通信費の固定支出は家計に大きな影響をおよぼしています。では、通信費を安く抑え続けるにはどうすればよいのでしょうか。本記事では、いとうあこ氏の著書『今あるお金で幸せに暮らすお金の回し方』(ごきげんビジネス出版)より、スマホなどの通信費を格安でキープし続けるコツについて解説します。

契約時に最大限の注意が必要な「通信費」

スマホの利用料、Wi-Fi契約料、固定電話、有料テレビ……。これらの通信費は日常生活に欠かせない固定費です。

契約時にどんな選択をするのか? 通信費は一度決めるとプランがほぼ固定される(もしくは数年後に上がる)ため、契約時には最大限の注意が必要です。

電気代や水道代のような光熱費は、増えれば利用を減らせばよいのですが、一度決めた通信費を減らすことはハードルの高い作業です。通信費は余暇の過ごし方だけでなく、仕事に利用する機会も多く、生活の大きな部分を占める大切な契約になってきました。

スマホが壊れた!新しい機種が出た!など、予定外のタイミングでも、通信費を増やすことなく格安でキープし続けられるよう、日ごろから「今ならどのプランが最適なのか」考える習慣をつけておきましょう。

通信費を抑え続けるコツ

全方位で最適なプランを検討する

スマホの料金プランは、機種代金と通信料金の二階建てです。さらに、Wi-Fi契約も同時に契約することで割引が適用されるため、通信費はトータル料金(縦のつながり)の検討が必要です。

家族がいる場合は家族間の割引が適用されるため、離れた家族(横のつながり)も含めた料金プラン検討します。通信費は縦と横の全方位で最適なプランを探すと、家族トータルで料金が下がります。

明細をチェックする

かつては出費を抑えるために、時間と足を使って「〇万円キャッシュバックキャンペーン」などのプランを検討する必要がありました。近年では昔のように「ドカンと安く」なるプランは見かけなくなりましたが、明細をマメにチェックして「格安をキープ」することは可能です。

「2年ごとにプランを見直せばいい」という考えは今すぐあらため、毎月必ず料金をチェックしましょう。

実際私も、毎月1000円代の支払いだったのが急に3000円に増えたため調べたところ、2年目以降に料金プランが値上がりする契約だったため、他社に乗り換えをした経験があります。それ以降、プラン変更がわかっている場合は、前もってスマホのカレンダーに「プランを外す」「スマホ料金を見直す」などと記載し、うっかり忘れのミスを防いでいます。

見栄は捨てる

通信費を抑えるため安いプランに乗り換えたくても、機種代の残債があったり、欲しいスマホの機種代が高額であったりすると、機種をローンで購入するため想定以上に出費がかさみます。

スマホ本体は小さなパソコンです。壊れるまで大切に使うのか、常に最新機種で快適なスマホ生活を送るのかは、それぞれのライフスタイルで大きく違いが出るため、どちらがよい・悪いというわけではありませんが、何がなんでも最新機種という考えには賛成できません。

新型のスマホは誰だって欲しくなります。進化するスマホに見合う使い方をするのであれば、幸せなお金の使い方といえますが、憧れや見栄えのためならキッパリと諦めましょう。

スマホの機種は型落ちを選ぶ

高額な機種代のローンが常に家計を圧迫するリスクを避けたければ、型落ちの安い機種を選択するのが最適解です。

格安機種代はトータルいくらで毎月いくら払うのか? 毎月の支払い金額だけに目を奪われるのではなく、スマホ本体のトータル金額と自分の収入を冷静に見つめ直すことが必要です。

近年ではSIMフリーの機種も多く出回っています。通信業界の今後の進化を考えると、本体と通信は分けて考え、本体は自分に最適なモデルを、通信は時代と自分の使い方に合った格安のプランで乗り換えていくのもひとつの方法です。

本体買い替えの際は、ギガ数制限なしのプランでWi-Fiを持たない選択も含め、SIMフリーの型落ち機種から検討をはじめましよう。

ほったらかしにしない

一度契約したらほったらかしになりがちですが、前述したとおり、あっという間に2年が経過していたり、無料のサービス期間が終わっていることがあったりするため、マメなチェックが必要です。

・割引が終わっていないか?

・無料のサーピスが有料になっていないか?

・2年目から料金が上がるプランになっていないか?

・家族割、光プランなど、使える割引がないか?

・祖父母を含めた家族がWi-Fi変更などで割引が使えないか?

など、ショップで確認するとともに、家族間の携帯キャリアやWi-Fiの状況も確認します。

結婚などで名前が変わった場合も、マイナンバーカードで事前登録すれば街のコンビニで戸籍謄本を取ることができます(対応していない市町村あり)。離れた家族でも簡単に家族申請ができるので、面倒がらずに手続きしましょう。

料金チェックをマメにする方法

携帯料金は毎月ショートメールや登録したアドレスに利用料金のお知らせが届きます。案内が届いたら後回しにせず、必ず料金に目を通しましょう。

利用料金の案内を見逃した場合も、クレジットカードやQRコード決済の引き落とし案内で(後述する「家計簿アプリで円満な暮らし」でお伝えします)必ず見返す習慣をつけます。

たとえ数千円でも固定費の出費を抑えるのが上手なお金の回し方です。月にわずか500円の通信費削減でも、4人家族で月2000円、年間2万4000円ものお金が浮きます。少しでも下げる方法はないか検討し、ムダな出費を減らしましょう。

ポイント

通信費は一度決めると下げることは難しい。上手に機種を選び明細をマメにチェックして固定費を下げよう

いとう あこ

お金と暮らしのコンサルタント

ママのための金融リテラシー講座主催

※本記事は『今あるお金で幸せに暮らすお金の回し方』(ごきげんビジネス出版)一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

(※画像はイメージです/PIXTA)