快投を披露した山本への評価は増々上がっている(C)Getty Images

 11月4日に行われた日本シリーズ第6戦、オリックス阪神を5-1で下し、対戦成績を3勝3敗とした。オリックス先発の山本由伸が9回を投げ抜き138球、1失点、シリーズ記録となる14奪三振の快投を繰り広げ、連続日本一へ望みを繋いだ。

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 チームの窮地を救う、エースのピッチングだった。2回には阪神のノイジーに先制ソロ本塁打を浴び、4回までに6本のヒットを許すも、要所を締めながら最少失点にとどめ、自身の投球のギアを上げていった。7回を終え奪三振数を2桁に乗せると、8・9回でも4人を三振に斬って獲るなど球威は最終イニングまで落ちなかった。味方の攻守にも助けられながら阪神打線を抑え込み、日本一へ逆王手に持ち込んだ。

 シリーズ終了後にはポスティングによるメジャー移籍が確実視されており、米球界からの注目の的となっている右腕の、この日の投球内容は瞬く間に海の向こうにも伝わったようだ。ゲーム終了後、メジャー公式サイトも、この日の山本のピッチングをレポートしている。

 同サイトでは「今オフ、ショウヘイ・オオタニ以外で最も注目されるフリーエージェントは誰か?それはヨシノブ・ヤマモトかもしれない。この25歳の投手は土曜日の日本シリーズ第6戦でまさにその理由を示した」と報じている。

 また、「ヤマモトは試合が進むにつれて力強くなっていったように見えた」として、尻上がりに調子を上げていったと全体の投球内容を評した。

 さらに、「過去3シーズン日本で最も輝いた投手にふさわしいパフォーマンスだった」と賛辞を贈りつつ、「土曜日の試合はヤマモトにとって順風満帆なものではなかった。彼は最初の数イニングで何度もピンチをしのいだ」と失点を喫した2回を含む前半のピッチングにも言及。「4回には、2死1・2塁からチカモトが右中間深くに打球を飛ばしたが、モリのグラブのおかげで無傷だった」として、ピンチを脱した森友哉の好捕を振り返っている。

 その上で「ヤマモトは4回を切り抜けると、主導権を握った」と中盤から復調したと綴っており、「90マイル台後半のフォーシームに加え、90マイル台前半のスプリッター、レインボーカーブ、80マイル台後半のスライダーで阪神打線を切り裂いた」とその後のピッチングを称賛した。

 そして今回のトピックは来シーズンへの期待を記し、締め括られている。

「来春、この魅力的なレパートリーメジャーリーグのマウンドで見られるだろう」

 土俵際に立たされたチームに、再び勢いをもたらす見事なピッチングだった。海外からも熱視線を送られる背番号18のこの日のパフォーマンスは、プロ野球ファンの記憶に深く刻まれることとなるはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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