アメリカ・ニューヨーク州にある孤児野生動物センターは、孤児となった野生動物を野生に戻すことを目的とした、殺処分を行わない野生動物保護施設であり、野生に戻すためのリハビリを行っている。
レオは絶滅危惧種であるシリアヒグマの保護を目的とした繁殖プログラムから生まれた孤児だ。
ある日、センターのスタッフがレオに小さなクマのぬいぐるみをプレゼントしたところ、レオは思いもよらぬ反応を見せた。やさしい表情をうかべながらぬいぐるみに近寄り、愛らしい仕草を見せた。
孤児のレオにとっては新たな友達ができた気分だったのかもしれない。その光景は見ていたスタッフの心を溶かしたようだ。
Leo checking out the bear was even more adorable...oh this bear...beyond cute.
ニューヨーク州にある孤児野生動物センター(Orphaned Wildlife Center)は、2015年に創設された非営利団体の野生動物保護区だ。
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ジムさん、スーザンさん、ケリーさんの3人が創設したこの保護区には、多種多様の野生動物が保護されている。
いずれはリハビリを受けて野生に戻すことを目的としていて、3人は日々動物たちの世話を献身的に行っている。
ここには、それぞれ独自の個性や好みを持っている11頭のクマがいる。その中のレオというシリアヒグマは孤児として保護区にやってきた。
シリアヒグマはレバノン、イラク、シリア、トルコに生息していたが、密猟や乱獲のために絶滅の危機に瀕している。現在生息が確認されているのはトルコ、イラン、イラクのみだそうで、一部地域では保護活動が行われている。
ジムさんはクマの扱い方に慣れていて、クマたちもジムさんになついている。
特にレオと強い絆を育んでいるジムさんが愛情を持って毎日レオに接する姿はとても微笑ましい。
体が茶色く爪が白いシリアヒグマはヒグマの中では比較的小さい方だが、鼻から尾までの長さは100~140cm前後、体重は250kg前後ある。レオは大き目だがとてもやさしい心の持ち主だという。
そこである日、ジムさんたちはレオに特別なプレゼントを与えてみた。それは小さなクマのぬいぐるみだ。
さて、レオは自分と同じクマのぬいぐるみにどんな対応を見せるのだろうか。
やさしいレオのぬいぐるみへの接し方に思わず心ほっこり
突然、囲いの中に現れた小さなクマのぬいぐるみにレオは好奇心をあらわにした。
レオの大きく力強い体躯は巨大な力を発揮することもできる。だが、レオはその代わりに持ち前のやさしさを示した。
ゆっくりぬいぐるみに近付くと、鼻を寄せてにおいをかぐようにして触れた。好奇心旺盛に、かつ繊細に小さな仲間を探検するレオの姿は、見守っていたジムさんたちスタッフの心を温かくした。
レオの穏やかで物静かな行動は、メディアでしばしば見られるクマの恐ろしさとは対照的で、ほとんど子供のような無邪気な一面を見せたレオに多くの人々がほっこりさせられたようだ。
孤児野生動物センターは、動物を救助し野生に戻すことを使命とし、これらの美しい生き物が自然の生息地で繁栄することを常に支持してきた。
そのため保護区のクマたちは食べ物の好みから遊び方まで、できるだけ自然の生息地に近い生活を送っている。
しかし、レオのようにさまざまな理由で野生に帰すことができない永住者にとっては、保護区が永遠の家となる。
だからジムさんたちは、保護されたクマがここで幸福を得て個性を発揮できるよう、最大限の配慮と敬意を持って接している。
References:Syrian brown bear melts hearts investigating tiny “imposter” who showed up in enclosure/ written by Scarlet / edited by parumo
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