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 欧米では、クリスマスや感謝祭には七面鳥をローストして食べる習慣があるが、イギリスに住む男性は七面鳥をクリスマスに食べるのを止めたという。

 その理由はペットにした七面鳥のメスをこよなく愛してしまったからだ。

 我が子のようにかわいがっている七面鳥も男性に非常になついており、どんな時でも行動を共にするという。もはや彼の人生の一部だ。

 パブや歯医者にまで七面鳥を伴って現れる男性を、近所住民はすでに見慣れたようだ。

【画像】 七面鳥T2とデイブさんの出会い

Turkey owner goes everywhere with his inseparable companion - even to the pub and the dentist

 イギリスケントメードストンに住むデイブ・ブルッカーさん(56歳)は、動物が大好きで馬を3頭飼っているが、2年前から七面鳥もペットにし始めた。

 「トラブル バージョン 2」、略して「T2」と名付けられたメスの七面鳥とデイブさんとの出会いは、今から2年前のことだそうだ。

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 当時、農場でT2の母親が12個の卵の上に座って温めていたところ、天気が悪くなり、孵化の状態が悪くなってしまったという。

 最初に孵化した2羽が死んでしまったので、残りの七面鳥が無事に生まれるようにデイブさんは加熱育雛器の設置を試みた。

 そして3番目に殻を破って出てきたのがT2だった。

T2に10時間か11時間給餌しました。T2が生まれた瞬間、私はじっと様子を見ていたので、私を親だと思ってしまったようです。

他の個体はみんな簡単に母親のもとに戻ったのですが、T2はそうではありませんでした。

 これは刷り込み(インプリンティング)と呼ばれる習性によるものだ。卵から孵化して最初に見た「動くもの」を「親」だと認識し、慕って追いかけるようになる。

 T2はデイブさんを自分の親だと認識したのだろう。

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特別な絆を育みどこでも一緒に出掛けるように

 以来、T2はいつもデイブさんの後をついてくるようになった。

 デイブさんもT2を最愛のペットとしてかわいがり大切に育てるうちに、我が子のような特別な感情を抱くようになった。

T2はどこにでも私と一緒に行きますよ。T2のお気に入りの外出の1つは、大手スーパーチェーン「テスコ(Tesco)」の駐車場なんです。

そこで、スコッチエッグソーセージ肉が乗ったおやつを食べるのが大好きです。T2がヒナの頃からずっとそこに行っています

 地元住民らは最初はありそうもないコンビを目撃して驚いたが、今ではすっかり慣れたようだ。

 驚いたことに、デイブさんはT2をパブや歯医者にまで連れて行くという。

パブではT2は毛布の上に行儀よく座っています。走り回ったりするほとんどの犬とは異なり、チーズとオニオン味のチップスのパックを与えてやると幸せになります。

最近歯医者に行ったとき、受付係に自分が診察を受けている間、七面鳥をみていてくれないかと尋ねました。

受付係の女性は冗談だと思っていたようですが。実際に私がT2を連れて行くと喜んでくれました。

T2のおかげで、普段は会話をしないような人々とも会話が弾んでいることに気づきました。

最近、パブでT2に気づいたソマリア人男性は、家族の農場で七面鳥を飼っていた幼少期のことを思い出したと話してくれました
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大きな影響を与えてくれるT2の存在

 デイブさんは2014年に不安と鬱病を患い、とても辛い時期を過ごしたそうだ。だが、動物と特別な絆を育むことで救われているという。

T2はおとなしいですが社交的な一面もあるんです。人に撫でてもらうのが好きですしね。どこへ連れて行っても、周りの人々からかなりの注目を集めていますよ。

T2は私のよき仲間です。一緒にいると面白いしね。時々、T2が人間に思えてしまうほどです。

七面鳥は興味深い鳥で見た目は先史時代の恐竜のように見える時もあります。T2は、私の小さなヴェロキラプトルです。
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もうクリスマスには七面鳥は食べないことに

 テスコの駐車場でT2に餌をあげていると子供たちがやって来ることがよくあるが、ほとんどの子供はテーブルの上に乗った調理された七面鳥しか見たことがないという。

生きている実物を目にすることは、違った見方をするのに役立つと思います。

私はT2をペットにしてまだ2年しか過ごしていませんが、自分に与えられた影響は大きいです。

今では、クリスマスには七面鳥を食べないことに決めています。
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  現在T2のきょうだい8羽はデイブさんの友人が飼っているらしく、デイブさんは時々その卵を食用として人におすそわけすることもあるという。

 だが、デイブさんの家に一緒に住んで寝室も共有しているのはT2だけだ。それほど互いの絆は強く、デイブさんは七面鳥を金輪際食べないことに決めた。

T2は自分にとって我が子のような存在ですからね。もうクリスマスに七面鳥を食べるのは止めようと思ったんです。

私とT2との間には、犬とその飼い主のような強い絆があるんです。非常に奇妙に思う人もいるかもしれませんが、世の中もし私たちが皆同じだったら世界は退屈でしょう。

T2は、ただ人々を笑顔にするんです。それは素晴らしいことだと思います。

追記:(2023/11/09)本文を一部訂正して再送します。

References:'I go everywhere with my two-year-old pet turkey, from the pub to the dentist - she's like a child to me'/ written by Scarlet / edited by parumo

 
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愛するペットは七面鳥。歯医者にもパブにも連れて行き、クリスマスに七面鳥を食べないことを決意