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テレビ朝日が主催する音楽フェスティバル「テレビ朝日ドリームフェスティバル2023」が11月3日から5日にかけて千葉・幕張メッセ国際展示場1~4ホールで行われた。

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今年12回目の開催で、4年ぶりの声出し解禁となった「テレビ朝日ドリームフェスティバル」。3日は新しい学校のリーダーズKing & Prince東京スカパラダイスオーケストラNovelbright緑黄色社会WANIMA、4日はいきものがかり、SUPER BEAVER、NEWS、PUFFY、BE:FIRST、羊文学が出演し、多彩なパフォーマンスを繰り広げた。5日のみ「テレビ朝日ドリームフェスティバル2023×Perfume FES!!」と題したPerfumeとさまざまなアーティストとの対バンライブが展開され、ピエール中野(凛として時雨)によるオープニングDJを経てPerfumeきゃりーぱみゅぱみゅ、GENERATIONS from EXILE TRIBE、女王蜂スキマスイッチマキシマム ザ ホルモンと競演した。この記事では初日にあたる3日公演の模様をレポートする。

新しい学校のリーダーズ

例年通り、各日タイムテーブルの事前発表はなく、オーディエンスはお目当てのアーティストの登場を今か今かと待ち構える。期待感が渦巻く「ドリフェス」初日のトップバッターを飾ったのは、新しい学校のリーダーズチャイムの音がライブの始まりを告げると、彼女たちはエレクトロチューン「Tokyo Calling」で矢継ぎ早に言葉を紡ぎ、存在感を見せつける。続く「最終人類」ではアクロバティックなパフォーマンスで観客の視線をさらった。

騎馬を組んで挨拶したあと、SUZUKAは集まった観客の声援に耳を傾け「ナイスエナジーですね」とにっこり。「Pineapple Kryptonite Remix」に合わせ学ラン姿でハードなダンスを繰り広げると、会場の熱気は瞬く間に上昇していった。学ランを艶めかしく脱いでいつもの制服姿になると、SUZUKAは「いやらしい気分になってきたわー。ディスコに行って踊りたい気分。ドリフェスのみんな、私って大人っぽいー? 首を振りたくなってきちゃったわー」と客席を見渡す。そしてサビの“首振りダンス”で大きな話題となった「オトナブルー」へ。SUZUKAはいっそう艶っぽく、MIZYU、RIN、KANONは時折笑顔を見せながら歌声を届けた。プリーツスカートをはためかせながら、最後に「迷えば尊し」を歌ったリーダーズ。4人は「下校!」という言葉を合図に花道を駆け抜け、トップバッターの役目を終えた。

Novelbright

ストリングスを交えた鮮やかな音色が織りなす「El Dorado」に合わせ、無数のレーザー光線が走る中、次にステージに立ったのは「ドリフェス」出演2回目となるNovelbright。彼らは1曲目にふさわしい「開幕宣言」で勢いよくライブの火蓋を切った。その後の「Sunny drop」では、竹中雄大(Vo)の持ち味とも言える突き抜けるようなボーカルがホールに轟き、「seeker」では緻密なアンサンブルと竹中の力強いロングトーンでオーディエンスを圧倒した。竹中が「“食事チャンス”かもしれなかったけど、Novelbrightを観てくれてありがとう」と感謝を伝えたのち、5人はアコースティックギターを基調としたオーガニックなサウンドの「愛とか恋とか」で温かなムードを演出。Novelbrightの原点とも言える「Walking with you」で壮大なサウンドスケープを描き、最後までロックバンドとしてのストイックな姿勢を見せた。

緑黄色社会

緑黄色社会のライブは、peppe(Key)のきらびやかなキーボードが印象的な「サマータイムシンデレラ」でスタート。「Landscape」で瑞々しいサウンドが紡がれ、場内にさわやかな空気をもたらした。さらに、映画「映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝」の主題歌として話題を呼んだポップチューン「陽はまた昇るから」や、哀愁を感じるバラードソング「マジックアワー」をパフォーマンスし、豊かな表現力を示したリョクシャカ。「まだまだ元気出せますか?」という長屋晴子(Vo, G)の煽りをきっかけに披露された「Mela!」では、長屋の力のこもったアカペラや、メンバーによるアグレッシブなソロプレイが展開され、会場は大きな歓声に包まれた。熱気が冷めやらぬ中、メンバーはスリリングなロックチューン「花になって」、ピースフルなムードの「キャラクター」を届け、多彩な魅力で聴衆を惹き付けた。

東京スカパラダイスオーケストラ

後半に突入すると、そろいのピンクスーツを着た東京スカパラダイスオーケストラが登場。谷中敦(Baritone Sax)がボーカルを務める「Glorious」を1曲目に披露し、会場を陽気なムードに染め上げる。「居心地の悪い世の中ですけど、音楽が鳴ってる間は思いっきり幸せを感じてほしいよ!」という谷中のメッセージから、「会いたいね。゚(゚´ω`゚)゚。」に移ると、茂木欣一(Dr)がタフなビートを刻みながら、弾ける笑顔で歌唱。モンキーダンスで盛り上がった「スキャラバン」のあとには、代表曲の1つ「DOWN BEAT STOMP」のご機嫌なサウンドに乗せて、オーディエンスが何度もジャンプした。過去の「ドリフェス」でも演奏された「メモリー・バンド」が届けられると、ホールの空気が一変。出会いと別れを描いた同曲の優しい世界観に、観客がじっくりと浸っていた。ここでサプライズゲストとして姿を現したのは、トロンボーンを手にしたピンクスーツ姿の長屋晴子。スカパラは「青い春のエチュード」「Paradise Has NO BORDER」で長屋とコラボレーションし、北原雅彦(Tb)と長屋がトロンボーンの音を重ねると、場内は歓喜の声に満ちあふれた。エンディングでは、長屋が勢いあまって転倒するハプニングもあったが、スカパラも長屋も充実感に満ちた表情で、舞台をあとにした。

