「貧女ハウスへようこそ」(小学館)や、「実録怪談 本当にあった怪奇村/新犬鳴トンネル」(竹書房)などの代表作を持つ三ノ輪ブン子(@minowabunko)さん。短いページ数の中で意表を突く展開の短編ホラーを得意とする漫画家だ。そんな三ノ輪さんの作品の中から、赤い吊りスカートでお馴染みの“トイレの花子さん”にまつわる短編漫画を紹介する。この作品に登場する花子さんは、ちょっと困った展開になっているようで…?

【漫画】「花子、困る」を読む/短編全10ページ

怪異派遣事務所宛てに小学校の教師から一通の手紙が届いた。内容は「生徒がいじめられているようなので、代わりに相談に乗ってくれませんか」というもの。この問題を解決すべく派遣されたのは、学校の怪談といえばこの人!!…というほど有名なトイレの花子さん!怪異としての経験も長く、怪異派遣事務所の不動のエースだ。

花子さんは早速、いじめられてトイレの個室に閉じこもっている女の子を発見。女の子は突然現れた花子さんに驚いて悲鳴をあげた。ここまでは想定内だったが、その直後、花子さんにとっては屈辱の展開が待っていた!

女の子は「出たー!赤マント!」と叫んだ!思わぬ“人違い”ならぬ“怪異違い”に「もう帰る」と激オコの花子さん。しかし、花子さんにとっての本当の試練はここからだった…!!いじめられっ子が「3番目のトイレに赤マントがいる」と言いふらして同級生を呼んできたのだ。ここで誰もいないと彼女は嘘つき扱いされ、ますますいじめの対象に…?さぁ花子さん、どうする…?作者の三ノ輪ブン子さんに、この作品の裏話について話を聞いてみた。

――「怪異派遣事務所」には、ほかにどんな派遣社員が所属していますか?事務所についても教えてください。

みなさんが「怖い」と認識している怪異はみんな所属しています。「怖い」という気持ちは、怖いからこそ気をつけようと思ったり、用心深く慎重になったりもするので、決してマイナス面ばかりではありません。いつどんな怪異の派遣員が、あなたの前に現れるかわかりませんので、怖がりながらも楽しみに待っていてくださいね。

――この怪異派遣事務所シリーズは今後も描かれる予定ありますか?

個人的にすごく気に入っている設定なので、良いネームさえできれば!という感じです。

毎月30日発売の「本当にあった笑える話」(ぶんか社)にて都市伝説系漫画「ただのうわさです」を掲載中の三ノ輪ブン子さん。「そちらの漫画でも、有名な都市伝説がいくつも出てきます。都市伝説ファンも特に詳しくない人も、両者に新鮮な気持ちで読んでもらえる話を描いていきますので、楽しみにしていてください」とのこと。12月からは電子雑誌「comicタント」にて同作品の移籍連載が決定した。今後も“三ノ輪ワールド”全開!新しい視点から捉えた“斬新な”怪異たちが暗躍すること間違いなしなので、お楽しみに!

取材協力:三ノ輪ブン子(@minowabunko)

なぜか花子さんが、別の怪異の決めゼリフを言っている…!?/三ノ輪ブン子(@minowabunko)