本木雅弘が主演を務める「テレビ朝日ドラマプレミアム『友情』~平尾誠二と山中伸弥 『最後の一年』~」(夜9:00-10:54、テレビ朝日系)が11月11日(土)に放送される。同ドラマは、“ミスターラグビー”平尾誠二とノーベル賞受賞・山中伸弥、親友である二人が全力で駆け抜けた最後の一年を描く。WEBザテレビジョンでは、平尾を演じる本木と、平尾の妻・惠子を演じる石田ゆり子にインタビュー。ドラマの話を受けた時の気持ちや、山中を演じる滝藤賢一の印象などを語ってもらった。

【写真】石田ゆり子と本木雅弘の仲良しな雰囲気あふれる2ショット

■本木雅弘「本当に畏れ多いような気持ちがありました」

――ドラマのお話をいただいたときの率直なお気持ちをお伺いできればと思います。

本木:私はラグビーレジェンドである平尾さんを演じるというのは安易に手をつけちゃいけないものだという、本当に畏れ多い気持ちがありました。自分とはあまりにもかけ離れすぎていて、少しだけ顔が似ていると言われてお話をいただきましたが、あの特異なオーラは再現できるものではない。ある意味時代を動かした偉人であるし、背負いきれる自信がないので躊躇したというのが正直なところです。

石田:私はこのお話をいただいた時に、本木さんと滝藤さんが平尾さんと山中さんを演じるというのを聞いていたので、何とかご一緒できるならしたいと思いました。きっと素晴らしい作品になるだろうと勝手に確信しました。ただ、実話をベースにしたドラマや実在する方の役を演じるのってすごく緊張するんです。その方々に失礼があってはいけないって思うし、私で本当にいいのだろうかという思いもありました。

■石田ゆり子「イメージを膨らませながら演じていました」

――演じられる前に惠子さんや山中先生など関係者の方とお話する機会はありましたか?

本木:山中先生は、撮影終盤に現場に少しだけ立ち寄ってくださって、その時にお会いしました。先生にはドラマの撮影自体が新鮮だったのか、撮影のプロセスを見て面白がっていたそうです。二人でお話する機会があって、その時に実際平尾さんは、「本当に陰りなく過ごされていたんですか」と伺ったら、「これがガン闘病者の病室かっていうぐらい最後まで明るい空気感だった」とおっしゃっていて、すごく驚きました。惠子さんもロケを見に来てくださって、本当にお世辞抜きで石田さんと通じるところがあり、きれいでかわいらしいんですが、同時に芯を感じるすてきな人でした。このしなやかさが平尾さんを支えていたんだなと、一瞬ですが当時の二人の姿が垣間見えた感じがありました。

石田:実は私は惠子さんとお会いしていないんです。お会いしたいと思いましたが、演じさせていただく方ご本人なので、あえてお会いせず…。なので、私は人づてにお話を聞いて、イメージを膨らませながら演じていました。今回お医者さんを演じられる賀来千香子さんが惠子さんととても仲良しで、千香子さんにお話を伺うと、惠子さんが平尾さんのことを本当に大好きなんだなというのが伝わってきて、とても素敵だぁと…。

■石田ゆり子「心遣いもあって本当に素晴らしい方だと思います」

――ドラマの中や撮影現場で印象に残っているシーンや出来事があれば教えてください。

本木:闘病中の平尾さんが、一時的に絶食しなければいけない中で、やたら家族で美味しいものを食べるシーンが出てくるんですよね。現実に平尾さんは僅かしか食べられないわけですよ。それでも家族のシーンはしんみりしないというか、みんなとワイワイ過ごす時間のありがたいさ、これが何よりの栄養なんだとかみしめているような、日常的な場面がすごく愛おしく感じるという意味で食卓を囲んでいるシーンは印象的でした。

石田:撮影の後半は本木さんが日に日に細くなられていく中、おいしいものをたくさん差し入れしてくださって。私たちは美味しくいただいているのに、どんどん痩せられていくのでどうしようというか、私も一緒に痩せた方がいいのかなと思っていました(笑)。

――山中伸弥さんを演じる滝藤賢一さんとの印象はいかがですか?

本木:滝藤さんは役者として以前に、人としてとても魅力的です。何事にも惜しみなく愛情を注ぐ人。そこが絶対私にはないところなんですよ。滝藤さんは自分の感じていることを素直に表現に移せる人だと思うので、だからどんな役に対しても常に愛情があるし、上情の深い山中さんとリンクすると思います。それが滝藤さんからじわじわ伝わってきて、平尾さんを演じる上で自分の支えにもなりました。

石田:いつもフワって笑っていて、何を聞いても優しくて柔らかい、うそのない返事が返ってきて。「コーヒー飲みませんか?」などの心遣いもあって本当に素晴らしい方だと思います。洋服など趣味もたくさんあって幅広くアンテナを張ってらっしゃる方だなと感じたので、もっといろいろ話したかったです。

■本木雅弘「シンプルな人間たちの営みというのが映し出されている」

――視聴者にメッセージをお願い致します。

本木:このドラマは展開の忙しい配信系のドラマとは、ある意味一線を画していると思います。落ち着いて物語が進んでゆき、シンプルな人間たちの営みというのが映し出されているのですが、そこにそれぞれの世代がそれぞれなりに自分や未来を投影して、想いをめぐらせて余白を埋めていく。そんなふうに見ていただけたらと思います。

石田:(このドラマは)今時のドラマと少し違うかもしれない。悲しい話ではありますが、きらきらしているんですよね。結末は悲しいですが、その生きている時間っていうのが本当にキラキラして見えるんです。だから皆さんにもどうかできるだけ瞬きしないで見ていただけたらうれしいです。

本木雅弘ヘアメイク=原田ゆかり(MARVEE)/石田ゆり子ヘアメイク=岡野瑞恵/石田ゆり子スタイリスト=藤井享子/衣装協力=support△surface/SOURCE/himie

石田ゆり子と本木雅弘/※ザテレビジョン撮影