ミュージカル「シェルブールの雨傘」の初日前あいさつ・ゲネプロ公開が11月4日に東京・新橋演舞場にて行われ、主演を務めるSixTONES・京本大我の他、共演の朝月希和、井上小百合、渡部豪太、春野寿美礼が登壇した。

【写真】SixTONES・京本大我、主演ミュージカルの意気込みを語る

■10年ぶりに新たなキャストと演出で上演

同作は、1964年に公開されたジャック・ドゥミ監督の映画で、せりふも含め全編が音楽のみで構成された表現と作品性が高く評価され、「第17回カンヌ国際映画祭」でグランプリ(現在のパルム・ドール)を受賞。映画音楽界の巨匠、ミシェル・ルグランが紡ぐ美しい旋律に乗せて描かれた作品で、1983年に日本で舞台化され、これまでさまざまなキャストで再演が重ねられてきており、この度10年ぶりに新たなキャストと演出で上演される。

■京本が意気込みを語る「大事に大事に演じ切りたい」

主人公・ギイ役の京本は、「お話を頂いた時は、とても大人な恋愛という印象を受けて、まだ僕には早いんじゃないかなと感じたんですけど…」と明かしつつ「これまで井上芳雄さんだったり坂本(昌行)くんだったり、名だたる先輩方がこの作品を大事に大事に演じてこられましたので、僕もプレッシャーに打ち勝ち、これからもこの作品のバトンをつないでいけるように、大事に大事に演じ切りたいと思っております」と意気込んだ。

ジュヌヴィエーヴを演じる朝月は「稽古が始まった時は、プレッシャーを感じてしまって怖くなってしまった」と本音を吐露。「そんな時に京本さんを始め、共演者の皆さんの歌とお芝居、すごくバイタリティー溢れる姿を拝見して『こんなんじゃダメだな』と自分を奮い立たせることができて、本当に皆さんに引っ張っていただいて、私は今ここに立つことができています」と感謝を伝えた。

■「せりふが一つもない」「水が流れていくように進んでいく作品」

マドレーヌ役の井上は「この作品はせりふが一つもなく、すごく難解な楽曲でずっと紡がれています。カンパニー一同すごく苦労しながら紡ぎ上げてきたので、注目して見ていただきたい」と作品の魅力を。

さらに「いろんな選択肢、タイミング、人とのご縁、出会いと別れがあるけれども、その中で人が誰かを好きになったり思い合ったりってすごく奇跡的なことだなと。さらに一緒にいれるかどうかって、すごく難しいなって思うんですけど、私演じるマドレーヌは、恋と愛の違いみたいなものを伝え続ける存在なのかなと思っていて。結婚と恋愛は違うとよく言いますけど、彼女はすごく愛を持って行動できる女性だなと思います」と役どころを語った。

カサール役の渡部は、「人と人とがつながって愛を育むというのは、本当に一期一会で大変だなということを、今井上さんのお話を聞いて思いました」とコメント。

続けて「本当にあっという間に、水が流れていくように進んでいく作品で、皆さんの心に音楽が刺さっていくと思います。本当に素晴らしい音楽、素晴らしいキャスト、素晴らしいスタッフがそろって初日を迎えられることが本当にうれしいです」と喜びを伝えた。

■初日を迎え「夢中で夢中で日々を駆け抜けてきました」と振り返る

エムリ夫人を演じる春野は、「『シェルブールの雨傘』は、映画でも音楽でも世界中の人に知られていてとても有名な作品です。そんな作品を私たちが、新橋演舞場で初日を迎えさせていただきます」とあいさつ。「音楽に乗せて物語が進んでいくので、とても心地よい気分でご観劇いただけるのではないかなと思っています」と期待をあおった。

さらに「舞台装置も凝っていますし、映像も使うし、照明もとてもきれいに演出してくださっています。そして、京本さんを始め、本当に個性豊かな魅力あふれる共演者の皆さんがそれぞれ役を演じますので、楽しんでいただけるのでは」と見どころを語った。

最後に、京本は「この作品は全編音楽ということで、きっとなかなかその経験をされたことがある出演者の方も少ないんじゃないかなと思いますので、皆さんの、僕も含めたたくさんの挑戦が詰まった作品です」とコメント。

「稽古期間、1日1日と向き合っていたらあっという間にこの日を迎えてしまったという感じで、果たしてどこまで自分が準備できているのか、この作品がどう届くのかも俯瞰で見られないくらい、夢中で夢中で日々を駆け抜けてきました。ただ言えるのは、荻田(浩一)さん始め、たくさんの方に支えられてこの作品を届けられるという自負もありますし、とにかく、本当に美しくすてきな、だけど人間味も詰まった作品になっていますので、一人でも多くの人に見ていただき、作品の深いメッセージや思いが伝わればいいなと思っています」と再度アピールし、あいさつを締めくくった。

ミュージカル「シェルブールの雨傘」は、11月4日〜26日(日)に東京・新橋演舞場12月3日(日)~10日(日)に大阪松竹座、12月14日(木)〜16日(土)に広島文化学園HBGホールにて上演予定。

ミュージカル「シェルブールの雨傘」初日前あいさつに登壇したSixTONES・京本大我ら/※ザテレビジョン撮影