野球界でも前例のない規模の契約が見込まれる大谷のFA去就。その行方に世界が熱視線を送っている。(C)Getty Images

 DeNAは来シーズン、今永昇太トレバー・バウアーがチームを離れる可能性が高い。先発投手の不足が今から懸念されているが、先発投手以上に左のリリーフ投手の不足も深刻だ。

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 DeNAの左のリリーフ投手と言えば、田中健二朗とエスコバーが挙げられる。

 田中は今シーズン11試合に登板して防御率4.09と振るわなかったが、2022年には47試合に登板して防御率2.63と好成績を収めた。エスコバーはシーズン序盤、本来のパフォーマンスとは程遠い投球が続いたが、中盤以降は立て直して7月と9月の月間防御率は0.00と安定感を発揮。しかし、DeNAはシーズンオフに田中を解雇し、エスコバーも自由契約とした。

 エスコバーとの残留交渉は継続するというものの現在、計算できる左のリリーフ投手は28試合に登板して防御率1.97と覚醒した石川達也くらい。坂本裕哉も中継ぎとして何試合かマウンドに立ったが、9月に2試合先発登板するなど、先発投手として考えられている節もある。また、ドラフトで支配下として指名した左投手は山形中央高の武田陸玖のみではあるが、高卒ということを考えると来シーズンの登板は考えにくい。

 一方、DeNAは右のリリーフ投手は充実している。今シーズンは思うような投球ができなかったものの、実績十分の山崎康晃伊勢大夢、回跨ぎも難なくこなせて防御率2.11と圧倒的な成績を残した上茶谷大河、シーズン途中から9回を任された森原康平。また、来日1年目で防御率1.66と首脳陣とファンの信頼を獲得したウェンデルケンも、去就はハッキリしていないが残留となれば右のリリーフ投手は盤石と言って良い。

 さらには、2018年育成ドラフト1位で23歳の宮城滝太は、シーズン終盤に一軍で投げる機会が増え、計11試合に登板して防御率3.86。2017年育成ドラフト1位で24歳の中川虎大も宮城同様にシーズン終盤に一軍での登板が増え、 計9試合で防御率2.53だった。2人の登板はいずれもリリーフで、若い右のリリーフ投手も順調に育っている。

 左のリリーフ投手不足がネックなDeNAではあるが、期待を寄せたい選手がいる。それは2021年に30試合に登板して防御率3.07と活躍した櫻井周斗だ。櫻井は2022年に左肘の手術を受け、一時は育成登録となったが、今シーズン途中に支配下選手に復帰。今シーズンは一軍登板はないものの、二軍で36試合に登板して防御率3.38という成績を残した。

 今後、左のリリーフ投手を獲得することは予想されるが、それでも不足している現状は変わらない。櫻井が一軍のマウンドに返り咲き、躍動できるかがDeNAの戦績に大きく関わってくるかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

実は深刻? DeNAのウィークポイント 左のリリーフ不足をどう解消するか