山本由伸

オリックスと阪神によるプロ野球日本シリーズが5日、阪神の4勝3敗で幕を閉じた。オリックスは2年連続の日本一を目指していたが、関西ダービーに敗れその座を逃している。

 

■SMBC日本シリーズ2023 10.31-11.5結果

対 阪神タイガース

兵庫・阪神甲子園球場
10月31日
オリックス(東)5-4(伊藤将)阪神●
11月1日
オリックス(山崎福)3-4×(才木)阪神○
11月2日
オリックス(田嶋)2-6(大竹)阪神○

大阪・京セラドーム大阪
11月4日
オリックス(山本)5-1(村上)阪神●
11月5日
オリックス(宮城)1-7(青柳)阪神○

※(カッコ)内は先発投手
※通算オリックスの3勝4敗で阪神が日本一となる。

 

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■強行出場した日本シリーズ

杉本裕太郎頓宮裕真紅林弘太郎森友哉といった主軸のコンディションが万全ではない中、日本シリーズに強行出場。

とくに甲子園から出場した杉本はDH制ではないため、レフトの守備につく必要があり、負傷している足首の痛みを抱えながら出場。守備や走塁は誰が見てもわかるぐらいに痛々しかったが、チームを日本一に導くため戦い抜いたのはさすがである。

 

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■満身創痍でのプレー

またシーズン終盤を怪我で棒に振った首位打者の頓宮は、ブランクを感じさせない活躍で2本もホームランを放っている。

さらに手首の調子が芳しくなかった紅林も打率.400、1本塁打の大活躍で、敢闘賞を受賞している。足に不安を抱える森もライトの守備でスーパープレーを披露するなど、日本一には届かなかったが、第7戦まで持ち堪えたのが不思議なぐらい満身創痍の状態で全力を尽くした。

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■中嶋聡監督「信頼して出しました」

王手をかけられた第6戦には、初戦で自己ワーストタイとなる7失点でKOされたエース山本由伸が再登板。9回を138球、1失点で投げ切り、最終戦まで望みをつないでいる。

中嶋聡監督は「前回やられましたけども。山本由伸が2回連続でやられるわけがないと思って、 信頼して出しました」とエースへの信頼を口にしていたが、この日も山本は序盤の調子は決して良くはなかったものの、持ち前の修正力で乗り切っている。

山本も「6戦目まではもう1回回ってくるだろうなと思ったんで、とにかく集中して。やっぱり(自身が)2敗してしまうと、ほんとにもう負けになってしまいますし、今日とかとくにもう(優勝が)決まる試合だったんで、2敗目はつかないように集中してました」とこの試合にかける思いは強かったのだ。

 

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■メジャー挑戦の山本

日本シリーズ終了直後、オリックス球団は山本のポスティングシステムによるメジャー挑戦を承諾したと発表。

発表が異例のスピードとなったのは、数年間にわたって山本と球団がメジャー挑戦について話し合いを積み重ねていたことと、山本が3年連続投手4冠に輝くなど、チームをリーグ3連覇に導く活躍をしたのが大きい。

シーズン中にはメジャー9球団のスカウトが球場で熱視線を送っていただけに、どの球団が日本のエースを射止めるのか注目される。

 

■執筆者プロフィール

どら増田
どら増田:1973年神奈川県横浜市出身。幼い頃に初代タイガーマスクに衝撃を受けてからプロレスや格闘技を見続けている。同じく幼い頃から見ていたプロ野球は紆余曲折を経て2010年からオリックス・バファローズを応援。

音楽やエンタメ、グルメなどのイベントプロデュースの仕事をしていたが、2014年からスポーツライターの道へ。

横浜在住にもかかわらず京セラドーム大阪を中心にオリックスを現場取材する傍ら、新日本プロレススターダムRIZINなどプロレス・格闘技の現場取材をしつつ多媒体で執筆している。

2018年にはスカイAで放送されたオリックス山本由伸と当時はキックボクサーだった那須川天心の神童対談実現に尽力した。ペンネームの由来はレジェンドレスラー藤波辰爾ドラゴンから来ており、取材を通じて藤波本人から公認を貰っている。

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