ウィリアム皇太子が第3回「アースショット賞(Earthshot prize)」授賞式に出席するため、単独でシンガポールに到着した。チャンギ国際空港の複合施設「ジュエル」に姿を現わしたスーツ姿の皇太子は、集まった多くの群衆から熱い歓迎を受けた。皇太子は人々と写真撮影や会話などで交流する中、母親に抱かれた赤ちゃんに指を握られ、微笑み合うという心温まる場面もあった。キャサリン皇太子妃は、長男ジョージ王子の重要な試験週間と重なったため、英国に留まり、授賞式の出席は見送ったという。

ウィリアム皇太子が現地時間5日午後5時半頃、シンガポールチャンギ国際空港に到着した。皇太子は7日に開催する第3回「アースショット賞」授賞式に出席するため、4日間にわたりシンガポールに滞在する予定だ。

チャンギ空港には、2019年に「ジュエル」という巨大複合施設が増設された。この施設は建築・デザインと自然が融合した地上5階・地下5階の計10階の建物で、ショッピング街やレストラン街のほか、屋内ガーデンには40メートルの高さを誇る世界最長の人工滝が設置されている。

この日ネイビーブルーのスーツを着たウィリアム皇太子が人工滝の前に姿を現わすと、群衆が熱烈な歓迎ぶりを見せた。英メディア『ITV』『Daily Mail Online』などによると、人々は手作りのポスターを掲げたり、英国旗を振るなどして、大きな歓声をあげていたという。

ウィリアム皇太子は、出迎えたシンガポールのシム・アン外務担当兼国家開発担当上級国務大臣に「ジュエル」を案内されながら、集まった多くの人々との写真撮影に応じたり、子どもたちと会話するなどして交流を楽しんだ。その中では、皇太子が母親に抱かれた生後8か月の赤ちゃんに指を握られて微笑み合うという心温まる場面もあった。

ウィリアム皇太子は到着後「今年のアースショット賞授賞式のために、11年ぶりにシンガポールに戻ってくることができたのは素晴らしいことです」と感激を述べると、こう続けた。

「環境革新のリーダーになるというシンガポールの大胆なビジョンは、他の国々が後に続くための基準となります。今週、我々を受け入れてくれたシンガポールの人々に感謝しています。」

そして、緑の木々に囲まれた「ジュエル」の屋内ガーデンに言及し、「今年のアースショット賞のファイナリストを祝うにあたり、この場所で行われた素晴らしい活動からインスピレーションを得ましょう」と述べた。

2020年10月にウィリアム王子(当時)がローンチした「アースショット賞」は、1960年代にジョン・F・ケネディ大統領が米国の宇宙開発計画を支援するために行った「ムーンショット」計画に着想を得たプロジェクトだ。

アースショット賞」は「自然を守り、回復させる」「気候を改善する」「大気を浄化する」「海を再生させる」「ゴミのない世界を築く」という5つのテーマを目標としている。今後10年間にわたり、毎年5団体(または個人)に各100万ポンド(約1億8500万円)の賞金が授与され、2030年までに少なくとも50、世界最大の環境問題の解決策を提供する。

同授賞式は2021年にロンドンで初開催され第2回は2022年に米ボストンで開催されたキャサリン皇太子妃は2年連続で出席したが、今年は長男ジョージ王子(10)の重要な試験週間と重なったため、英国の自宅に留まることにした。

現在ジョージ王子は小学校6年生で、英バークシャー州にある名門私立学校「ランブルック・スクール(Lambrook School)」に通っている

6月には王子が両親とともに名門「イートン校」を訪れる姿が目撃されており、正式な発表はないものの、今回の試験は同校への入学に関連するのではと囁かれている。同校の公式ウェブサイトによると、13歳以上からの入学を希望する生徒は、6年生の秋学期に1次試験にあたるプレテストを受ける必要があると記されている。

ウィリアム皇太子は今月2日、キャサリン皇太子妃とともにスコットランドを公式訪問し、夫婦でマウンテンバイクのセッションに参加するなど、忙しい一日を過ごしたばかりだった。

画像は『The Prince and Princess of Wales 2023年11月5日付Instagram「Wonderful to see you all this evening, singapore!」、2023年11月5日付Instagram』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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