち上げ、さらには皆が集える拠点となるカフェ機能を備えたワーケーション拠点となる施設「カモスク(R)」を開設いたしました。(もちろん「醸す」とかけてあります。笑)



 カフェで提供する料理も「発酵」と「醸す」をキーワードにしたメニューを開発。
YOKAMOSの監事でもある食文化プロデューサー鈴木将氏が開発したメニュー、小国町の食文化を活かしたおぐに味噌使用の「発酵カレー」と、小国町産の大豆・米こうじで仕込んだ味噌を使用しほんのりきいた塩味としっとりした生地が特徴の発酵スイーツ「味噌フィナンシェ」が好評です。

発酵カレー800円(辛さ足し追加料金あり)

味噌フィナンシェ300円
 
 また、酒粕をふんだんに使った美肌スイーツ「醸スナック」「醸スイーツ」も開発しました。桜川酒造の純米大吟醸「桜川」の酒粕をふんだんに使用し2023年より販売しています。
 「醸スナック」は、山形産の大豆と落花生を使用した「酒粕大豆」、「酒粕ピーナッツ」の2種類を展開。

 「醸スイーツ」は、「酒粕クッキー」、「酒粕スノーボール」、「酒粕かりんとう」の3種類を販売しています。発酵食品はお肌にいいとも言われ酒粕をふんだんに使ったお菓子で【食べて美肌】をコンセプトにしています。普段、酒粕が苦手なお客様にも手に取りやすい形で製品化いたしました。

醸スナック1個300円(税込)、醸スイーツ1個390円(税込)


 江戸時代からの歴史ある桜川酒造の土蔵を利用したワーケーション拠点カモスク(R)では、町内外のさまざまな方々と醸す時間を紡ぐプログラム「ヨカモス(余暇を醸す)」を提供しています。
 町民の方にとっては、憩いの場であると共に発酵食や飯豊山麓や米沢街道の郷土料理の新しいスタイルを楽しめる場でありたい。町外・世界中の人と通信・交流する場としての存在意義でありたい。

 また町外の方には、短期出張や長期滞在するワーケーションの拠点として、自然の中にありながら仕事を十分にできる場として十分に活用してもらえたら。そして何よりこの拠点から、新しい出会いと繋がり、ビジネスが生まれていく事を目指し、運営をしています。




カモスク(R)のNEXTチャレンジ、滞在できる「ヨイドコ(TM)」へ

 現在、文化庁では「伝統的酒造り」をユネスコに提出しています。桜川酒造の酒造りはまさに伝統的酒造り、機械化だけに頼らない昔ながらの木桶や古道具を大切に使いながら酒蔵文化を守っています。町外からのビジターにも酒蔵に漬かり醸されてほしい思いから、次なる展開として桜川酒造の奥座敷を利用した短期間の滞在施設「ヨイドコ(TM)I」をつくりました。
 「発酵して、醸造されるよう」という思いから、「酔い、宵、良い、善い、好い、夜寝」など広く想いを込めて名前が決まりました。滞在施設では、今ではもう使われなくなった酒蔵の仕込み道具や古くは酒蔵で使われていたであろう建具などを取り入れ、重厚な雰囲気を味わえるような和のミニ博物館のような設えにしてあります。この奥座敷は桜川酒造の酒蔵と一体となっており、短時間の滞在や研修施設などに使われています。
 また、小国町に魅力を感じ移住者が増えてきたことで女性専用シェアハウス「ヨイドコ(TM)II」も町内で運営しています。1週間~3か月のショートステイを基本として受け入れています。

ヨイドコ(TM)Iは桜川酒造の歴史を感じる建物を使用させていただき、趣ある設えとなっています(水回り改修済み)

