あとは用地取得の完了を待つのみです。

東京都西部の南北軸

ぐちゃぐちゃに混乱しがちな東京都の道路網ですが、その中でも東京都西部をまっすぐ南北に縦断するネットワーク道路となるべく、「新府中街道」の整備が進んでいます。

所沢駅南側の「新所沢街道」から東村山市境付近で南側へ分岐していき、西武国分寺線やJR武蔵野線に沿って南下。関戸橋で多摩川をわたる鎌倉街道に接続し、そのまま町田市方面などに通じます。

このうち、すでに4車線道路として完成しているのは久米川~八坂~新小平の約2.5km、あとは西国分寺駅付近から南側です。残りの東村山・小平・国分寺の3市内で、計4工区に分けて事業が進められています。

●久米川工区:用地取得率73%
まだ工事は始まっていません。2車線道路として、西武国分寺線の約300m東側を並行して南下していきます。現地では用地取得が完了した箇所が更地となってフェンスで囲われています。

●本町工区:用地取得率92%
現在の府中街道は、東村山駅のすぐ東側を南北に抜けていきますが、新府中街道は北東から下りてきて東村山駅南側で府中街道に合流する線形になっています。合流するまでが2車線、合流後は現道を拡幅する形で4車線道路として計画されています。

現地では用地取得が大詰めを迎えていますが、まだ先行一部工区における工事開始には至っていません。

●小平工区:用地取得率75%
まだ工事の前段階である、詳細設計が行われている状況です。北側はおおむね用地取得が完了して更地になっており、小川町西交差点からは、将来の道路区域をフェンス越しに見ることができます。

国分寺工区:用地取得率99%
工事はスタートを切った段階で、大きな工事として西武国分寺線をくぐるアンダーパスが先行して開始しており、あとは道路の左右端に下水管や共同溝を設置する工事が続けられています。

以上のように、全通に向けて残り全工区が事業化済みで、用地取得もかなり進行している状況です。東京都は今年度の事業概要で「課題の早期解決に努め、関係権利者の理解と協力を得られるよう取り組んでいる」としています。

国分寺市内を抜ける新府中街道(画像:Google Earth)。