アイスの中には「ラクトアイス」と呼ばれる製品があります。アイスクリームとは何が違うのでしょうか。アイスの種類などについて、管理栄養士の桜井このさんに聞きました。

乳固形分の割合でアイスを分類

Q.「ラクトアイス」とは、どのような製品なのでしょうか。

桜井さん「味が濃厚な『ザ・アイスクリーム』という商品のほか、あっさりとした味わいのアイスキャンディーのような商品など、さまざまな種類のアイスが売られています。

実は、消費者が一般的に『アイス』と呼んでいるものは全部で4種類あり、『乳固形分』の割合によって名称が変わります。

乳固形分とは乳製品のうち、水分を除いた部分の割合を指します。最も乳固形分が多いのは『アイスクリーム』で、15%以上と規定されています。そのほか、『アイスミルク』が10%以上、『ラクトアイス』が3%以上、『氷菓』がそれ以下と分類されています」

Q.ラクトアイスは体に良くないと聞きますが、本当なのでしょうか。

桜井さん「先述のように、アイスクリームとラクトアイスとでは、乳固形分の割合が異なります。では、どのようにしてアイスのような食感を再現しているのかというと、マーガリンなどに多く含まれている『トランス脂肪酸』のほか、乳化剤などの食品添加物を加えています。

トランス脂肪酸は食品への使用を規制している国もあるほどで、脳卒中やがんなどの病気を誘発する危険性があると指摘されています。また、一度摂取すると体に蓄積されるようになり、生活習慣病へのリスクが高まる体になってしまうという点も注意したいポイントですね」

Q.トランス脂肪酸をできるだけ蓄積させないようにするには、どうしたらよいのでしょうか。

桜井さん「基本的には、トランス脂肪酸が多く含まれる食品を摂取しないのが無難です。例えば、塩分を取り過ぎてしまった場合、カリウムが豊富に含まれる食べ物を摂取すると、余分な塩分を体の外に排出する効果が期待できます。

ただ、食品添加物による体への影響は、他の食品で緩和することはできません。そのため、体への影響を考えると『避ける』というのが一番手っ取り早い方法です」

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 普段、アイスを食べる人は多いと思いますが、内容成分の割合によって商品表示に違いがあるということをご存じでしたか。近年、トランス脂肪酸は体にさまざまな影響があるといわれており、アイスの食べ過ぎには注意した方がよいかもしれません。

オトナンサー編集部

「ラクトアイス」「アイスクリーム」の違いは?