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世界最速の「後進」を披露

クロアチアの自動車メーカーであるリマックは、ハイパーカーのネヴェーラで市販車の「後進」速度における世界新記録を樹立したと発表した。

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ネヴェーラは2021年に発表されたEV(電気自動車)で、今回ドイツATP自動車試験場で行われた記録挑戦走行では、リバースで最高速度275.74km/h (171.34マイル)を達成したという。

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後進速度記録に挑むリマック・ネヴェーラ   マック

ATPには長さ4kmのストレートが2本あり、メルセデス・ベンツフォルクスワーゲンなどのドイツ車メーカーが高速開発によく使用している。リマックによると、この場所が選ばれた理由は、以前ネヴェーラが「1日に20以上の加速とブレーキングの記録を更新した」場所だからだという。

ネヴェーラのチーフエンジニアであるマティヤ・レニッチ氏は「未知の領域」に足を踏み入れたとして、次のように語った。

「開発中、ネヴェーラはおそらく後進で世界最速のクルマになるかもしれないと思いましたが、そのときは笑い飛ばしていました。空力、冷却、安定性など、後進で高速走行するために設計されたものではなかったからです。しかし、やってみたら面白いのではないかという話になりました。シミュレーションの結果、240km/h以上は出せることがわかったのですが、安定性については見当がつきませんでした」

記録を打ち立てたネヴェーラは、これまでの記録挑戦車と同じグリーンとブラックのカラーリングをまとっている。テストドライバーのゴラン・ドルンダック氏は、「後ろ向きに、景色がどんどん遠ざかっていく。首を前に引っ張られる感覚は、強くブレーキを踏んだときとほぼ同じでした」と述べている。

ドルンダック氏は、バランスを崩さないようにステアリング操作を慎重に行ったり、ブレーキングポイントを意識したり、スピードに気を配ったりと、通常と異なるドライビングに苦心したという。

ネヴェーラには4基の電気モーターが各車輪の内側に取り付けられており、トラクション、安定性、そして「容赦ない加速」を実現するとされている。通常のギアは存在せず、モーターを単純に逆回転させることで今回の記録を達成した。

ネヴェーラはまた、最高出力1904ps、0-160km/h加速3.2秒、0-320km/h加速11秒弱という世界最速の量産EVとしても知られる。

ユーザーに納車される際、最高速度352km/hに制限されているが、リマック主催の特別イベントなど限られた条件下では、412km/hまで引き上げることができる。


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