上野樹里林遣都が、11月8日に都内で開催された映画「隣人X -疑惑の彼女-」の完成披露舞台あいさつに登場。脚本・演出・編集を務めた熊澤尚人監督と共に、お互いの印象や意外な一面について語った。

【写真】特製の「X」パネルの影からひょっこりと笑顔を見せる上野樹里&林遣都

■舞台は“惑星難民X”があふれる世界

「第14回 小説現代長編新人賞」を受賞したパリュスあや子の小説「隣人X」を原作とした今作の舞台は、紛争のため故郷を追われた“惑星難民X”があふれる世界。各国がその対処に苦慮する中、いち早く受け入れを発表したアメリカに追随するように、日本も受け入れを決定する。人間の姿をそっくりコピーして日常に紛れ込んだXがどこで暮らしているのか、Xは誰なのか、彼らの目的は誰も知らない。社会に不安や動揺が広がり、週刊誌記者の笹憲太郎(林)は、X疑惑の掛かった柏木良子(上野)の追跡を始める…という物語だ。

上野と林は今作が初共演。お互いの印象について、林が「本当にすてきな方で…お会いした初日から作品だったり役への取り組みが本当に格好良くて、第一印象でご一緒できるのが楽しみだなと」と語ると、上野は照れくさそうに「隣で聞いているのは緊張しますね(笑)。査定を受けているみたいな感じで」とはにかんだ。

それを受けて、林の印象を聞かれた上野は「最初のリハの時、何もないガランとした部屋なのに、(実際に撮影する)ロケーションの風景が見えてくるぐらい身体能力というか表現がすごくて」と絶賛。

続けて「私の役が割と柔和な、おとなしい女性なんですけど、笹(林)が記者なので内面に渦巻いている、締切に追われているハラハラ感と、それがちょっと恋心に変化してきてしまう感じ、ストレスと…演じている時は本当に大変だったと思うんです。でも、リハの動きを見てものすごく安心感がありましたし、2人のコントラストもすごくエッジがきいていて、しっとりした映画なんですけど、楽しんで見ていただけるものにきっとなるなと思いました」と、第一印象から林との演技に安心感を覚えたことを明かした。

■林、上野は「想像を超えてすごいなと思うことばかり」

また、作品のキャッチコピー「愛した人の本当の姿を、あなたは知っていますか?」にちなんで、共演して気付いたお互いの意外な一面についてもトークを展開。

上野は、林に対して「真面目だけど、いい意味で不良性を持っている方だなと。それがすごく魅力的だなと思いました。それを自制してというか、しっかりマネージして生きている感じ。でも、ふとした瞬間にすごいエネルギーを持っているものがバッと出たらどうなるんだろう…という魅力を持った人。たくさん話していく中で感じました」と話すと、熊澤監督も「分かります」と共感を示し、林は「ありがたいです」と、言葉をかみ締めていた。

そして林は「初めてでしたので、知らないことばかりで」と前置きし、「全てにおいて想像を超えてすごいなと思うことばかり。撮影現場でも人生相談みたいになっていて、(上野は)考え方がしっかりしていて参考になるなということばかり。撮影現場でもよく走ってらっしゃるし、ご飯もオールロケだったんですけど、自分で作って。いろんな常備食もやられているみたいで、私生活がしっかりされているのが、言葉とかお芝居とかにも現れている感じがして。先生というか…何だろう(笑)。取材でも言葉に重みがあって、お会いして得るものばかりですので、ご一緒できて良かったですね」と力を込め、演技力だけではない上野の内面の魅力を伝えた。

映画「隣人X -疑惑の彼女-」は、12月1日(金)より東京・新宿ピカデリー他全国ロードショー。

◆取材・文・撮影=月島勝利

映画「隣人X -疑惑の彼女-」の完成披露舞台あいさつに登場した林遣都と上野樹里(写真左から)/※ザテレビジョン撮影