人気アニメ「東京リベンジャーズ」(毎週火曜深夜0:00-0:30ほか、テレビ東京ほか/ディズニープラスで定額制見放題独占配信)の“天竺編”。10月31日に放送された第42話「A bad hunch」では、マイキーとエマの兄妹の絆が描かれる一方、そんな2人を引き裂くあまりに辛い展開が待ち受けていた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】マイキー(CV:林勇)におぶわれ病院へ向かうエマ(CV:内山夕実)

東京リベンジャーズ「天竺編」とは

アニメ「東京リベンジャーズ」は、「週刊少年マガジン」(講談社)にて連載された和久井健の人気コミックを原作としたタイムリープサスペンス。人生どん底のダメフリーター・花垣武道(CV:新祐樹)が突如目覚めたタイムリープ能力で12年前に戻り、中学時代の恋人・橘日向(CV:和氣あず未)が不良集団「東京卍會」に殺されるのを阻止しようと奔走する姿を描く。

実写映画化もされた人気作で、TVアニメは「8・3抗争編」「血のハロウィン編」が2021年4月から9月、「聖夜決戦編」が2023年1月から4月まで放送された。その続編となる「天竺編」が10月3日にスタート。「天竺編」では、“無敵のマイキー”こと佐野万次郎(CV:林勇)率いる東京卍會と黒川イザナ(CV:島崎信長)率いる天竺の間で勃発した、東京卍會最大にして最後の抗争“関東事変”が描かれる。

■不安に包まれる東卍メンバーをマイキーが鼓舞

ムーチョ(CV:小野大輔)は“S62世代”で天竺の創設メンバー。つまり、鶴蝶(CV:山下誠一郎)が武道に忠告した“裏切り者”はムーチョだった。イザナが「最強の“犯罪組織”」を創るため、ココ(CV:花江夏樹)の金をつくる力を求めていることを知った武道は、ココを天竺に渡さないことが勝機に繋がると確信。マイキームーチョの裏切り行為を報告し、壱番隊はココ奪還に務めることを宣言した。

問題はいつ天竺が攻めてくるか。マイキーがイヌピー(CV:榎木淳弥)に見解を聞くと、イザナが心酔する初代黒龍が誕生した2月22日の可能性が高いという。その日は、明日に迫っていた。当日、対天竺の緊急集会が開かれるが、バイクで集会に向かっていたナホヤ(CV:河西健吾)と三ツ谷(CV:松岡禎丞)が天竺の襲撃を受けて意識不明に。各隊の隊長がほぼ全滅になったことで、追い詰められた東卍のメンバーは武器を持って奇襲をかけようとする。

そんな彼らを冷静にさせたのが、ペーやん(CV:野津山幸宏)だ。腹心であるパーちん(CV:木村昴)が長内(CV:竹内栄治)をナイフで刺して捕まり、自身も汚い手を使ってドラケン(CV:福西勝也)を襲った。そんな自分に「オレは仲間(オマエ)と争いたくないんだ」と言ってくれたマイキーに、今度こそ認められるような“恥じない喧嘩”をしたいと宣言するペーやん。

そこに、マイキーが「この戦い 後ろに隊長は一人もいねぇ 俺だけでいい!」と力強い言葉で彼らを鼓舞する。さすがは総長。ピンチの時でも一切動じぬ姿勢で、天竺との抗争を前に不安に揺れるみんなの心を一つにした。だが、天竺はそんなマイキーの心を打ち砕こうとしていたのである。

マイキーマイキーになった理由とは

東卍と天竺の抗争当日。武道はイヌピーと、黒龍十一代目総長になったことを報告するため、真一郎(CV:松風雅也)のお墓参りに行く。そこに続々と現れるのが、イザナマイキー、エマ(CV:内山夕実)の3人。兄妹が全員同じ場所に集った。

「今夜20時 横浜第7埠頭に 東卍総動員で来い」とマイキーに告げるイザナ。対峙する2人の姿を、少し離れた場所から見ていたエマは武道にマイキーへの思いを語る。どんな時でも弱い顔を見せない無敵のマイキー。しかし、エマは使い古したタオルケットを握りしめていないと寝られないマイキーの弱いところを知っていた。

「どっかで張りつめた糸が切れちゃった時 その時は ウチが絶対マイキーを助けてあげるんだ!」

佐野万次郎が“マイキー”になった理由。それは名前が外国人のようなエマのためだった。母親が自身を祖父のもとに預けたきり、迎えにきてくれないことでさみしい思いをしていたエマはそんなマイキーに救われたのである。だからこそ、エマはマイキー心が折れた時は必ず支えになることを決めていた。

■武道の悪い予感が的中、視聴者は阿鼻叫喚

そんなエマの話を聞くうちに、武道はある違和感を覚える。それは、エマという心の拠り所があるにもかかわらず、現代のマイキー闇落ちしていること。「…エマちゃんって現代にいたっけ?」。武道の悪い予感は悲しくも的中する。

武道とエマが話しているところに、バイクに乗った稀咲(CV:森久保祥太郎)が襲来。その手には金属バットが握られており、自分が襲われると思った武道は身構える。しかし、稀咲が狙ったのはエマだった。

次の瞬間、武道が見たのは頭から血を流して倒れているエマの姿。一気に心拍数が上がり、困惑する頭で武道は思う。「結局 何も 変わらなかったのは これだ」と。稀咲の狙いはマイキーからエマを奪い、孤独にさせること。そうしてマイキーを取り込み、自分に都合の良い東卍を作るためだ。

「終わりだ 花垣武道」

マイキーは最初こそ冷静を保ち、エマをおぶって病院まで連れて行こうとしていた。しかし、一瞬目を覚ましたエマが「ドラケンに伝えて ケンちゃん 愛してる って」「タケミっち… マイ…キーを おねがい…ね?」とまるで最後の言葉を伝え始めると、動揺を隠せなくなるマイキー

そして、背中にいるエマがどんどん冷たくなっていくのを感じると、その目は次第に色を失っていく。こんなマイキー、見たことがない。皮肉にも、マイキー心が折れた時は支えになると決めていたエマは、その時いなかった。あまりに辛い展開にSNSでは「エマちゃん…嘘やろ…」「マジでキサキ許さん」「マイキーがこんなに混乱してんの初めてだ」といった阿鼻叫喚の声が集まっている。また、第42話は本編の内容に合わせて、EDの映像もエマを中心とした特別ver.となった。

今夜11月7日(火)放送の第43話では、取り返しのつかない惨劇に武道らの行方に注目が集まる―――。

島崎信長の崎は正しくは「たつさき」

■文/苫とり子

アニメ「『東京リベンジャーズ』天竺編」第42話が放送/(C)和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会