実現したら時間短縮効果が凄いことになります。

整備効果や課題などを検討

大分県は2023年11月7日(火)、新長期計画の策定に向け、学識経験者などで構成する「大分県広域交通ネットワーク研究会」を設置することを明らかにしました。東九州新幹線や豊予海峡ルートなどの整備効果、課題などを検討していく方針です。11月20日(月)に大分センチュリーホテルで初会合が開かれる予定です。

東九州新幹線の基本計画ルートは、博多~大分~宮崎~鹿児島中央。博多発着という点をのぞいて、ほぼ日豊本線と同じルートです。この場合、小倉までは山陽新幹線と線路を共有することが想定されています。また、日田市や由布市を通る久大本線ルートも検討されており、大分県費用対効果の調査を行っているところです。

過去に「東九州新幹線鉄道建設促進期成会」が実施した調査結果によると、北九州~大分間は現在の1時間23分が31分(52分短縮)に、大分~宮崎間は3時間9分が48分(2時間21分短縮)に、宮崎~鹿児島間は2時間9分から29分(1時間40分短縮)になるとしています。

東九州新幹線新幹線の「基本計画」には挙げられているものの、「整備計画」からは外れた計画路線です。そのため、大分県などでは、まずは整備計画路線への格上げの実現を目指していく方針です。

四国と九州を結ぶ「豊予海峡ルート」とは

「豊予海峡ルート」は、九州と四国を陸路でつなぐ構想です。愛媛県から大分県の方向には、細長い「佐田岬半島」が約50km先へ伸びており、この部分は両県の陸地が極めて近くなっています。その離隔はわずか13km程度で、津軽海峡が約23km、瀬戸大橋の部分が約9kmであることを考えると、非現実的な距離ではありません。

大分市が実施した調査によると、「豊予海峡ルート」の整備方式は「新幹線の場合(単線・複線)」「高速道路の場合(2車線・4車線)」「新幹線+高速」、また構造はそれぞれ「橋梁の場合」「海底トンネルの場合」が想定されています。

ここに新幹線を整備する場合、大分駅松山駅を結ぶことが見込まれており、所要時間はフェリー利用の238分からわずか38分となり、200分も短縮されます。さらに「四国新幹線」が松山~高松~徳島、岡山方面へ開業済みと仮定すると、大分~高松は237分から78分に、大分~大阪は234分から136分に短縮される見通しです。

日豊本線の特急「ソニック」(画像:写真AC)。