 山口県下関にあるTAKADA COFFEEとコラボレーションしたドリップコーヒー「ヨイドコ―ヒー」も開発し販売しております。飯豊山麗の四季を通した自然や文化、桜川酒造新しいお酒などの地域資源をグラフィカルにデザインしました。袋のデザインは5種異なりますが、味わいは同じ。軽くて持ち運びもしやすいため、配るだけでこの地域をご紹介できるお土産としてご利用いただいています。ヨイドコ(TM)のお泊りの際はこちらをアメニティとしてお部屋で味わっていただけます。

5個セット1,400円(税込)、1個300円(税込)

原材料は3カ国ブレンド(ブラジル、エチオピアボリビア



移住者コミュニティと新しい働き方と仕事つくり、新しいライフスタイルを。「おぐマル設立」支援

 2021年の「白い森おぐにローカルビジネス創出塾」では夏田冬蔵をはじめとした多様なワークスタイルで過疎地域の新しい働き方や担い手確保をめざすおぐにマルチワーク事業協同組合の事業化を図る吉田悠斗氏の支援をし飛躍を遂げました。田舎暮らしを楽しみながら、1つの業種だけにとらわれないひとりひとりの自由な働き方や、希望を叶えるライフスタイルを見出しています。
 小国町の一大産業である製造業やガス・エネルギー事業の仕事をしながら、カゴ細工やマタギなどの生業を楽しむ方。夏の酒米栽培の時期は田へ、冬の酒造りの時期は蔵人として酒造りをする方。多種多様なワークスタイルを実現しています。求職者1人を1つの企業でのみ働かせる従来の制度ではなく、協同組合として企業がまとまることで、1人を2~3の企業で雇え、持続可能な地域を創る組合になっています。 
 地域を愛する人を増やし、地域に根差し、組合員・派遣者が幸せになるためのサポートをしながら、楽しく、面⽩く、ワクワクする地域づくりを行っています。
 この取り組みを成功させたことで、小国町への若者移住者(ヨソモノ)が増え、町の中でも新しい化学反応が起きています。はじめはヨソモノでも、地域を愛し、地域から愛されることでだんだんと地元の人間になっている方もたくさんいます。

小国町でさまざまなマルチワークな人々をコーディネートする吉田悠斗氏

2度目の破綻寸前だった桜川酒造に代表取締役専務として参画
古きをまもりながら新しいエッセンスをいれ、女性中心にした経営改善中

 YOKAMOSの提携先である桜川酒造の酒蔵と文化財を利活用した「酒蔵カフェ&ワーケーション拠点:カモスク(R)」から始まった小国町での事業。現在そのご縁がおおきくなり、桜川酒造本体の経営再生と事業構築も進めています。一般社団法人YOKAMOS代表を務めながら、2023 年1月から桜川酒造の代表取締役専務に就任しました。

桜川酒造の社長の鈴木正昭氏よりご依頼をうけたときは迷いました。しかし江戸時代から続く伝統的酒造りを大切にしている酒蔵の姿をみて、この文化を絶やしてはいけないと思い、大役を引き受けすることを決断しました。現在は新規事業の立ち上げや新商品開発、女性や若者(マルチワーカー)の才能を活かせる社内体制づくりへと変革を行っている途中です。


 簡単は道のりではないですが、経営も劇的に向上し、中長期的な展望も見えてきました。
売上は今期決算見込みで9月時点で昨年対比113%(13%増)、6月以降は毎月単月黒字を達成。価格や経費の見直し、働き方改革を行い酒造りのない4月~9月は残業廃止。職能給を手厚くし各人2%~20%賃金を向上しました。また人事体制では製造・営業部門において役職者を15歳以上若返らせるなどの取組みも行いました。
 技術やモチベーションの向上のためソムリエ・唎酒師を講師に招き「品質向上勉強会」も毎月開催しています。学び続ける文化を定着させています。(酒米農家達も、もちろん参加!)


