性の多様性「LGBTQ+」についての人々の認識が高まる中、西アフリカセネガルでは、亡くなった男性が同性愛者だったことから、地元住民が正気の沙汰とは思えない行動を取った。男性の遺体は墓から掘り起こされ、群衆の見ている前で焼き払われたという。英ニュースメディア『Metro』などが伝えている。

アフリカの西海岸に位置するセネガル共和国のカオラック州カオラックで現地時間10月28日の夜、炎が燃え上がる遺体を数百人が取り囲んでいる映像が撮影された。英ニュースメディア『Metro』によると、遺体は最近亡くなったチーク・フォールさん(Cheikh Fall、31)で、動画が撮影される前日に墓に埋葬されていたという。

ところがチークさんは亡くなった後、同性愛者だったことが地元で公となり、激怒した地元住民によって墓から遺体が掘り起こされ、群衆の前で焼き払われてしまった。フランスのニュースメディア『Libération』によると、亡くなったチークさんの家族は、地元から離れたイスラム教の聖地とも言われるジュルベル州トゥーバに彼の遺体を埋葬しようとしたそうだ。

しかし、チークさんが同性愛者だったという情報が伝わり、埋葬を断られてしまった。家族は自宅近くに埋葬しようとしたがチークさんの噂は近隣住民の耳に入り、埋葬を反対されてしまったのだ。結局、10月27日の夕方、近隣住民に知られないようにカオラックの「レオナ・ニアッサンヌ墓地」にチークさんの遺体を埋葬した。

だが翌28日の夜、地元に住む数人の男によって遺体は掘り起こされ、焼き払われてしまった。SNSで拡散されている動画には、炎が上がるチークさんの遺体を群衆が取り囲み、歓声をあげる様子が映っている。中には物を投げつけて、踊り出す者までいた。

そして翌29日、検察当局は事態を重く見たセネガルの司法当局が捜査を開始したと発表し、30日にはこの事件に関与した4人が逮捕された。フランスのニュースメディア『Paris Match』によると、人口の90パーセントがイスラム教徒というセネガルでは、同性愛が「悪しき行為」とみなされているという。また、特定非営利活動法人「アフリック・アフリカ」によれば、1966年に制定されたセネガルの刑法第319条には、「同性の個人と性行為、あるいはわいせつ行為をした者に1年から5年の実刑判決、および10万から150万CFAフラン(約2万4000円~約36万8000円)の罰金を科す」と明記されているそうだ。

しかし、今回の地元住民の行為は明らかに死者に対する冒涜であり、敬意に反する野蛮な行為だとして多くの人が強い嫌悪を示したようだ。また、人権擁護団体の「アムネスティ・インターナショナル」の現地支部は、「セネガル人権連盟」および「アフリカ人権擁護会議(RADDHO)」という2つの人権団体とともに、今回の事件を激しく非難する声明を発表している。

画像は『SheX Sonko2024 2023年10月28日付X「Wadjia ngui」』『New York Post 2022年1月31日付「Woman comes out as gay 6 years into marriage but stays with husband: ‘He’s my soulmate’」(Kennedy News and Media)』『Metro 2021年11月24日付「Santa Claus bags himself a boyfriend in the most sensational Christmas TV advert of the year – prepare to weep」(Picture: Posten)、2021年10月2日付「Married couple become throuple after wife falls in love with her gym buddy」(Picture: Jam Press/Freie Nutzung)』『The Mirror 2021年11月17日付「Married lesbian denied hysterectomy ‘in case future male partner wants children’」(Image: mediadrumimages.com/RachelChamp)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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