わざと公表する狙いは?

異例の発表はイランに向けて?

アメリカ中央軍司令部は2023年11月5日巡航ミサイル潜水艦発射弾道ミサイルSLBM)の発射機能を有するオハイオ級原子力潜水艦を中東方面へ配備したと発表しました。

国防総省が潜水艦の動向を公表することは、かなり異例のことで、しかも報告は中東地域を担当する中央軍の公式X(旧:Twitter)を利用して行われました。

CNN星条旗新聞などアメリカの各メディアは、今回の異例の発表は、中東での戦闘の拡大を防ぐための行動である報じています。

中東ではイスラエルとガザ地区を実効支配している、イスラム武装組織「ハマス」との間で戦闘が続いていますが、この戦闘にイランや同国が支援するイエメンのフーシー派などが積極的に介入することを、戦力を誇示し防ぐ狙いがあるようです。

オハイオ級には、巡航ミサイルである「トマホーク」のみを154基搭載したタイプと、SLBMを24其と「トマホーク」22基を搭載した二種類が現在就役していますが、中央軍は「オハイオ級」と発表したのみで、艦名までは公表していないので、どちらのタイプかは明らかになっていません。なおCNNでは、恐らく巡航ミサイル発射タイプの方であろうと予想しています。

※一部修正しました(11月08日19時50分)。

アメリカ中央軍がXに投稿したオハイオ級原子力潜水艦の写真(画像:アメリカ中央軍)。