 日本酒女子ブームの追い風もあり、お客様のニーズに対応した新ブランド「KAIRAGI(櫂楽技)」も開発。

 桜川酒造では初めての取り組みとして、香り酵母ををつかい酒を仕込みました。女性向けに仕上げた酒ということで、マーケティングやデザイン、広報にも積極的に女性を登用し7月より発売を開始しております。ワイングラスで味わえるようなフルーティで洗練された味に仕上がり、ラベル開発も今までの桜川酒造にはない新たな着眼点でイメージで一新しています。

 商品開発だけでなく社内におけるシステム関連、DX推進にも女性を起用するなど、いままでの桜川酒造には少なかった新たな目線、新たな取り組みをすすめています。


 また、カモスク(TM)メニュー開発をおこなった食文化プロデューサーの鈴木将氏や、ソムリエ・唎酒師の石田陽介氏をはじめとしたプロフェッショナルの方々と「小国桜川」の新しい楽しみ方、料理・ペアリングの企画も桜川酒造とカモスク(TM)とともに創っています。酒蔵ツーリズムとも呼ばれる活動も展開しています。

小国桜川のある食卓風景を100年後にも残すべく、お米を中心にした純米系の酒づくりに
夏田冬蔵をはじめとしたマルチワークで持続可能な酒蔵経営をさぐりながらマルチな働き方を導入

 「暮らしの食卓の風景」桜川酒造が大切に残していきたいものとは…
「小国桜川」というお酒は、ハレの日いう特別な時間のみならず、ケの日をはじめとする日常の勤労(働く=端を楽にする)した自分を労り誰かとの対話を重ねてお互いを知り関係を醸す時間にも大切な存在だと思っています。それは300年前の創業時から今も変わらず、これからもそうあり続けたいと願っています。
 「小国桜川がある食卓風景」をこれからも広げ、江戸時代から続く伝統的酒造りを大切にしつつも、時代やニーズに合わせて変化のできる蔵でありたい。その為には技術伝承と人材育成を絶えまなく続けることを大切な軸ととらえています。

桜川酒造で行われている伝統的酒造り。昔からの木の道具を今も大切に使っております。


 おいしい酒をつくる―――――
 そのためには、一緒に酒をつくり上げる酒米農家とのたゆみない連携も大切なひとつです。盟友であり酒米農家の井上昌樹氏はまさに夏田冬蔵を体現する方です。春から秋の酒米栽培の時期は田で活躍し、冬の酒造りの時期は蔵で自らの酒米を酒へと仕込みます。農家として蔵人として、小国町に暮らし、活躍されています。純米の酒造りにこだわる桜川酒造は、今後より酒米農家との連携が大切になってくると考えています。

 盟友である井上昌樹氏(写真中央)のように、こだわりの米をつくりながら、活き活きと自然と文化のなかで生活を営める環境をつくりたい。創業伴走をした「おぐまる」と協業しながら、蔵へのマルチワーク人材を確保しともに歩んでいます。(井上家に農家修行にきている若者が、冬は蔵に働きにきてくれています。とても嬉しい!)

2023年4月に1周年祭を終えてメンバーと。町民、移住者、みんなで紡ぐ楽しい時間。

 小国町で遊んで学び、地域となじんでいく。地域の「人」と「文化」の循環をつくりながら、100年先に続く小国桜川の酒(だけではない、地域としてのいとなみ)を目指し続けていきます。なにより事業家集団の私達自身が小国町とともに楽しみながらこれからも活動していきます。

最新情報

2023年11月3日小国町にて「令和5年度 文化の日表彰式」にて一般社団法人YOKAMOS(ヨカモス)が観光交流の促進や、関係人口の創出に寄与したとことで表彰を受けました。これからもますます小国町のみなさまと楽しんでまいります。(桜川酒造を彩る桜の法被をまとい、皆様の代理としてお受けしてまいりました!)

 一般社団法人YOKAMOS(ヨカモス)https://yokamosquare.jp/

配信元企業:一般社団法人YOKAMOS

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