世界屈指のスターとなっている井上(左)に、挑戦状を叩きつけたグッドマン(右)。(C)Getty Images

 規格外の“モンスター”に、挑戦状を叩きつけられた。

 ボクシングWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・井上尚弥(大橋)に対して、WBOとIBFの同級1位につけるサム・グッドマン(豪州)が「俺は動き続けたいんだ」と対戦を希望した。米スポーツ専門局『FOX Sports』のオーストラリア版が大々的に報じている。

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 日本が生んだ「怪物」が大一番を控えているのは周知の通りだ。来る12月26日に東京・有明アリーナでWBA&IBF王者マーロン・タパレスフィリピン)と4団体統一戦を予定しており、勝てば、史上2人目となる2階級での4団体統一王者となる。

 井上は来年も同級で戦う意向を示しているが、タパレス戦後にどうなるかは不透明だ。そうしたなかで、「イノウエは間違いなく4団体を統一する」と断言したグッドマンは、「俺は彼とやるうえで何も心配していない。長く待つこともないだろう」と鼻息を荒くした。

 もっとも、グッドマンも着実にスターダムをのし上がってきているホープだ。今年3月には元IBF同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)を、6月には「怪物を退治する男は俺だ」と井上戦を見据えていたライース・アリーム(米国)に、いずれも判定勝ち。プロキャリアでの成績も16勝無敗(7KO)と圧巻だ。

 グッドマンには、母国メディアも太鼓判を押す。『FOX Sports』も「過去3度の試合でスーパーバンタム級のトップ5に入る選手を2人も破った勢いは本物だ。地球上で最も偉大なファイターであるイノウエとの世界タイトルをかけた超大作の対決に活かそうと考えるのは必然だ」と紹介している。

 まさに意気衝天といった感じの25歳は「(タパレス戦後に)イノウエが何をするか誰にもわからない。俺たちは待って様子を見る」とコメントしたうえで、こう意気込んでいる。

「彼については、毎日のように新しい噂を耳にするよ。すぐにタイトルを返上するとか、1度、もしくは2度の防衛戦をするとかね。だから正直言って、今は俺にもわからない。でも、俺は動き続けていきたいんだ。そうすれば、世界タイトルのチャンスが来た時、準備ができているだろう。他人に自分のキャリアを左右されるつもりはない」

 さらなる飛躍を目指し、「打倒・怪物」を宣言したグッドマン。はたして、彼の望みは叶うのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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