WANIMA

開演から4時間が経過し、疲労が溜まってきたであろう観客に向けて「幕張にWANIMAがやってきたぞー!」「たった40分やけど声がちぎれるくらい歌うからな!」と叫ぶKENTA(Vo, B)。その宣言通り、WANIMAは1曲目の「眩光」でありったけのエネルギーを放出する。「THANX」を通じて感謝を送ったあとには、「oh!? lie! wrong!!」「チェダーフレイバー」といったダンスチューンを畳みかけ、客席に興奮の渦を巻き起こした。キラーチューン「BIG UP」でさらなる熱気を呼び込んだWANIMAだったが、KENTAは40分という持ち時間について「時間が足りん! どうすることもできん!」とジタバタ。出身地である熊本への思いが込められたバラードソング「りんどう」でWANIMAの出番はドラマチックなラストを迎えるかと思われた。しかし、メンバーは時間がオーバーしていることを自覚しつつ「もうドリフェス出れないかもしれないけど仕方ない!」と腹をくくって、もう1曲「夏暁」を披露。真摯に音を鳴らし続けたWANIMAに向けて、大きな拍手が贈られた。

King & Prince

初日のトリを務めたのは音楽フェス初出演のKing & Prince。彼らの登場を待ち望むファンの“キンプリコール”がホール内にこだまする。デビュー曲「シンデレラガール」でライブを始めた永瀬廉と高橋海人は、「なにもの」の柔らかなハーモニーと息ぴったりのダンスでオーディエンスを魅了。高橋は「フェス初心者なんですけど、顔と名前と歌と振付だけでも覚えて帰ってください(笑)」と茶目っ気たっぷりに呼びかけた。

ビッグバンドテイストの「踊るように人生を。」、ディスコチューン「Funk it up」をバックダンサーとパフォーマンスし、華やかなステージを展開するKing & Princeティアラ(King & Princeファンの呼称)の間では高い人気を誇る「Love Paradox」で永瀬と高橋がステージを降りて客席の間を移動すると、ファンは絶叫。2人はそれぞれトロッコに乗り込んで「Super Positive!」「Key of Heart」を歌い、より近い距離でファンとの交流を楽しんだ。

ほぼノンストップで楽曲を届けた永瀬は「我々、フェスが初めてなんですよね」と切り出し、高橋は歌い慣れた「シンデレラガール」の歌い出しを忘れるほど緊張していたと明かす。そして、彼らは11月8日リリースのニューシングルからピアノバラード「愛し生きること」、エレクトロダンスチューン「MAGIC WORD」を初披露。炎や花火が噴き出すド派手なステージの上で「CHASE iT DOWN」をパワフルに歌い踊った2人は、挑発的なダンスナンバー「ichiban」でも高いダンススキルを見せつけ、さっそうと舞台を去った。

3日間にわたる「テレビ朝日ドリームフェスティバル2023」の模様は、2024年1月にCSテレ朝チャンネル1で放送される。

セットリスト

「テレビ朝日ドリームフェスティバル2023」 2023年11月3日 幕張メッセ国際展示場1~4ホール

新しい学校のリーダーズ

01. Tokyo Calling
02. 最終人類
03. じゃないんだよ
04. 狙いうち(オリジナル:山本リンダ
05. Pineapple Kryptonite Remix
06. オトナブルー
07. NAINAINAI
08. 青春を切り裂く波動
09. 迷えば尊し

Novelbright

01. 開幕宣言
02. Sunny drop
03. seeker
04. 愛とか恋とか
05. 面影
06. ツキミソウ
07. Morning Light
08. Walking with you

緑黄色社会

01. サマータイムシンデレラ
02. Landscape
03. 陽はまた昇るから
04. マジックアワー
05. Shout Baby
06. Mela!
07. 花になって
08. キャラクター

東京スカパラダイスオーケストラ

01. Glorious
02. 会いたいね。゚(゚´ω`゚)゚。
03. スキャラバン
04. Can't Take My Eyes Off You -君の瞳に恋してる-
05. DOWN BEAT STOMP
06. メモリー・バンド
07. 青い春のエチュード feat. 長屋晴子
08. Paradise Has NO BORDER feat. 長屋晴子

WANIMA

01. 眩光
02. THANX
03. Oh!? lie! wrong!!
04. Cheddar Flavor
05. Chasing The Rainbow
06. BIG UP
07. りんどう
08. 夏暁

King & Prince

01. シンデレラガール
02. なにもの
03. 名もなきエキストラ
04. 踊るように人生を。
05. Funk it up
06. Love Paradox
07. Super Positive!!
08. Key of Heart
09. koi-wazurai
10. 愛し生きること
11. MAGIC WORD
12. 恋降る月夜に君想ふ
13. I promise
14. TOGETHER WE STAND
15. CHASE IT DOWN
16. ichiban

※高橋海人の高は、はしご高が正式表記。

※記事初出時、本文中に誤字がありました。お詫びして訂正します。

「シンデレラガール」をパフォーマンスするKing & Prince。(c)テレビ朝日ドリームフェスティバル2023 / 写真:岸田哲平