BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)の放送枠「よる8銀座シネマ」と「土曜ゴールデンシアター」では、「日本の名匠シリーズ 没後20年 深作欣二特集」と題して、11月13日(月)より6夜連続で映画監督・深作欣二さんの6作品を放送する。1982年公開の「蒲田行進曲」や1994年公開の「忠臣蔵外伝四谷怪談」など名作が揃い踏み。“深作ワールド”にどっぷりと浸れるラインナップとなっている。

【写真】「蒲田行進曲」放送記念特番に出演する風間杜夫、松坂慶子、平田満

■大ヒット映画「仁義なき戦い」で日本映画史にその名を刻む

深作監督は、日本大学芸術学部を卒業後、1953年に東映に入社し、1961年に監督デビュー。1973年に公開された、ヤクザたちの壮絶な戦いを実録タッチで描いた映画「仁義なき戦い」は大ヒットを記録し、続編やスピンオフなど11作が製作されるなど、日本映画史に残る作品となった。

そして1982年公開の「蒲田行進曲」では、撮影所を舞台に、花形スターと大部屋俳優の奇妙な友情や、2人の間で揺れ動く女優の姿を中心とした人間模様を描いた。中でも、池田屋討ち入りの場面での「39段の階段落ち」は今でも語り継がれる名シーンだ。同作は、1983年の第6回日本アカデミー賞で作品賞、監督賞をはじめとした各賞を総ナメにしている。

深作監督は、その後も数々の名作を生み出し続け、2002年12月には前立腺ガンを患いながらも「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」の撮影を開始するが、2003年1月12日に72歳の生涯を閉じた。作品は息子の深作健太氏が監督を引き継ぎ、主演の藤原竜也が日本アカデミー賞主演男優賞を受賞している。

直木賞受賞作家が脚本を務めた「蒲田行進曲

11月13日(月)夜8時からは、アクション・バイオレンス映画「いつかギラギラする日」(1992年公開)を放送。ホテルの売上金2億円を狙い現金輸送車を襲った4人の男(萩原健一、木村一八、石橋蓮司、千葉真一)が仲間割れし、血みどろの死闘を繰り広げていく。銃撃戦126台の車両を破壊するカーチェイス、爆破シーンなど、迫力ある場面が満載だ。

11月14日(火)夜8時放送の「道頓堀川」(1982年公開)は、宮本輝の同名小説が原作。両親を亡くした美大生・邦彦(真田広之)は、親代わりのマスター武内(山崎努)の喫茶店で働いていた。ある日、小料理屋のママ・まち子(松坂慶子)と出会い、2人は恋に落ちていく――。

11月15日(水)夜8時30分からは、「蒲田行進曲」(1982年公開)を放送。直木賞受賞作家・つかこうへいさんの同名小説が原作で、つかさん自身が脚本も執筆。花形スターの倉岡銀四郎(風間杜夫)は、自分の子供を身ごもった女優の小夏(松坂慶子)を、スキャンダルを避けるため、銀四郎に憧れる大部屋俳優のヤス(平田満)に預けて姿を消してしまう。

ちなみに、同作放送直前の夜8時からは、「蒲田行進曲」放送記念特番として、「小夏×銀ちゃん×ヤスの同窓会」を放送。松坂、風間、平田の3人が作品を振り返りながら語り合う。

■「東海道四谷怪談」と「忠臣蔵」の物語を融合させた時代劇「忠臣蔵外伝四谷怪談」

11月16日(木)夜8時からは、「柳生一族の陰謀」(1978年公開)を放送。権力に生きる柳生一族の存続を賭けた陰謀が、骨肉の争いへと展開していく姿が描かれている。徳川二代将軍秀忠が江戸城大奥で急逝すると、その死因の謎とともに、世継ぎ問題が勃発。柳生但馬守・宗矩(萬屋錦之介)は、秀忠の長男・家光(松方弘樹)を擁立するべく奔走する。

11月17日(金)夜8時より放送の「魔界転生」(1981年公開)では、徳川幕府により処刑された天草四郎(沢田研二)が、細川ガラシャ夫人(佳那晃子)、宮本武蔵(緒形拳)、宝蔵院胤舜(室田日出男)、伊賀の霧丸(真田広之)らとともに甦り、幕府への復讐を企てる。その正体を突き止めた柳生十兵衛(千葉真一)は、妖刀を手に立ち向かっていく。

11月18日(土)夜9時からは「忠臣蔵外伝四谷怪談」(1994年公開)を放送。鶴屋南北原作の怪談「東海道四谷怪談」と忠臣蔵の物語を融合させ、元赤穂藩侍の民谷伊右衛門(佐藤浩市)とお岩(高岡早紀)の恋模様に四十七士の吉良邸討ち入りのドラマを織り込んだ時代劇だ。本作は1994年度キネマ旬報日本映画ベストテンでは第2位に輝いている。

※山崎努の崎は正しくは「たつさき」

「いつかギラギラする日」/(C) 1992 松竹株式会社/日本テレビ放送網株式会社